ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

渡良瀬遊水地ダム(一期)

2016-02-08 14:00:00 | 栃木県
2016年2月6日 渡良瀬遊水地ダム(一期)
 
渡良瀬遊水地は渡良瀬川と巴波川、思川の合流地点の栃木県・群馬県・茨城県・埼玉県の4県にまたがる日本最大の遊水地で国交省関東地方整備局利根川上流河川事務所が管理をしています。
1904年(明治37年)から事業がスタートし洪水対策が名目上の目的でしたが、実質的には足尾銅山からの鉱毒をここで沈殿して無害化することが目的でした。
しかし鉱毒事件からすでに100年以上経過し鉱毒は減少しており、現在では洪水調節を主目的としており利根川上流8ダムの一つとして他の7ダムと連携して利根川の洪水調節を行っています。
 
渡良瀬遊水地は第一~第三までの貯水池に分かれ、平時から池としての実体があるのは『谷中湖』と呼ばれる第一貯水池だけで第2、第3調整池は洪水時に渡良瀬川の水をここに貯留して利根川に流入する水を抑えます。
渡良瀬遊水地の位置図(国交省利根川上流河川事務所ホームページより)
 
第一排水門
遊水池最南端にあります。
 
第一排水門
自転車に乗る嫁さんと比べればゲートの大きさがわかるでしょう。
 
第一排水門から
左は谷田川
右は池内水路で貯水池に溜まった水を素早く排水するための水路です。
奥は渡良瀬貯水池機場で貯水池にたまった水をポンプで排水します。
 
渡良瀬貯水池機場。
 
越流堤
洪水時、渡良瀬川の水が貯水池に越流するよう回りよくも堤が低くなっています。
越流に耐えられるようアスファルトフェイシングされています。
 
囲ぎょう堤
周囲堤で囲まれた遊水地内部の可動部と調節池を区切る堤防です。
 
第一貯水池
コンクリート補強されています。
 
遊水地周辺では3か所でレンタサイクルが利用できます。
遊水池を一周するだけでも10キロ以上になるので今回は道の駅『きたかわべ』で自転車を借りて遊水地を移動しました。
 
0580 渡良瀬遊水地ダム(一期)(0225)
左岸 栃木県栃木市藤岡町・野木町
右岸 群馬県
利根川水系渡良瀬川        
FNW
FG
8.5メートル
9050メートル
26400千㎥/26400千㎥
国交省関東地方整備局
2002年

松田川ダム

2016-02-08 10:00:00 | 栃木県
2016年2月6日 松田川ダム
 
松田川ダムは栃木県足利市松田町の渡良瀬川左支流松田川源流部にある栃木県営の多目的重力式コンクリートダムです。
群馬県境にある仙人ヶ岳に源を発し足利市街を貫流して渡良瀬川に合流する松田川は豪雨のたびに流域に洪水被害をもたらしてきました。
そこで栃木県は松田川総合開発事業を策定、1995年(平成7年)に竣工したのが町田川ダムで、松田川の洪水調節に加えて、既得取水権への補給と河川流量の維持、足利市上水道への供給を目的としています。
松田ダムは仙人ヶ岳や赤雪山の登山口になっているほか、下流はレクリエーション広場、ダム湖畔にはキャンプ場が整備され市民や観光客の憩いの場となっています。
 
ダム直下から
クレストは自由越流式が4門
常用洪水吐のオリフィスゲートから放流しています。
 
下流は広く開放され洪水吐直下まで入ることができます。
 
独特の減勢工。
 
左岸の東屋から。
 
上流面
手前は取水設備です。
 
天端は立ち入り禁止。
 
ダムの銘碑は松葉仕様。
 
松田川ダムの管理人さんは非常に人柄がよく親切な方です。
登山の際は何度もお世話になりましたが、今回もダムについていろいろ楽しい話を伺うことができました。
 
追記
松田川ダムには70万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合に事前放流によりさらに110万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0581 松田川ダム(0224)
栃木県足利市松田町
利根川水系松田川
FNW
56メートル
228メートル
1900千㎥/1800千㎥
栃木県企業局
1995年
◎治水協定が締結されたダム