ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

桐生川ダム

2016-02-05 11:00:00 | 群馬県
2016年2月4日 桐生川ダム
 
桐生川ダムは群馬県みどり市梅田町の渡良瀬川左支流桐生川にある群馬県営の多目的重力式コンクリートダムです。
桐生川は桐生市中心部を南北に貫流し豪雨のたびに洪水被害をもたらしてきました。
桐生川ダムは桐生川の洪水調節、既得取水権の補給と河川流量の維持、桐生市向けの上水道供給を目的とするほか群馬県企業局桐生川発電所で最大470キロワットの発電を行っています。
またダム湖(梅田湖)周辺には野外活動センターやふるさとセンターがあり地域住民のレクリエーションの場として親しまれています。
 
桐生から県道66号を北上すると桐生川ダムの標識が現れます。
駐車場はダムサイトにありますがまずは下流から見学してみます。
クレストにずらっと並ぶ自由越流式洪水吐。
 
コンジットの常用洪水吐。
 
天端は歩行者のみ通行可。
この日は取水設備の点検が行われていました。
 
減勢工
右側は桐生川発電所、左にみどり市の市章の植栽があります。
 
左岸から上流面
取水設備の手前にコンジットの赤い予備ゲートが見えます。
 
ダム湖(梅田湖)
上流には様々なレクリエーション施設があります。
 
追記
桐生川ダムには740万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合に事前放流によりさらに151万8000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0621 桐生川ダム(0222)
群馬県桐生市梅田町4丁目
利根川水系桐生川
FNWP
60.5メートル
264メートル
12200千㎥/11300千㎥
群馬県県土整備部
1982年
◎治水協定が締結されたダム

黒坂石ダム

2016-02-05 10:00:00 | 群馬県
2016年2月4日 黒坂石ダム
 
黒坂石ダムは群馬県みどり市東町の渡良瀬川左支流黒坂石川にある群馬県企業局が運営する発電用重力式コンクリートダムで1981年(昭和56年)に竣工しました。
渡良瀬川上流で取水された水が導水路で黒坂石ダムに貯留され、黒坂石川の水と合わせて渡良瀬川左岸にある沢入発電所に送られ最大1万1000キロワットの発電を行っています。
黒坂石川での取水量はわずかで、実質的には沢入発電所の調整池の役割を果たしています。
 
大間々から国道122号を北上し沢入で渡良瀬川を渡り市道を東に進むと黒坂石ダムに到着します。
大きなローラードゲート1門、手前に自由越流式洪水吐が見えます。
 
天端は立入禁止。
 
対岸に沢入発電所への取水口があります。
手前側には渡良瀬川からの導水路吐口があるはずです。
 
取水口をズームアップ。
 
群馬県企業局沢入発電所
最大1万1000キロワットの発電を行います。
 
発電所への水圧鉄管。
 
雪で到達できるかどうか不安でしたが大過なく訪問できました。
事業者は異なりますが同じ渡良瀬川流域にある栃木県企業局の庚申ダムとまるで双子のように酷似しているのが面白いところです。
 
追記
黒坂石ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに6万8000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0627 黒坂石ダム(0221)
群馬県みどり市東町沢入
利根川水系黒坂石川
24メートル
72メートル
117千㎥/90千㎥
群馬県企業局
1981年
◎治水協定が締結されたダム

高津戸ダム

2016-02-05 09:00:00 | 群馬県
2016年2月4日 高津戸ダム
 
高津戸ダムは群馬県みどり市大間々の利根川水系渡良瀬川にある群馬県営の発電用重力式コンクリートダムで、1973年(昭和48年)に竣工し高津戸発電所で最大5300キロワットの発電を行っています。
群馬県企業局は県内各所にダムと発電所を保有し、公営事業としては日本一の発電量を誇っています。
またダム周辺の渡良瀬川は高津戸峡として紅葉の名所になっており、ダム下流に架かるはね瀧橋は観光スポットになっています。
 
ダムには左右両岸からアプローチできますが、今回は左岸に向かいました。
大間々から国道122号を北上し、大間々駅の先で県道338号へ右折、渡良瀬川を渡るとすぐに左折するとダム左岸に到着します。
下流のはね瀧橋から
ダムを正面から見ることはできません。
奥は渡良瀬発電事務所です。
 
天端は車両通行可能ですがこの日は工事のため通行止め。
歩行者は通行できます。
 
ゲート。
 
減勢工は自然の岩盤にコンクリートの水叩きを組み合わせています。
 
右岸発電事務所から。
対岸に取水口と発電所が見えます。
 
もともと撮影スポットの少ない高津戸ダムですが、今回は工事のためじっくり見学することができませんでした。
改めて、再訪したいと思います。
 
追記
高津戸ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに77万7000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0616 高津戸ダム(0220)
左岸 群馬県みどり市大間々町高津戸
右岸          同町大間々
利根川水系渡良瀬川
29メートル
92メートル
808千㎥/530千㎥
群馬県企業局
1973年
◎治水協定が締結されたダム

