小島教育研究所

教育関連ブログです。数学を筆頭に学問全般に渡る有用な情報を提供致します。
東海生、名高生、半高生に最も読まれています。

2012年度 東京大学入試問題数学(理系)について。

2012-02-29 | 国公立大学二次試験

今年の東大入試理系数学の特徴。

1.行列が2題出題された。

コメント①:新課程で行列が外れたことに対する、一つの見識の表れ?

見識とは、「行列は、大学初年次の線形代数で扱う重要なものなので、高校のカリキュラムからはずすものではない。」といったものを言う。

コメント②:「せっかく作り置きした、行列の問題が、カリキュラム変更で、出題できなくなる。ならば、今のうちに、出題してしまえ。」といった意識を出題者が持っていた。

いづれにしても、東京出版の月刊誌「大学への数学」での今年のコメントが、いまから楽しみです。

 

2.難易度が以前に戻った。

コメント①:一昨年、突如 C 問題のオンパレードになり、大半の理系受験者は120点満点の半分60点を取ることも容易ではなかった。

(この年、T海生きっての俊才と誉れの高いX君、得点源の数学でまさかのNG!!幸い翌年、理Ⅲに合格。よかった、よかった。)

昨年は、やや手の出易い問題が復活し、そして今年を迎えた。

コメント②:今年の問題は、第一に手が出やすい問題が多い。相変わらず、計算量が相当だが、計算量軽減を配慮すること。

今年の問題で、「論理性」を問う問題は、4番位だ。

3.ある受験生、K君に、今年の東大理系問題6題を解いてもらいました。

  以下、その実況中継です。

  問題冊子を前に、解答を始めました。

 K君は悠然と、全問に一通り目を通しました。解法の選択とそれに要する時間をシュミレートしています。

 手元の用紙には「①→③→⑤→⑥→②→④」と書いています。

5分経過、まず①番から解答です。作図、計算 7分で解答終了。

累計12分 続いて③番。きっちり作図、早い早い早い計算。 これも7分で解答終了。

累計19分 続いて⑤番。(1),(2)あわせて4分。(3)4分 合計8分で解答終了。

累計27分 続いて⑥番。行列の成分計算が続くも、10分で解答終了。

累計37分 続いて2番。しばらく実験をする。1分30秒。確率漸化式を立てる。後は数列の問題。8分で解答終了。

累計46分30秒 最後の④番に向かう、(1)4分(2)5分で解答終了。

累計55分30秒

ざーと解答全体を見直し、書き損じをなくし、要所の計算チェックを済ませる。ここで10分経過。

累計65分30秒。これはすごい!?

 

ご安心ください。以上は、実在の人物をモデルにしたシュミレーションです。

K君は現在東大の理Ⅰの2年生です。彼が現役時代に、今年の問題を解いたとしたら、おそらく上記の時間以内に全問正解を出しているでしょう。

一昨年の実際の入試では、満点の120点を取ったかに見えましたが、細部で若干の減点があり、115点でした。

駿台の東大模試を高校2年時に受験し、120点を取り、並み居る先輩方を尻目に、堂々の全国1位を獲得したのがK君です。

K君はじめ数学好きな生徒が始めた、数学研究部(中学)、数学研究会(高校)。中1から高3までしっかり活動してくれました。

年末には部員相互が手製の食事、お菓子、デザートを持ち寄り、年に一度のCPを実施していました。

CPって、何ですかぅて?

クリスマス・パーティーのことです。

部長のK君が持参した、手製のクリスマスケーキとクッキーがとてもおいしかった記憶です。

以上、若干の思い出と共に、今年の東大入試理系数学の講評を終えます。

最後まで、お読みいただき有難うございました。

東海高校数学研究会 (元)顧問、担当 マリオ先生でした。

 

 


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2012年度 名古屋大学入試数学(理系)について。

2012-02-27 | 国公立大学二次試験

今年度、2012年度、名大理系数学入試問題についてのコメント。

 

1.昨年以上に、各問題の小問化が進展した。  (1)~(4)まである。

2.小問のレベルが、後に行くほど、次第に高くなっている。

3.選抜性を意識した出題で、実力差がはっきり現れる設問となった。

4.数学Ⅲ重視の傾向がよりはっきりした。

5.図形問題が影を潜めた。(ベクトルを含めて)

6.整数問題、二項定理、帰納法を重視するところに、「名大のミニ東大化」を感ずる。

試験時間を120分から150分に伸ばした影響につじて。

格段に問題のレベルが上がった。

以前、名大医学部に合格した受験生(T海生)に優しい頃の問題2008年度(?)を解かせたところ、約60分で満点だった。

同問題を筆者が解いたところ35分で満点だった。

今年の問題を解いたところ、完解するのに、65分かかった。つまり、30分の延長が、そのまま解答時間の延長ということになった。

現役生の諸君でかなり腕に自信のある生徒でも、90分から120分は確実に時間を要したであろう問題であった。

そういった意味では、「選抜性の高い」良質な問題であった。

 


