ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

日ノ峯ダム

2019-07-19 01:45:14 | 佐賀県
2019年7月11日 日ノ峯ダム 
 
日ノ峯ダムは佐賀県武雄市山内町宮野の松浦川水系狩立川左支流日ノ峯川にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1982年(昭和57年)に佐賀県は狩立川への多目的ダム建設を軸とした河川総合開発事業に着手します。
同事業においては地理的要因から狩立川と支流の日ノ峯川合流地点に、それぞれ狩立ダム・日ノ峯ダムを建設し両者を連絡水路と連結洪水吐で結び一体運用する方法がとられました。
両ダムは建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、狩立川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、武雄市山内町地域への上水道用水の供給を目的として2001年(平成13年)に竣工しました。
両者は延長148メートルの連絡水路トンネルと116メートルの連結洪水吐で結ばれ洪水吐は狩立ダムにだけ設置されており2ダム一体運用が行われています。
 
狩立・日ノ峯ダムの位置関係
赤マルが連結洪水吐で、これにより両ダムの水位は同一に保たれています。
 
狩立ダムから連結洪水吐沿いに西に進むとすぐに日ノ峯ダムです。
ダム下から
日ノ峯ダムには洪水吐はなく、水位が上昇した際には連結洪水吐を経由して狩立ダムの洪水吐から放流される仕組みです。
 
左岸から下流面。
 
上流面
対岸に管理事務所と狩立ダムとの連結洪水吐が見えます。
 
日ノ峯ダムは非越流式のためダム下には減勢工はありません。
右手の建屋は日ノ峯川の利水放流設備。
 
ダム湖の総貯水容量は46万立米。
両ダム湖は水路トンネルでもつながっておりは狩立・日ノ峯合計で179万立米の貯水池が一体運用されています。
 
狩立ダムの天端と同じくこちらも車両通行可能。
 
狩立ダムとの連結洪水吐と管理事務所。
 
天端親柱の銘板と装飾。
 
上流面。
 
連結洪水吐越しの上流面。
 
連絡水路トンネルと連結洪水吐で接続しており両ダムの貯水池を一つの貯水池とみなせば、実質的には狩立ダムが主堤、日ノ峯ダムが副堤という解釈もありかも。
 
(追記)
狩立・日ノ峯ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
2560 日ノ峯ダム(1470) 
佐賀県武雄市山内町宮野
松浦川水系日ノ峯川
FNW
28.4メートル
112メートル
460千㎥/447千㎥
佐賀県県土整備部
2001年
◎治水協定が締結されたダム


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