ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

糠南ダム

2021-08-13 01:44:48 | 北海道
2021年7月19日 糠南ダム
 
糠南ダムは北海道足寄郡足寄町芽登の十勝川水系ヌカナン川にある電源開発(株)が管理する発電目的の重力式コンクリート・フィル複合(フィルコンバインド)ダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により新たに北海道電力が誕生しますが、包蔵電力豊富な北海道の電源開発を同社のみで行うのは不可能で、公営発電である北海道企業局や半官半民の電源開発(株)による電源開発が併せて進められました。
電源開発(株)は十勝川支流の音更川や利別川での電源開発に注力し1960年(昭和35年)に完成したのが糠南ダムです。
ヌカナン川に加えて美里別川状上流のビリベツ取水堰で取水された水がここに貯留されたのち、芽登第一発電所・第二発電所に導水され計最大5万5500キロワットの発電に供されます。
 
道道88号線から芽登温泉の案内板に従ってダートの林道を西進、温泉への道を分けるとすぐに糠南ダムに到着します。
天端は立ち入り禁止。
 
下流面
ダムの右岸はフィルダムですが、ロックなのかアースなのか区別がつきません。
 
天端と上流面。
 
水利使用標識。
 
実はダムの下流50メートルほどに山道があり、ここを辿るとダム下まで行けます。この道に特に規制はありません。
下流面が間近に見れます。 
 
フィルダム基部の丸石積みの擁壁。
これを見る限りアースフィルダムのようです。
 
左岸の重力式コンクリート部。
自由越流頂余水吐1門と、土砂吐1門を装備。
 
ズームアップ
土砂吐の奥にはスライドゲートがあるようです。
 
土砂吐ですが、いまは河川維持放流ゲートとして使われています。
 
ダム近くにある芽登温泉は山中の秘湯として人気が高いようです。
 (追記)
糠南ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0055 糠南ダム(1679) 
北海道足寄郡足寄町芽登 
十勝川水系ヌカナン川 
 
GF 
183.6メートル 
312.5メートル 
665千㎥/510千㎥ 
電源開発(株) 
1960年 
◎治水協定が締結されたダム 


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