ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

九谷ダム

2016-11-10 16:57:22 | 石川県
2016年11月5日 九谷ダム
 
九谷ダムは石川県加賀市山中温泉枯淵町の二級河川大聖寺川本流にある石川県土木部が管理する多目的の重力式コンクリートダムです。
加賀市を貫流する大聖寺川は洪水常襲河川で江戸期以来氾濫が多発し抜本的な治水対策が求められていました。
1964年(昭和39年)に山中温泉直上に我谷ダムが建設されますが、その後の計画高水流量の変更や高度成長による上水道用水需要の増加などを受け、我谷ダム上流への九谷ダム建設事業が採択されました。
しかし立ち退き交渉が長期化したことで本体着工は1998年(平成10年)までずれ込み、事業着手から35年の歳月をかけて2005年(平成17年)にようやく九谷ダムが竣工しました。
九谷ダムは我谷ダムと連携して大聖寺川の洪水調節を行うほか、加賀市への上水道用水の供給、北陸電力(竣工当時は石川県企業局)新枯淵発電所での最大3500キロワットのダム式発電を目的としています。
新枯淵発電所は運用開始当初は石川県企業局が運営していましたが2010年(平成22年)に北陸電力に譲渡されました。
 
山中温泉から国道364号を南下、我谷ダムで県道153号線を左折すると九谷ダムが見えてきます。
もろ逆光のため下流からの写真はシルエットです。
 
ダム湖は九谷焼の五彩色から五彩湖と命名されました
九谷焼をモチーフにしたモニュメント。
 
堤体は曲線重力式
逆光のためご覧のような写真・・・。
 
取水設備の屋根は前面に突き出しています。
曲線の堤体とともに翼を広げた鳥をイメージにしたデザイン。
 
天端は車両通行可能
取水設備の屋根はまるでリーゼント。
 
リーゼントを下から。
 
ダム湖(五彩湖)
上流には九谷焼発祥の地があります。
 
減勢工
右手は利水放流設備と河川維持放流を利用した小水力発電所。
 
左岸から
中央は管理事務所。
 
上流面
中央に取水設備
左はコンジットゲート。
 
 
非常に格好いい曲線重力式ダムでしたが惜しむらくはもろ逆光になってしまった事。時間を変えて再訪したかったのですが余裕がなくて。

(追記)
九谷ダムは台風等の襲来に備え事前放流を行う治水協定を締結しました。
 
0927 九谷ダム(0695)
石川県加賀市山中温泉枯淵町
大聖寺川水系大聖寺川
FWP
75.8メートル
280メートル
24900千㎥/22400千㎥
石川県土木部
2005年
◎治水協定が締結されたダム


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