米宇宙企業「スペースX」を率いる実業家イーロン・マスク氏は14日、同社がウクライナに提供している衛星通信サービス「スターリンク」について、「無期限に資金を出し続けることはできない」とツイッターに投稿した。ロシアによるウクライナ侵攻後、スペースXはウクライナの通信インフラを支える重要な役割を果たしてきている。
米CNNテレビは13日、スペースXが9月に国防総省に書簡を送り、米軍が毎月数千万ドルの費用を負担しなければスターリンクによる支援を停止する可能性を示唆したと報じていた。国防総省のシン副報道官は14日の記者会見で、スペースXとスターリンクについてやり取りをしていることは認めたが、詳細は明らかにしなかった。
スターリンクは小型衛星を活用したネットシステム。小型アンテナでネットにアクセスできる。ウクライナの防衛面でも必要不可欠になっており、AP通信によると、無人航空機が標的の照準を定めることなどにも役立っているという。
マスク氏は今月初旬に、ウクライナ侵攻を終結させるための「和平案」をツイッターに提示。「ウクライナが勝利する可能性は低い」などとして停戦を呼びかけ、ウクライナのゼレンスキー大統領らから反発を招いていた。【ワシントン鈴木一生】毎日新聞より