このたび、国立大学協会は「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度-国立大学
協会の基本方針-」を策定し、公表しました。
この基本方針については、2022年度から年次進行で始まる、高等学校の新学習指導
要領に対応し文部科学省から公表された「令和7年度大学入学者選抜実施要項の見直しに
係る予告」等の内容を踏まえ、国立大学協会として取りまとめた方針を示すものです。
2024年度以降の入学者選抜において、最大の変更点は、大学入学共通テストの出題
教科に、国語、数学、英語等と同様の基礎的な教科として「情報」が追加されることです。
これまで国立大学協会は、「高等学校における基礎的教科・科目の学習の達成度を測る」
ことを目的に、一般選抜において大学入学共通テストで「5 教科 7 科目」を課すことを
原則として掲げてきました。2022年度から始まる高等学校の新学習指導要領では
「情報Ⅰ」が全ての生徒が学ぶ必履修科目として履修され、一方、国立大学においても既に
多くの大学で、「数理・データサイエンス・AI 教育」が文理を問わず全ての学生が
身に付けるべき教養科目として履修されています。このような中において「情報」に関する
知識については、国立大学の教育を受ける上で必要な基礎的な能力の一つとして位置付け
られていくと考えています。それらを踏まえ、今回の基本方針では、一般選抜において、こ
れまでの「5 教科 7 科目」に「情報」を加えた、「6教科8科目」を課すことを原則として
います。
大学入学共通テストでの「情報」導入初年度は、既卒者となる方への経過措置として、
現行の学習指導要領の内容に対応した「旧情報(仮称)」が出題されます。既卒者の方は、
自らが学んだ学習の成果を測るものとして、この「旧情報」を受験することができます。ま
た、国立大学においては、「情報Ⅰ」と「旧情報」の内容の違いについて必要なサポートを
行い、「情報Ⅰ」を学んだ方と共にさらに発展的な「数理・データサイエンス・AI 教育」を
学んでいただきたいと考えています。
今後、各国立大学は、本基本方針を踏まえ、それぞれのアドミッション・ポリシー等に
基づき2024年度に実施する入学者選抜に向け具体的な入学者選抜方法の検討を行い、
2022年度中には予告・公表を行っていきます。
令和4年1 月 2 8 日
一般社団法人 国立大学協会
会 長 永 田 恭 介