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大学での生活について。

2012-02-21 | X君へのアドバイス

少し気が早いですが、まもなく始まる、大学生活について、すこしお話します。

日本の大学は、卒業に際して、124単位以上を修得しなければなりません。

大学によっては、高校までの教育で、未履修科目があったりする関係で、リメディアル教育(補習)が用意されています。

また、大学の教育にいち早く慣れてもらうために、入学早々、初年次教育を行う大学が増えてきました。

そして、アカデミック・スキルあるいはスタディー・スキルの名目で、授業の受け方、ノートのとり方、図書館での情報検索の仕方など、きめ細かな少人数教育を実施する大学が増えてきました。

あなたの入学する大学も、色々なフレッシュマン教育が用意されていることでしょう。

 さて、最近のニュースによると、昨年一年間で大学を中退した人数は3万人を越えているといいます。

色々な、悩みを一人で抱え込んで、誰に相談することもなく、苦悩の中で余儀なく「大学中退」の道を選んだ人がこれだけの数いることが、正直、驚きでした。もちろん、その中に、進路のミスマッチもあったかもしれません。また新しい環境で、人間関係に悩んで末、退学した人もいるでしょう。理由は様々でも、「中退」を決意することは、かなりの苦悩の果てであったと思います。

少なくとも、これをお読みいただいている、高校生の皆さんには、こうした苦労をせずに、順調に大学生活を送り、希望の進路を達成していただけることを、心より望んでおります。

 貴方が、来るべき大学生活を、より有意義に過ごされんことを、切に望んでおります。

 貴方の未来に、栄光あれ。

 

 


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いよいよ、国立大学二次試験。最後の頑張りと平常心。

2012-02-20 | X君へのアドバイス

1年は早いものです。高校3年生の諸君も、浪人生の諸君も、いよいよ1年間の総決算です。

これまで、地道に続けた努力の開花も、もうすぐ。

受験上の注意は毎年されています。ここでは、多くには触れませんが、最終確認のつもりで、点検してください。

1.受験票は大丈夫か。

2.健康は大丈夫か。(風邪などひいていないか。)

3.試験会場への下見はしたか。

4.当日もって行く、参考書、ノート、資料は決めてあるか。

5.筆記用具は大丈夫か。

6.常備薬は持ったか。

7.まさかの時に備えての、予備費は持ったか。(不意のタクシー代その他)

8.携帯電話の扱いは大丈夫か。(試験中は電源offが原則。しかし、急な連絡用に必要。)

9.昼食は大丈夫か。(あまり食べ過ぎないこと。おにぎり1,2個。それと、チョコレートなどを用意しておくこと。)

10.合格お守り、合格鉛筆も持参しよう。

以上。

 貴方の健闘を心より祈念いたします。

 朗報を待つ。

 


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第20回サタデープログラム開催せまる。

2012-02-14 | サタデープログラム

今回は、何と言っても、ノーベル物理学賞受賞の、益川敏英先生のお話がもっとも注目でしょう。

他には、数学者のピーター・フランクルさんも見逃せません。

さらに、英語科2名(磯部先生、今里先生)、音楽科1名(小出先生)による「青春グラフィティー」が楽しみです。

毎回、サタデープログラムを陰で支える、学生スタッフのみなさん。ご苦労様です。

また、約10年に渡って、学生の指導を担当された、久田先生はじめ、関係教職員皆様のサポートがあって、現在のサタプロがございます。次回の第21回以降も、楽しいサタプロをご用意ください。楽しみにしております。

 

 

 


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私大入試、国公立2次試験始まる。

2012-02-09 | X君へのアドバイス

泣いても、笑っても、いよいよ、受験本番。

いかがお過ごしですか。

今までの成果が得られるよう、最後の最後まで気を抜かず、頑張って下さい。

志望校の過去問を十分検討し、本試に備えてください。

過去問には、志望大学の受験生への「メッセージ」がこめられています。

その「メッセージ」に耳を傾けることが、何よりも大切です。

そして、答案を「心をこめて」作成しよう。

答案は、貴方の「メッセージ」を大学に伝えられる、唯一の手段です。

最高の「ラブレター」を書くつもりで、「答案を作成」しよう。

きっと、貴方の熱い思いは、採点者に伝わります。

最後に、貴方が過去に行ったすべての学習成果が、十分発揮できることを、お祈りいたします。

貴方からの、「桜咲くの知らせ」を心より、まっています。

 

 

 


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再び、i-phoneとandroidについて。

2012-02-06 | コンピュータよもやま話

前回、アップル社のスティーブ・ジョブスの亡くなったことが、逆にi-phone売り上げに貢献した旨の記事を書きました。

その直後、アップル社とサムスン社の昨年度の売り上げについのニュースが入りました。僅差で、アップル社がサムスン社を上回るといった内容でした。サムスンのギャラクシー(日本ではNTTドコモの人気機種、andoroid製品)が好調とのこと。

やはり、今年はandoroid普及元年になりそうです。

オマケ:アップル社のi-phoneについて。通信機能がなければ、もう20年以上前にアップル社が出していた、パームトップ「Newton」はi-phoneの先駆けだったと言える。i-padも「Newton」の後継機種と言えなくもない。

i-phoneの日本進出で先行したソフトバンクも、よく通信障害を起こして、行政指導を受けていました。このところ、NTTドコモやauでも同じような障害が出ています。早急なインフラ再構築が必要なのでしょう。

 


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