小島教育研究所

教育関連ブログです。数学を筆頭に学問全般に渡る有用な情報を提供致します。
東海生、名高生、半高生に最も読まれています。

第50回数学オリンピック世界大会(ドイツ)

2009-07-22 | 日本数学オリンピック
日本は同大会で過去最高の金メダル5個を獲得し、国別でも過去最高の2位となった。
金メダル獲得の5人は以下の皆さんでした。
筑波大学付属高校3年副島真さん、滝聞太基さん、開成高校3年保坂和宏さん、灘高校3年今村志郎さん、久留米大付設高校2年岸川晃夫さん。兵庫県立北摂津三田高校3年石川卓さんは銅メダルでした。なお、副島さんは全参加者565人中トップの成績でした。
選手の皆さん、団長以下サポーターの皆さんご苦労様でした。オリンピック財団の方々おめでとうございます。
さあ、次は団体世界一を目指しましょう。

ところで、今回の成績は日本参加の過去20回での最高位でした。以前の最高位は8位。躍進の原動力はどこにあるのか。それは、代表選手6名の方々の希望進路に反映されています。数学科もしくは数理科学科進学希望の方々主体の選手構成であったことが勝因であったと思われます。
 なお、日本初参加の代表選手の一員として、見事金メダルを獲得した伊山修氏は、現在名古屋大学大学院多元数理研究科教授であり、以下の受賞歴をお持ちです。

受 賞 歴 2008年 代数学賞
「高次Auslander口Reiten理論の研究」
2007年 第1回International Conferences on Representations of Algebras (ICRA) Award
「Higher theory for almost split sequences and Auslander correspondence, and his subsequent work on CalabiYau categories」
2001年 日本数学会賞建部賢弘奨励賞 (日本数学会)
「整環の表現論」


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1991年第2回日本数学コンクール 問題と講評より 御挨拶

2009-07-17 | 日本数学コンクール
1991年 名古屋大学理学部数学科四方教授による挨拶文です。


御挨拶


「よくやってくれましたね。有難う。」これがいまの正直な感想です。
実は、コンクールのすぐ後で方々の大学で大学院の入試が行われたのですが、「コンクールの問題の方が難しかったようだね」という評を何人からか聞きました。こんな凄い問題に、クーラーも効いていない教室で、あの暑い一日を取り組んでくださった方々のファイトに本当に感謝しています。幸いにも賞を差し上げられた方々はまだいいのですが、そうでなかった方々にはチョッピリ申し訳ないと思っています。
 でも賞だけがすべてであるはずはありません。多少キザッぽくて、そして、昨年も同じことを申し上げた記憶があって、ここで書くのはイヤなのですが、一番大切なことは、こうした答えもないような問題に対して全力を投じて頑張って頂いたという事実そのものなのです。そして、6時間の苦闘の後で、ヤッタゾという気持ちとか、何かサッパリとしたようなものが心に残った残ったとすれば、ケチクサイ賞とかなにかではなく、それこそが私どもが差し上げられる最高の贈物だという気がしてならないのです。
 これから大人になると分かることなのですが、学問の世界はおろか、人生なんて答えのない問題のかたまりなのです。それも超難問ばかりです。私自身エラそうなことを言えるがらではありませんが、きっと、一番大切なことは、それをうまく解決してモウけることではなくて、全力をつくして頑張るということなのです。
 とすれば、あの日、あの難問に最後まで取り組んでくれた方々、そして、なにかヤッタゾという気持ちをもって帰ってくれた方々には、目には見えないでしょうが、学問の世界へのパスポートを、私どもの最高の贈物を、受け取って頂いたように思うのです。どうか、せっかく手い入れたこのパスポートを失くさないでください。モウかるかどうかは保証しませんが、21世紀は諸君のこのファイトの上にこそ築かれて行くと信じているのですから。
 最後になりますが、この事業を蔭から支えてくださっている皆様に心からお礼申し上げます。また厳しい財政事情は次の方々からのご支援、ご協賛によって辛うじて切り抜けることができました。特にお礼申しあげます。

   「数学と数学教育を考える会」を代表して  四方 義啓

        -ご支援を頂いた方々ー

 名古屋大学創立50周年記念財団      松下電器名古屋研究所
 テレビ愛知               三菱電機株式会社
 中日新聞本社              日立製作所
 名古屋ライオンズクラブ         富士通中央研究所
                     オリピンピア

