ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

藤ノ平ダム

2019-06-01 01:17:49 | 長崎県
2019年5月24日 藤ノ平ダム
 
藤ノ平ダムは左岸が佐賀県東松浦郡玄海町驫木、右岸が同町長倉の有浦川水系有浦川上流部にある灌漑目的のロックフィルダムです。
佐賀県北西部の東松浦半島はその大半が上場(うわば)台地と呼ばれる火山性土壌によって形成された台地で、水利に乏しく古くから農地開拓は困難を極めていました。
1973年(昭和48年)より国営の『上場土地改良事業』が着手され2期にわたる事業の結果5基のダム、13箇所の揚水機場、延長77キロの幹線水路の整備が行われました。
同事業により松浦川から揚水された水が5基のダムに合計で1000万立米以上貯留され、新たに5000ヘクタールを超える水田、畑、果樹園への灌漑用水の補給が可能となりました。
藤ノ平ダムは5基のダムの一つとして2003年(平成15年)に竣工し運用開始後は唐津市と玄海町で組織される一部事務組合である上場地域農業開発事業組合が受託管理を行っています。
藤ノ平ダムの総貯水容量は357万5000立米と全体貯水量の約35%を担っており、また貯水容量の大半を松浦川からの揚水に依存しているため事実上の河道外貯留方式となっています。
 
佐賀県玄海町の県道47号から藤ノ平ダムが見遠望できます。
堤高58.4メートルのなかなか立派なロックフィルダムです。
 
左岸の洪水吐直下から
向かって右手に放流設備がありそこからの水路が減勢工に合流します。
 
リップラップは花崗岩が積まれています。
竣工当時は純白の堤体だったようですが、ずいぶん草が伸びています。
 
上流面も花崗岩が積まれています。
 
右から横越流式式洪水吐、管理事務所、斜樋。
 
ちょっと上流に移動し斜樋を正面から撮影。
斜樋はシャフトが7本もあります。
 
天端は車止めがあり車両は進入できません。
下流面だけじゃなく上流面や天端両側も草がかなり伸びています。
 
ダム湖は総貯水容量357万5000立米。
田植えシーズンを控え水位が低くなっています。水不足なのか?それとも田植えシーズンで補給量が多いので水位が低いのか?
 
洪水吐斜水路と減勢工。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
2002年(平成14年)竣工で上場土地改良事業で建設された中では最も新しいダムです。
ダム便覧には竣工直後の真っ白のリップラップの写真が掲載されていますが、今は上下流面ともにずいぶん草が伸びているのがやや残念。
 
2549 藤ノ平ダム(1437) 
左岸 佐賀県東松浦郡玄海町驫木
右岸 佐賀県東松浦郡玄海町長倉
有浦川水系有浦川
58.4メートル
296.2メートル
3575千㎥/3128千㎥
上場地域農業開発事業組合(唐津市・玄海町)
2002年


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