2023年4月21日 員弁大池
員弁大池は三重県いなべ市員弁町楚原の員弁川水系戸上川右支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
員弁川左岸地域では緩やかな丘陵地が広がり新田開発にあわせて多数の溜池が作られ、三重県屈指の溜池密集地帯となっています。
員弁大池は地域最大水源として1937年(昭和12年)に県営農業水利事業によって建設され約200ヘクタールの水田に灌漑用水を供給しています。
その後1991年(平成3年)にかけてのため池等整備事業により大規模改修が行われるとともに、水環境整備事業により池を含む一帯が『いなべ公園』として整備され、周辺住民の憩いの場となっています。
現在の管理は員弁地区土地改良区が行っています。
ダム便覧では堤高15メートルとなっている一方、ため池データベースでは14.4メートルとなっており、こちらを採ればダムの要件未達となります。
下流から
大池という名前からかなり下流から遠望できるのか?と思いきや、谷の出口にあるため池の下流200メートルほどで初めて姿を見せます。
堤高15メートル、堤頂長165メートルの横長堤体(便覧ベース)
ダムのすぐ下を灌漑用水路が流れます。
左岸ダム下の底樋管と分水工
洪水吐斜水路もここに合流し、2系統に分水されます。
左岸には各種記念碑や説明板が並びます。
こちらは竣工記念碑。
1991年(平成3年)竣工の改修記念碑。
総貯水容量55万立米と周辺の溜池中最大規模の貯水池。
貯水量の大半は北勢町中津原の蓮華谷から導水されています。
貯水池に隣接して「いなべ公園」があり、湖畔にも遊歩道が整備されています。
左手はさくら橋で、このほかにも2つの橋が架けられています。
天端から
写真左下に3枚目写真の分水工があります。
一般にアースダム下流面への立ち入りは禁じられていますが、ここはワラビやフキ等が採れ立ち入りOK。
公園が開放される9時から17時までは天端も車両通行できます。
奥に見えるのはいなべ公園のシンボルタワー。
左岸の斜樋。
左岸を洪水吐が流下し斜水路沿いに遊歩道が設けられています。
左岸にも石碑
こちらは溜池築造に尽力した和波久衛氏の顕彰碑。
洪水吐斜水路。
上流面を超広角で
上流面はコンクリートブロックで護岸
洪水吐も含めて1991年(平成3年)にかけての改修で整備されました。
地域住民の憩いの場となっており、9時の開園にあわせて駐車場には続々と車が来訪します。
その多くがシニアで、公園や遊歩道でウォーキングやランニングを楽しむようです。
1300 員弁大池(1970)
ため池データベース 242140003
三重県いなべ市員弁町楚原
員弁川水系戸上川右支流
A
E
15メートル(ため池データベース 14.4メートル)
165メートル(ため池データベース 179メートル)
650千㎥(ため池データベース550千㎥)/550千㎥
員弁地区土地改良区
1940年