ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

沼本ダム

2015-10-27 09:40:00 | 神奈川県
2015年10月12日 沼本ダム
 
沼本ダムは神奈川県相模原市緑区三井の一級河川相模川本流中流部にある神奈川県企業庁が管理する上水・工水・発電目的の重力式コンクリートダムです。
首都圏の人口増加や京浜工業地帯の発展を受け神奈川県は県内を縦断する相模川に着目、1938年(昭和13年)に『相模川河水統制事業』を採択し相模川の水資源開発事業に着手します。
そして1943年(昭和18年)に同事業初のダムとして建設されたのが沼本ダムで、ここで取水された水は谷ヶ原浄水場と津久井発電所に送られます。
さらに沼本ダムに遅れること4年の1947年(昭和22年)に上流3キロ地点に河水統制事業の中核施設である相模ダム が建設され6320万立米の巨大貯水池が誕生しました。 
これにより沼本ダムは取水ダムに加えて相模ダムと同時に完成した相模発電所の逆調整池と言う役割も担うことになります。 
その後1965年(昭和40年)には当ダム下流5キロ地点に治水機能を持つ多目的ダムで城山ダムが建設されますが、そのダム湖である津久井湖は満水時には沼本ダム堤体直下まで湛水されることになり、沼本ダムは渇水時及び洪水期を除いて堤体の多くを津久井湖に沈めることになりました。
現在の沼本ダムは神奈川県・横浜市・川崎市・横須賀市への上水道用水の供給、川崎市への工業用水の供給、、神奈川県企業庁津久井発電所2号機でのダム水路式発電を目的としています。

相模川各ダム間の具体的運用については神奈川県水資開発等概要図をご覧ください。

津久井湖は洪水期および渇水期のみ下流の津久井湖畔から見ることができますが、通常は右岸高台から俯瞰するのみです。
神奈川県相模原市緑区寸沢嵐の国道413号線寸沢嵐交差点を北に折れ、そのまま突当たりまで進むと眼下に沼本ダムを見下ろすことができます。
訪問時は津久井湖の水位が下がっているせいか比較的しっかりと堤体が見えました。
 
上の写真をトリミングしてみましたがこれが精一杯です。
 
帰宅後調べたところ、沼本ダムは津久井湖畔から下流を見ることができるようで、特に渇水期には普段湖面に沈んでいる堤体の全貌が望めるようです。
機会があれば渇水期に再訪してみたいと思います。

0696 沼本ダム(0013)
神奈川県相模原市緑区三井 
相模川水系相模川
WIP
34.5メートル
126メートル
2330㎥/1534㎥
神奈川県企業庁
1943年


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