本年20周年を迎える「日本数学コンクール」の第2回問題と講評より再録しました。

四方教授の思いは、今に続いています。

 当時の生徒諸君がその後どの様な人生を送られたのか、気になる所でした。幸い、第18回日本数学コンクール開催日当日、第2回の大賞受賞者のお一人であるS氏(当時東海高校2年生)が奥様とともに来名され、久々にコンクール会場を見学されました。

当日、その後の人生について、話された一部をご紹介致します。

「現役で東大理Ⅰに合格、数学科に進み確率論をK教授に学びました。卒業後は外資系金融企業に就職し、その企業からアメリカ合衆国のコロンビア大学大学院に派遣留学させていただきました
日頃は確率微分方程式を駆使して、金融商品を開発しています。
 今日こうして久しぶりに、数コンに参加してみまして、ここが自分のホームポジションなのだと、実感を新たにしました。後輩の皆さんにも数学の楽しさを満喫していただけたらと思います。私自身、数コンを通して、他校生と知り合いになることができ、その後の人生で大切な交友関係が築けたことも、お伝えしたいですね。」

貴方も、是非、日本数学コンクールに参加、挑戦しませんか。


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KJ法の川喜田二郎氏亡くなる。

2009-07-14 | 日記
7月8日、KJ法で有名な川喜田二郎氏(東京工業大学名誉教授)が87才でお亡くなりになりました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

主として、フィールドワークの結果を分析する時に、発想を概念としてまとめ上げる手段として、多くの方々に愛用され続けた、KJ法。
梅棹忠夫氏の京大式カードと共に、知的生産の技術を支えるツールとしての地位を確立されました。

興味のある方は、中公新書(「発想法」、「続発想法」)をお読み下さい。

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1学期末試験も終了。さあ、夏休み。一緒に鍛えよう。

2009-07-10 | 大学受験
 定期試験も終わり、ホット一息。
 さあ、やるぞ、と意気込む前に。
 大学入試は、高校時代に学んだことの総決算。知識の定着が何といっても問われます。中途半端な知識では馬脚をすぐに現わします。
基本は、読解力(国語の現代文)です。数学の問題にしろ、英語の問題でも問われるのは、その人の日本語力です。私達は国語(母国語)によって思考しています。概念は、思考の操作(マニュピレーション)なのですから、言語能力を鍛えることがなにより大切です。
 ある時、筆者が数学研究会の部員から「先生、現代国語の得点が安定しません。何か対策はありませんか?」それに対して、「現代文の問題を国語の問題と考えるからダメなんだ。数学の論証と考えてごらん。解答の根拠は必ず本文中にあるのだから、地道にそれを探し、根拠足り得るかを検証すればいいのだよ。」
 人は、ちょっとしたアドバイスで開眼するものです。

 

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名古屋大学法学部60周年

2009-07-07 | 法曹関係
名古屋大学法学部60周年
記念式典・記念講演会
日時:2009年7月18日(土)14:00~17:00
会場:名古屋大学豊田講堂
「裁判員制度始まる - 期待と展望 - 」
動き始めた裁判員制度について、名古屋大学の卒業生であり、現職の最高裁判所判事である宮川光治氏にお話しいただきます。

講師:最高裁判所判事 宮川光治 氏
1964年3月 名古屋大学法学部卒業
1966年3月 名古屋大学大学院法学研究科修士課程修了

※開場13:00
記念式典(14:00~15:20)
 1. 挨拶
2. 来賓挨拶
3. ビデオ上映「名古屋大学法学部60年の歩み」
記念講演会(15:30~17:00)
1. 開演
2. 質疑応答(30分程度)

入場無料

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日本数学コンクール

2009-07-06 | 日本数学コンクール
 今年も、数コン(日本数学コンクール)の季節がやって来ました。日頃の数学のテストとは一味も二味も違う、数コンの問題に、あなたもチャレンジしてみませんか?
 通常の数学の試験は、比較的短時間に、大量の問題を解く必要があります。そこでは、スピードがかなり要求されます。翻って、数学その他の分野でも、じっくりと問題に取り組む場合があります。たとえば、数学者の森重文、京都大学数理解析研究所教授が取り組まれた双有理型幾何学における3次元極小モデルの完成に要した年月は、6,7年といいます。じっくりと問題に取り組むことも大事な研究者としての資質です。そこで、数コンでも3題の問題を約5時間をかけて解いて頂きます。この点が、日頃の数学と事情が異なるところです。また、じっくりと考えることにより、数学の面白さ、楽しさが思わずわかってくることがあります。昔から「好きこそものの上手なり。」の諺があります。普段毛嫌いしていた数学が面白くなってくることがあります。数学を好きになる絶好のチャンス、それが数コンかも知れません。

