ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

川俣ダム

2018-04-24 09:48:00 | 栃木県
2015年10月04日 川俣ダム
2016年12月10日
2018年 5月 6日 
 
川治ダムは栃木県日光市川治温泉川治の利根川水系鬼怒川上流部にある多目的アーチ式コンクリートダムです。
利根川水系最大支流の鬼怒川は『鬼が怒る』という名が示すように有史以来多数の洪水被害をもたらしその治水は古くからの重要課題となっていました。
鬼怒川流域では1956年(昭和31年)に男鹿川に五十里ダムが完成、これに次いで1966年(昭和41年)に鬼怒川本流源流部に建設されたのが川俣ダムです。
さらにその後の利水需要増加を受けて鬼怒川下流に川治ダムが、男鹿川右支流湯西川に湯西川ダムが建設されました。
川俣ダムは特定多目的ダム法により建設され国交省が直轄管理する特定多目的ダムで、他の3ダムと国交省鬼怒川ダム統合管理事務所により総合的に管理され、鬼怒川の洪水調節を行うほか、安定した河川流量の維持と既得取水権への補給、東京電力川俣発電所での最大2万7000キロワットのダム水路式発電を目的としています。
川俣ダムは堤頂長131メートルに対して堤高117メートルと日本一縦長のアーチダムとなっています。
またダム直下には狭隘な渓谷である瀬戸合峡の絶景が続き、ダム直下の『瀬戸合峡谷渡らっしゃい吊橋』は人気の観光スポットとなっています。
また2016年(平成28年)には日本ダム協会により日本100ダムに選定されました。
 
川治ダムから県道23号を西進、瀬戸合峡の狭い道を抜けると右手に川俣ダムの標識が現れます。
ダムの手前に駐車場があり、瀬戸合峡遊歩道入口のゲートから遊歩道を約300メートルほど歩くとダムに到着します。
遊歩道を進むと左手にダムが見えてきます。
ゲート操作室は被覆されています。
 
右岸から(2018年5月6日)。
 
ハウエルバンガーバルブから放流され虹が見えます。
堤体直下は工事中です。
 
同じアングルで(2016年12月10日)。
 
 
 
時折雪が吹き付ける生憎の天気
『渡らっしゃい吊橋』は12月~4月まで立ち入りできません(2016年12月10日)。
 
左岸から(2018年5月6日)。
 
総貯水容量8760万立米の川俣湖(2018年5月6日)。
 
右岸の艇庫とインクライン(2018年5月6日)。
 
瀬戸合峡遊歩道を歩いて吊橋に向かいます。
吊り橋からはアーチダムと真正面で対峙できます。
非常用洪水吐としてクレストローラーゲート6門、常用洪水吐としてコンジット高圧ローラーゲート2門とハウエルハンガーバブル1条を装備。(2018年5月6日)
 
コンジットゲートとバルブをズームアップ。(2018年5月6日)
 
瀬戸合峡遊歩道は往復1キロにも満たないショートコースですが、谷底から100メートルの高さの吊橋は迫力満点。
なんといってもダム正面に対峙できるのがうれしいところです。
 
追記
川俣ダムには最大2450万立米の洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに5139万2000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0563 川俣ダム(0005)
栃木県日光市川俣
利根川水系鬼怒川
FNP
117メートル
131メートル
87600㎥/73100㎥
国交省関東地方整備局
1966年
◎治水協定が締結されたダム


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