真壁ダム

2016-02-05 08:00:00 | 群馬県
2016年2月4日 真壁ダム
 
綾戸ダムは群馬県渋川市にある東京電力の発電用重力式コンクリートダムで、1928年(昭和3年)に関東水力電気によって建設され日本発送電を経て戦後は東京電力が事業継承しています。
真壁ダムは佐久発電所の調整池で、綾戸ダムで取水された水はいったん真壁ダムに貯留され佐久発電所の発電量に応じて送水され、最大7万6800キロワット(運転開始当初は6万6000キロワット)の発電を行っています。
真壁ダムは傾斜地に建設されたこともあり26.1メートルの堤高に対して535.6メートルと非常に長い堤頂長になっています。この堤頂長は戦前のダムとしては最長でその歴史的価値から近代土木遺産に選ばれています。
 
ダムの堤体
まるで刑務所の塀のようです。
 
右岸から
堤体は直角に曲がっています。
 
上流から
正面に取水設備があるようだが遠すぎます。
 
洪水吐
木に邪魔されてよく見えません。
 
佐久発電所への水圧鉄管の導水路
車と比べてその大きさがわかるでしょう。
 
本当は佐久発電所にも立ち寄るつもりだったが道を間違えてしまい断念。
真壁ダムをしっかりと見学したわけでもないので桜の季節にでもぜひ再訪したいと思います。
 
0591 真壁ダム(0219)
群馬県渋川市北橘町真壁
利根川水系利根川
26.1メートル
535.6メートル
1143千㎥/700千㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
1928年

綾戸ダム

2016-02-05 07:00:00 | 群馬県
2016年2月4日 綾戸ダム
 
綾戸ダムは群馬県利根郡昭和町と渋川市の境界の利根川本流にある東京電力の発電用重力式コンクリートダムで、関東水力電気によって1928年(昭和3年)に建設され日本発送電を経て戦後は東京電力が事業継承しています。
綾戸ダムで取水された水は導水路で調整池である真壁ダムを経由して佐久発電所に送られ最大7万6800キロワット(運転開始当初は6万6000キロワット)の発電を行っています。
また1998年(平成10年)にはダムの下流50メートルに綾戸発電所が増設され最大670キロワットの発電を行っています。
綾戸ダムは堤高が14.45メートルのため河川法では堰堤とされ『ダム』ではありませんが、ダム便覧に参考掲載されています。
 
沼田から国道17号を南下すると左手に綾戸ダムが見えてきます。
 
残念ながらゲートは見えません。
 
天端は対岸への通路として歩行者に開放されています。
 
真壁ダム経由で佐久発電所へ続く取水口。
 
右岸には水資源機構の群馬用水の取水設備があります。
矢木沢ダムで放流された水がここで取水され赤城、榛名山麓の農地に供給されます。
 
右岸の魚道
 
S001 綾戸ダム(0218)
左岸 群馬県利根郡昭和村川額
右岸  同県沼田市岩本町  
利根川水系利根川
14.45メートル
118.6メートル
東京電力リニューアブルパワー(株)
1928年

横利根閘門

2016-02-01 11:00:00 | 茨城県
2016年1月31日 横利根閘門
 
横利根閘門は利根川と霞ヶ浦を結ぶ横利根川に架かる閘門で、国交省関東地方整備局利根川下流河川事務所が管理運用を行っています。
1921年(大正9年)に完成し、280万個の煉瓦が使われた日本最大級の煉瓦製閘門で国の重要文化財に指定されています。
もちろん現在も現役で運用されています。
閘門は表裏二つの閘扉室それぞれに4枚の鋼鉄製扉があり、間にある閘室で水位を調節して船舶が通行する仕組みになっています。 
 
利根川側から
手前が表閘扉室、奥が裏閘扉室。
 
ズームアップ。
 
表閘扉室。
 
閘門を作動させるギア。
 
ゲートは観音開きでそれぞれの閘扉室は大小2枚ずつ、計4枚の鋼鉄製扉で構成されています。
 
裏閘門。
 
鋼鉄製扉は溶接ではなくリベット留めされています。
この技術はすでに廃れており、改修の際にはかなりの苦労があったようです。
 
横利根閘門
茨城県稲敷市西代
利根川水系横利根川
閘門
国交省関東地方整備局
1921年