2022年10月21日 鶯宿ダム
鶯宿ダムは岩手県岩手郡雫石町鶯宿の北上川水系鶯宿川にある農地防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
雫石町南西部の御所地区(旧御所村)では地区を南北に貫流する鶯宿川、南畑川、外桝沢川、矢櫃川沿いに1000ヘクタールを超える農地が広がっていますが、4河川ともに蛇行を繰り返す急流河川となっており豪雨の際には洪水被害が頻発していました。
そこで岩手県は1950年(昭和25年)に農林省(現農水省)の補助を受けた御所防災ダム事業を採択、各河川上流部への4基の農地防災ダム建設が着手されました。
そして御所防災ダム最初のダムとして1957年(昭和32年)に建設されたのが鶯宿ダムです。
その後、1961年(昭和36年)に外桝沢ダム、1968年(昭和43年)にレン滝ダムが完成、 さらに1981年(昭和56年)の矢櫃ダム の完成により事業着手から31年の年月をかけた御所防災ダム事業はようやく竣工に至りました。
4ダムは完成後は雫石町が管理を受託し、4河川流域約670ヘクタールの農地防災を担っています。
また鶯宿ダムはには20万5000立米の灌漑容量が配分されており、流域農地の水源にもなっています。
鶯宿温泉街を抜け鶯宿川沿いをさらに遡上すると鶯宿ダムに到着します。
残念ながらダム下からの展望ポイントはなし。天端も立ち入り禁止で左岸からの見学に留まります。
天端は立ち禁ですが、訪問時は測量作業中。
精緻な作業のようで、中に入れてもらえないか?お願いできる雰囲気もなし。
むしろ邪魔にならないように静かに見学。
御所防災ダムの説明板。
上流面
クレスト自由越流頂4門を備え、昭和20~30年代のダムらしく天端はゲート部分だけ高くなっています
対岸左手は艇庫とインクライン、右手は常用洪水吐を兼ねる取水設備。
ズームアップすると湖中にアーチ状のコンクリート構造物が見えます
正体は不明。
総貯水容量179万3000立米
うち堆砂容量6万立米と灌漑容量20万5000立米分が貯留されています。
(追記)
鶯宿ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
0240 鶯宿ダム(1921)
岩手県岩手郡雫石町鶯宿
北上川水系鶯宿川
FA
G
17.5メートル
67メートル
1793千㎥/1733千㎥
雫石町
1957年
◎治水協定が締結されたダム
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