ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

寒川ダム

2021-10-20 10:56:25 | 宮崎県
2021年10月15日 寒川ダム
 
寒川(さぶかわ)ダムは宮崎県西都市寒川の一ツ瀬川水系三財川上流部にある宮崎県企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編により、新たに九州電力が誕生します。
同社は戦後の電力不足を補うために積極的な電源開発を進めますが、包蔵水力豊富な河川が集まる宮崎県では同社だけでは開発の手が足りず公営発電である県企業局による電源開発が併せて進められました。
一ツ瀬川右支流の三財川では建設省(現国交省)の補助を受けた県の三財川総合開発事業に県企業局が発電業者として参加し、1963年(昭和38年)に三財発電所の取水ダムとして建設されたのが寒川ダムです。
ここで取水された水は三財発電所(最大出力8800キロワット)に送られダム水路式発電を行います。
同年には補助多目的ダムである立花ダムおよび立花発電所も完成し、県企業局の三財川での発電能力は最大2万2200キロワットとなりました。
 
 三財川に沿って県道319号線を遡上すると左手に三財発電所が姿を現します。
 
発電所からさらに約5キロ、川沿いの隘路を進むとと寒川ダムに到着します。
発電施設ということでダムの敷地は立ち入り禁止。
 
残念ながら下流側からラジアルゲートを見ることはできません。
霧が多いのか?堤体のみならず扶壁や高欄も苔。
 
堤高は33.5メートル、堤頂長63.2メートルで狭い峡谷を閉め切っています。
洪水吐導流部末端にシュートブロックが見えます。
 
こちらは管理事務所
右岸の道路に沿ってしがみつくように建っています。
 
右岸から上流面 
対岸に三財発電所への取水ゲートが見えます。 
取水口は水中。 

ちょっとズームアップ
 
さらに上流から
ここで初めてラジアルゲートが見えました。
貯水池は総貯水容量71万6000立米、有効貯水容量37万2000立米で堆砂率は5割強。
 
ゲートをズームアップ。

2831 寒川ダム(1696)
宮崎県西都市寒川
一ツ瀬川水系三財川
33.5メートル
63.2メートル
716千㎥/372千㎥
宮崎県企業局
1963年


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