 興味のある方は、google等の検索エンジンにて「日本数学コンクール」を検索していただくと、ホームページ「日本数学コンクールの広場」がヒットします。詳細についてはそちらをご覧ください。

特に、今年は日本数学コンクールの20周年にあたる記念すべき大会です。
お申込みは、葉書、もしくはメールにてお願いいたします。
なお、コンクール当日の参加もOKですので、みなさまふるってご参加ください。

表彰式は野依記念交流会館(ノーベル化学賞の野依教授を記念して建設されたもの)にて11月3日に挙行されます。

コンクールにはジュニア・シニアとも大賞、優秀賞、優良賞、奨励賞の各賞があります。
また、論文賞には金賞、銀賞、銅賞があります、

主催:名古屋大学
後援:愛知、岐阜、三重各県教育委員会、名古屋市教育委員会
   愛知、岐阜、三重各県高等学校数学研究会、大阪府高等学校数学研究会
   中日新聞社、NHK名古屋、東海テレビ放送、テレビ愛知

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第10回日本数学コンクール 論文賞

2009-07-04 | 日本数学コンクール
1.応募資格
 ①日本数学コンクール論文賞
  高校生以上(一般の方も可)。共著論文も歓迎します。

 ②日本ジュニア数学コンクール論文賞  中学生以下。共著論文も歓迎します。但し、共著論文の場合も全員が中学生以下であることを要します。


2.論文テーマ
テーマ1(親友交歓)
XさんとYさんは友人同士で、5時半から6時の間に同じ駅に着き、そこから帰宅します。そこで、駅でホームに入る前に相手を何分か待ち、出会えた時は喫茶店で雑談することにしました。二人が平均して4回に1回以上出会えるようにするためには、待ち時間を最低何分にすればよいでしょう。3人以上だとどうなるかについても調べて下さい。

テーマ2(正多面体の影)
正多面体に光を当ててできる平面上の影の形を分類して下さい。

テーマ3(自由課題)
自分自身、またはグループで取り組んだ、数学に関する内容を論文にまとめて下さい。


3.応募方法
  論文はA4たて置きとし、文字列の場合横書きで(1行に40字程度)20行位として下さい。数式と文章と分け、行を改めて書いて下さい。なお、必要に応じて図を入れても構いません。

◎論文送付先
 〒464-8601
  名古屋市千種区不老
  名古屋大学社会連携課内 日本数学コンクール係

☆封筒に「論文賞」と朱書きして下さい。

4.締切
  平成21年8月31日(当日消印有効)


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第20回日本数学コンクール(平成8月9日)

2009-07-04 | 日本数学コンクール
1.開催日時:平成21年8月9日 10時受付
2.会  場:●名古屋大学工学部1B電子情報館(地下鉄「名古屋大学駅」3番出口)
●三重会場は津高等学校、四日市高等学校。
●大阪会場は大手前高等学校
3.参加資格:高校生、高校生相当年齢の者
4.応募方法:1)下記要項に従って往復葉書で申し込む。
2)ホームページよりメールで申し込む。

往信(表)
〒464-8601
名古屋市千種区不老町
名古屋大学 社会連携課内

日本数学コンクール 係


往信(裏)
ここは参加証となり、応募者に返信されるので、何も記入しないこと。
(参加証は8月初めまでに送付予定)


返信(表)

この部分は必ず自分の(応募者)の郵便番号、住所、氏名を記入すること。

返信(裏)

「日本数学コンクール参加希望」と明記する。
①郵便番号、住所
②自宅の電話番号
③学校名(フリガナ必須)
④学年
⑤学校所在地
⑥氏名(フリガナ必須)
⑦性別
⑧生年月日
⑨保護者氏名
⑩参加希望会場

※「日本数学コンクール」を検索するとホームページ「日本数学コンクールの広場」がヒットします。メールは応募葉書返信(裏)と同文をお送り下さい。

5.応募締切日:平成21年7月17日(金)

6.参加料:当日会場で徴収

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