ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

立花ダム

2021-10-20 18:26:58 | 宮崎県
2021年10月15日 立花ダム
 
立花ダムは宮崎県西都市寒川の一ツ瀬川水系三財川(上流部は蛇籠川)上流部にある宮崎県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、三財川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、宮崎県企業局立花発電所(最大出力1万3400キロワット)でのダム水路式水力発電を目的として1963年(昭和38年)に竣工しました。
 
ダムへ通じる蛇籠川沿いの道は舗装はされているものの離合困難な隘路が続くうえに、に至る所に尖った石が落ちておりパンクに気を使う難路です。
ダムの手前1キロほどで樹間からラジアルゲートが遠望できます。
残念ながら樹林が茂り、ダムを下流から望めるのはここだけ。
 
ダムサイトでは「たむ」君がお出迎え
宮崎県営ダムは民間人にダム管理を委託しており、管理人さんはダムに住み込みで管理をしています。
たむ君は管理人さんが飼育しているワンちゃんです。
 
立花ダム建設事業では殉職者ゼロを達成しました。
ダムサイトにはダム建設事業概要銘板と無死亡記念碑が建っています。
 
立花ダムは天端への立ち入りは禁止されていますが、今回は管理人さんのご厚意で中を見せていただくことができました。
堤体は右岸が屈曲。
 
左手は水位計建屋、右手はゲートピア。
 
洪水吐導流部と減勢工 
非常用洪水吐としてクレストラジアルゲート2門、常用洪水吐としてコンジット高圧ラジアルゲート1門を装備。 
減勢工には2基の副ダムがあります。 

貯水池のたちばな湖は総貯水容量1000万立米。 

天端から
急峻な崖に張り付くように管理事務所があります。
管理事務所からは屋根がついた巡視用階段がダム下に伸びています。
 
ゲートピア。
 
右岸の立花発電所への取水ゲート
約1.3キロの導水路で立花発電所に送水し最大1万3400キロワットの発電を行います。
 
左岸から
襟の高い堤頂部
霧が多いのか?堤体には苔。
 
上流面。
 
宮崎県はどの川も谷が深く、特に難路の先にある立花ダムはまさに秘境のダム。
今回は管理人さんのご厚意で天端を見学でき感謝の言葉以外の何物もありません。

2830 立花ダム(1697)
宮崎県西都市寒川
一ツ瀬川水系三財川
FNP
71.3メートル
193.5メートル
10000千㎥/8480千㎥
宮崎県県土整備部
1963年


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