2018年10月12日 下蚊屋ダム
下蚊屋(さがりかや)ダムは鳥取県日野郡江府町助沢の日野川水系俣野川源流部にある不特定利水・灌漑用水目的のロックフィルダムです。
鳥取県の大山西山麓はもともと陸軍の軍馬補充部の放牧地でしたが、1939年(昭和14年)に西日本を襲った大干ばつをきっかけに国営事業として開拓が進められ昭和40年前半までに約1600ヘクタールの新規農地が開拓されました。
しかし農業用水を天水に頼っていたため安定した灌漑用水源の確保が大きな課題となっていました。
そこで1972年(昭和47年)より国営の大山山麓地区総合農地開発事業が着手されその中核施設として2001年(平成13年)に竣工したのが下蚊屋ダムです。
2005年(平成17年)には農地開発事業全体が竣工し、ダムを含めた施設全体は大山山麓地区土地改良区連合が管理を受託、約400ヘクタールの農地へ特定灌漑用水を供給するほか、俣野川および日野川流域約1600ヘクタールに不特定灌漑用水を補給します。
ダム便覧ではダムの目的は『A』のみとなっていますがこれは誤りで、正しくは『NA』となります。
またに2015年(平成27年)には河川維持放流を利用した下蚊屋発電所が増設され最大出力197キロワットの小水力発電を行っています。
下蚊屋ダムは国道482号線沿いにあります。今回は米子道江府インターから国道を東に進みました。
まずはダム下
堤体と洪水吐の間に地山があります。
エンドシルの下流にはバッフルブロックが並びます。
放流設備としてジェットフローゲート2条を装備。
この放流は不特定灌漑用水向け補給となります。
下流面。
ダムサイトに上がります。
右岸の横越流式
右手の青い屋根の建屋は2015年(平成27年)に新設された下蚊屋発電所で、河川維持放流は発電所経由となります。
上流面。
天端
車止めがあり徒歩のみ立ち入りできます。
晴れていれば真正面に大山が見えるのですが・・・。
ダム湖は総貯水容量386万立米。
右岸の斜樋。
(追記)
下蚊屋ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
1687 下蚊屋ダム(1416)
鳥取県日野郡江府町助沢
日野川水系俣野川
NA
R
55.5メートル
650メートル
3860千㎥/3440千㎥
大山山麓地区土地改良区連合
2001年
◎治水協定が締結されたダム
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