ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

石小屋ダム

2016-02-12 13:00:00 | 神奈川県
2016年2月11日 石小屋ダム

石小屋ダムは宮ケ瀬ダムの直下にある国交省関東地方整備局相模川水系広域ダム管理事務所が管理する多目的重力式コンクリートダムで、宮ヶ瀬ダムと同じ2000年(平成12年)に竣工しました。
宮ヶ瀬ダムの逆調整池のほか、宮ヶ瀬ダムと連携して不特定利水、上水道の供給を目的とするほか、河川維持放流を利用して神奈川県企業庁愛川第二発電所で最大1200キロワットの発電を行っています。
当初ダム便覧では『宮ケ瀬副ダム』で登録されていましたが、2021年(令和3年)の改編で石小屋に変更されました。
 
全面越流式
中央に予備ゲートが見えますのでこの下に発電所への取水口があるんでしょう。
 
越流面
型枠を使った石積風のデザインです。
 
下流から。
 
石積風の堤体のデザインに合わせて天端も凝ったデザインになっています。
 
減勢工
堤体だけじゃなく導流壁も石積風で統一されています。
左岸にあるのは発電所からの放流口です。
 
3243 石小屋ダム(0230)
神奈川県愛甲郡愛川町半原
相模川水系中津川
FNWP
34.5メートル
87メートル
557千㎥/386千㎥
国交省関東地方整備局
2000年

宮ケ瀬ダム

2016-02-12 11:00:00 | 神奈川県
2016年2月11日 宮ケ瀬ダム
 
相模川は神奈川の水源として戦後間もなくから神奈川県による河川総合開発が進められ、1947年(昭和22年)に相模ダム、1970年(昭和45年)に城山ダムが完成しました。
しかし、神奈川県の人口急増や京浜工業地帯の発展による水需要の増加に追い付かず新たな水源の確保が求められました。
一方で相模川流域の本来氾濫原であった地域にも宅地化の波が押し寄せ治水対策の強化が喫緊の課題となっていました。
そこで建設省関東地方建設局は相模川の主要支流である中津川に着目、補償交渉の難航などもあり29年の歳月をかけて2000年(平成12年)に完成したのが宮ヶ瀬ダムです。
宮ヶ瀬ダムは中津川及び相模川中下流の洪水調節、沿岸の既得取水権への補給と河川流量の維持、相模大堰を通じた上水道の供給を目的とするほか、神奈川県企業庁の愛川第一発電所で最大2万4000キロワットの発電を行っています。
またダム湖は道志導水路と津久井導水路により道志川、相模川と結ばれ流域面積は広いものの貯水量に限界のある道志ダム、相模ダム、城山ダムに対し流域面積は劣るものの貯水容量の大きい宮ヶ瀬ダムの特性を生かし連携して水を無駄なく運用できるようになっています。
 
宮ヶ瀬ダムの堤体積は国内の重力式コンクリートダムで第1位、堤高156メートルは浦山ダムと並び第2位、ダム湖の宮ヶ瀬湖の総貯水容量は関東3位の規模を誇り、日本屈指の巨大ダムとなっています。
毎週水曜と第二日曜に行われる観光放流は、今や神奈川を代表する観光イベントになっているほか、ダム下流はあいかわ公園として整備され、ダム湖周辺も多くのレクリエーション施設があり年間を通して多くの観光客が訪れる神奈川有数の観光・レジャースポットになっています。
 
今回は右岸ダムサイトに駐車まずはエレベータで下に下り下流から見学します。
日本有数の巨大ダムを真下から見上げます。
 
下流の石小屋ダムから
右手は津久井導水路の取水口です。
 
クレストは自由越流式
奥に扶壁が見え天端側水路の存在がわかります。
 
名物のインクラインで上に上がります。
 
インクラインから。
 
天端
洪水吐に天端側水路を備えているので非常に広くなっています。
 
天端から
右手は神奈川県企業庁の愛川第一発電所
 
ダム湖(宮ヶ瀬湖)
関東第3位の総貯水容量を誇ります。
奥には丹沢山地主峰の蛭ヶ岳。
 
左岸から
 
上流面
取水口と洪水吐
クレストは天端側水路を備えた自由越流式洪水吐ですが逆光でうまく撮影できませんでした。
 
追記
宮ヶ瀬ダムには4500万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに2592万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0703 宮ヶ瀬ダム(0229)
左岸 神奈川県相模原市緑区青山
右岸   同県愛甲郡清川村宮ケ瀬
下流      同郡愛川町半原   
相模川水系中津川
FNWP
156メートル
375メートル
193000㎥/183000㎥
国交省関東地方整備局
2000年
◎治水協定が締結されたダム

