ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

別子ダム

2018-04-10 12:40:26 | 愛媛県
2018年3月24日 別子ダム
 
別子ダムは愛媛県新居浜市別子山の吉野川水系銅山川源流部にある住友共同電力(株)が管理する重力式コンクリートダムで、新居浜の住友グループ各社向け工業用水および電力供給を目的としています。
旧別子山村にあった別子銅山を起源とする住友財閥は戦前より銅山の表玄関であった新居浜を拠点とし、銅山川上流の水利権を行使して1912年(明治45年)には銅山川の水を流域変更して新居浜に導水する『別子分水』を開通させました。
戦後の経済発展を受け、住友化学のコンビナート建設をはじめとして住友グループは新居浜への集積を加速する一方新たな工業用水や電力確保に迫られることになります。
そこで当地の住友グループ向け電力を担っていた住友共同電力により1965年(昭和40年)に建設されたのが別子ダムです。
ここで取水された水は住友共同電力東平発電所に送られ最大出力2万キロワットの発電に使われたのち、国領川上流部にある愛媛県営鹿森ダムを経由して新居浜の住友グループ各社に供給されています。
 
別子ダムは県道47号線沿いにありますが、民間企業所有のダムということで立ち入はできず見学ポイントは限定されています。
富郷ダムから県道を西に進むと谷間の奥に別子ダムが見えてきます。
 
クレストに赤いラジアルゲートが1門、まっすぐな導流壁が特徴的です。
 
 
上流面。
 
ダム湖は総貯水容量562万8000立米。
 
県道わきの管理事務所。
 
別子銅山を起源として新居浜は住友の企業城下町として発展し、現在でも『工都新居浜』と表現されるほどです。
新居浜及び住友グループを縁の下から支えているのがこの別子ダムと言っても過言ではありません。
 
(追記)
別子ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
2257 別子ダム(1297)
愛媛県新居浜市別子山
吉野川水系銅山川
IP
71メートル
143メートル
5628千㎥/5420千㎥
住友共同電力(株)
1965年
◎治水協定が締結されたダム


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