ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

山口防災ダム

2016-09-28 11:20:33 | 石川県
2016年9月19日 山口防災ダム
 
山口防災ダムは石川県鳳珠郡能登町時長の九里川尻川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
農林水産省の補助を受けた石川県営の防災ダム事業により1970年(昭和45年)に竣工しました。
完成後は能登町が管理を受託しています。
洪水吐にはダムとしては珍しくプールのような青い塗装が施され、クジラの絵が描かれているのが特徴です。

能登町中心街から国道249号を東進すると、行延地区で山口ダムを示す手書きの標識が現れます。これに従って町道を西に向かうと山口防災ダム左岸に到着します。
天端は車両通行可能です。

でも右岸洪水吐手前で立ち入り禁止。

洪水吐はプールの様な青い塗装、そしてクジラが描かれています。

ダムができた当初はもっと鮮やかなブルーだったんでしょうね?

堤体上流面
草が覆っていますがロックフィルです。

ダム湖と管理事務所
管理事務所から斜樋が下りています。

ダム湖上流から。

なぜダムの洪水吐にクジラの絵が?と思ってしまいますが、山がちで平坦地がない奥能登では漂着したクジラは貴重なたんぱく源として重用されてきました。
こうしたクジラは天からの授かりものとしてその亡骸がクジラ塚を作って丁重に弔い、住民たちはクジラに尊敬と感謝の意を表していました。
山口防災ダムにクジラの絵が描かれたのは、農地防災ダムにもかつてのクジラ同様地域の守り神としての期待と感謝の意を表したものではないか?と勝手に解釈します。 

0914 山口防災ダム(0574)
石川県鳳珠郡能登町時長
九里川尻川水系九里川尻川
27メートル
110メートル
392千㎥/349千㎥
能登町
1970年


コメントを投稿