昨年の秋、ちょうど今頃のこと、南軽井沢の別荘地内の公園を散歩しているときに、あたりにいい香りがしているのに気がついた。妻にそのことを話すと、カツラの黄葉した葉から香りが出ているのだと教えてくれた。
今年も同じ場所に行ってみたが、そのカツラの木の周りには昨年同様ベッコウアメのようなほのかな甘い香りが漂っていた。
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甘い香りを漂わせる南軽井沢の別荘地内のカツラの木(2016.10.2 撮影)
軽井沢に来た昨年春、葉の形がとても可愛いところが気に入り、庭に株立ちのカツラの木を植えていたのだが、こちらは植えてからまだ日が浅かったためかやや元気がなくて、昨年の秋にはこの庭のカツラの木からはこうした香りは感じられなかった。
その庭のカツラも今年は僅かながら甘い香りを漂わせるようになってきた。
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黄~赤く色づき、香りを漂わせるようになった庭のカツラの葉(2016.10.2 撮影)
軽井沢ではこのカツラの木をよく見かける。国道18号バイパスの塩沢交差点から塩沢湖の方に曲がるとすぐにカツラの木が続く。このカツラは背が高くなかなか立派な並木である。
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塩沢湖に向かう道路沿いのカツラ並木(2016.9.11 撮影)
ここのカツラも9月にはすでに色づき始め僅かながらにおい始めていた。
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同上(2016.9.11 撮影)
先の南軽井沢の別荘地内にあるレストハウスの前庭には、みごとな枝垂れのカツラが植えられているが、これもまた同じような甘い香りを漂わせている。
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南軽井沢の別荘地内にある枝垂れカツラ(2016.10.2 撮影)
秋の香りといえば、マツタケも筆頭に挙げられる。長野の上田地方は秋になるとマツタケ小屋ができて賑わいをみせ、特に今年は「真田丸」効果もあって小屋は繁盛しているのではと思う。
こちらは匂いだけではなく味覚のほうでも王者かもしれない。ただ、そうそう気軽に楽しむわけにはいかない。
香りの面ではキンモクセイも代表格といえるが、まだ軽井沢ではキンモクセイに出会ったことがない。暖地性の植物だからであろうか。どこかの別荘の庭にはあるのだろうが、数は少ないのかもしれないと思う。
その点、カツラは日本の気候に合っているのか北海道から九州まで広く分布しているし、軽井沢でも元気である。
ちなみに、手元の「新・日本名木100選」(1990年、読売新聞社発行)によると100本の中に3本カツラが選ばれている。
秋田県由利郡の「千本カツラ」推定樹齢600年
富山県婦負郡の「大カツラ」推定樹齢700年
福井県大野市の「カツラ」推定樹齢1200年以上
である(所在地は本の発行当時のもの)。いずれもこれまで大切に守り育てられてきたものであろうと思われる。
ところで、カツラの葉から出るとされているこの甘い香りの元は何だろうか。調べてみると、それはマルトール(C6H6O3)というピロン環を持つ香りの成分ということであった。
このマルトール、フリー百科事典『ウィキペディア』によると「マルトール(Maltol):は天然に存在する有機化合物で、香料、食品添加物として用いられる。(一部略)。天然には松葉などに含まれ、また糖類を熱分解したとき(カラメル、パンや焼き菓子など)に生成し、これらの甘い香りの原因の一つである。マルトールという名も焦がした麦芽(英語:malt)に由来する。」とある(2016年7月19日(火)13:07 UTC)。
ベッコウアメに似た香りだと感じていたが、まさにそのものベッコウアメの香りであった。
この香りにちなんで、カツラの木は方言で”おこーのき”、”しょーゆのき”などと呼ばれているという。カツラを身近に見ていた人々の感性豊かな呼び名である。
今年も同じ場所に行ってみたが、そのカツラの木の周りには昨年同様ベッコウアメのようなほのかな甘い香りが漂っていた。
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甘い香りを漂わせる南軽井沢の別荘地内のカツラの木(2016.10.2 撮影)
軽井沢に来た昨年春、葉の形がとても可愛いところが気に入り、庭に株立ちのカツラの木を植えていたのだが、こちらは植えてからまだ日が浅かったためかやや元気がなくて、昨年の秋にはこの庭のカツラの木からはこうした香りは感じられなかった。
その庭のカツラも今年は僅かながら甘い香りを漂わせるようになってきた。
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黄~赤く色づき、香りを漂わせるようになった庭のカツラの葉(2016.10.2 撮影)
軽井沢ではこのカツラの木をよく見かける。国道18号バイパスの塩沢交差点から塩沢湖の方に曲がるとすぐにカツラの木が続く。このカツラは背が高くなかなか立派な並木である。
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塩沢湖に向かう道路沿いのカツラ並木(2016.9.11 撮影)
ここのカツラも9月にはすでに色づき始め僅かながらにおい始めていた。
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同上(2016.9.11 撮影)
先の南軽井沢の別荘地内にあるレストハウスの前庭には、みごとな枝垂れのカツラが植えられているが、これもまた同じような甘い香りを漂わせている。
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南軽井沢の別荘地内にある枝垂れカツラ(2016.10.2 撮影)
秋の香りといえば、マツタケも筆頭に挙げられる。長野の上田地方は秋になるとマツタケ小屋ができて賑わいをみせ、特に今年は「真田丸」効果もあって小屋は繁盛しているのではと思う。
こちらは匂いだけではなく味覚のほうでも王者かもしれない。ただ、そうそう気軽に楽しむわけにはいかない。
香りの面ではキンモクセイも代表格といえるが、まだ軽井沢ではキンモクセイに出会ったことがない。暖地性の植物だからであろうか。どこかの別荘の庭にはあるのだろうが、数は少ないのかもしれないと思う。
その点、カツラは日本の気候に合っているのか北海道から九州まで広く分布しているし、軽井沢でも元気である。
ちなみに、手元の「新・日本名木100選」(1990年、読売新聞社発行)によると100本の中に3本カツラが選ばれている。
秋田県由利郡の「千本カツラ」推定樹齢600年
富山県婦負郡の「大カツラ」推定樹齢700年
福井県大野市の「カツラ」推定樹齢1200年以上
である(所在地は本の発行当時のもの)。いずれもこれまで大切に守り育てられてきたものであろうと思われる。
ところで、カツラの葉から出るとされているこの甘い香りの元は何だろうか。調べてみると、それはマルトール(C6H6O3)というピロン環を持つ香りの成分ということであった。
このマルトール、フリー百科事典『ウィキペディア』によると「マルトール(Maltol):は天然に存在する有機化合物で、香料、食品添加物として用いられる。(一部略)。天然には松葉などに含まれ、また糖類を熱分解したとき(カラメル、パンや焼き菓子など)に生成し、これらの甘い香りの原因の一つである。マルトールという名も焦がした麦芽(英語:malt)に由来する。」とある(2016年7月19日(火)13:07 UTC)。
ベッコウアメに似た香りだと感じていたが、まさにそのものベッコウアメの香りであった。
この香りにちなんで、カツラの木は方言で”おこーのき”、”しょーゆのき”などと呼ばれているという。カツラを身近に見ていた人々の感性豊かな呼び名である。
塩沢湖の通りに行ってみようかしら
プリンス通りにも、飛び飛びですがカツラが植えられていますね。