寒川取水堰

2016-02-12 09:00:00 | 神奈川県
2016年2月11日 寒川取水堰
 
寒川取水堰は相模川河口から7キロ地点の左岸高座郡寒川町、右岸平塚市にある神奈川県企業庁が管理する取水堰で、相模川高度利用事業により城山ダムで放流された水の取水設備として1971年(昭和46年)に完成しました。
ここで取水された水は寒川浄水場及び小雀浄水場を経て、横浜市、横須賀市及び神奈川県内広域水道企業団へと給水されています。
 
寒川取水堰からの給水系統図(神奈川県広域水道企業団HPより)
 
 
寒川取水堰のすぐ南に掛かる県道44号線神川橋から取水堰を見下ろすことができます。
左岸に4門のローラーゲート、中央に魚道があり右岸は全面越流式堰堤となっています。
 
左岸に浄水場への取水口があります。
 
バラエティに富んだ魚道。
 
取水堰に近接して見学しようと思いましたがフェンスに阻まれ叶わず。
 
ダムカードが配布されている水道博物館です。
寒川浄水場に隣接しており、旧送水ポンプ場の建物をそのまま博物館として利用しています。
 
3077 寒川取水堰(0228)
左岸 神奈川県高座郡寒川町宮山
右岸 神奈川県平塚市田村
相模川水系相模川
WI
MB
6メートル
270メートル
千㎥/千㎥
神奈川県企業庁
1971年

相模大堰

2016-02-12 07:00:00 | 神奈川県
2016年2月11日 相模大堰
 
相模大堰は相模川河口から12キロ地点の左岸海老名市社家、右岸厚木市岡田にある可動堰で、神奈川県内水道企業団が管理を行っています。
宮ヶ瀬ダムで貯留された水を上水道として取水するために2002年(平成14年)に完成、ここで取水された水は綾瀬浄水場及び相模原浄水場に送られ、神奈川県内水道企業団を構成する各事業体に給水されます。
 
相模大堰からの給水系統図(神奈川県内水道企業団HPより)
 
相模大堰は東名高速のすぐ南の相模川にあり、厚木市中心部から県道601号を南下、相模川河川敷のスポーツ広場の駐車場に車を止めて大堰まで歩きます。
堰本体は立入禁止なので河川敷から堰を見上げるだけです。
3種類のゲートが合計7門ありますが接近できないため、どのゲートがどれかは視認できません。
 
 
堰本体は立入禁止です。
 
右岸の魚道。
両岸に魚道があるようです。
 
左岸の海老名川にポンプ場があり沈砂池などがありましたが今回は見学を見送りました。
機会があればじっくり見てみたいと思います。
 
3252 相模大堰(0227)
左岸 神奈川県海老名市社家
右岸   同県厚木市岡田5丁目 
相模川水系相模川
MB
3.1メートル
293.8メートル
神奈川県内広域水道企業団
1998年

相模原沈でん池

2016-02-12 06:00:00 | 神奈川県
2016年2月11日 相模原沈でん池
 
相模原沈でん池は神奈川県相模原市南区にある横浜市が管理する上水用アースダムで1954年(昭和29年)に建設されました。
相模ダムで発電に使用された放流水は下流の沼本ダムで取水され相模原沈でん池に送られ沈殿処理され浄水場に送られます。
通常沈殿池は浄水場にあり、ダム湖自体が沈殿池として利用されるのは珍しいようです。
 
上流面。
飲料水向けの池なのでフェンスが張り巡らされ厳重に管理されています。
 
貯水池。
たぶん貯水池が建設された1954年(昭和29年)には周りは農地ばかりだったんでしょうが今や宅地の真っ只中です。
 
取水設備。
 
背後は丹沢の山々、左端が大山です。
 
天端と堤体
すぐ下には車道が通っています。
 
0698 相模原沈でん池(0226)
神奈川県相模原市南区下溝
相模川水系横浜市水道
19.5メートル
255メートル
883千㎥/700千㎥
横浜市水道局
1954年