軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

庭にきた蝶(17)ホシミスジ

2017-11-17 00:00:00 | 
 今回はホシミスジ。前翅長23~34mmの中型の蝶。幼虫の食草はシモツケ、イワガサ、ユキヤナギ、コデマリ(バラ科)である。年2~3回、寒冷地では1回発生し、3齢幼虫で越冬する。

 都市近郊の自然の生息地では減少傾向にあるものの、人為的なユキヤナギやコデマリの植栽により、大阪周辺のように都市部の公園や人家付近で増加している地域もあるとされる(フィールドガイド日本のチョウ、2013年発行)。

 この分布に関して、愛用の「原色日本蝶類図鑑」(1964年、保育社刊)には次のような記述があり、上記の最近の発生状況と比べるとここ50年間における変化は興味深い。

 「東亜特産で北海道以外の全土に分布し、発生はきわめて局地的で他の「みすじちょう」と異なり、暖地にも普通であるが多産しない。・・・関東から中部山岳地帯には個体数も多いようだが、大阪付近の各地にはまれな種である。・・・」

 翅表の前・後翅にかけて、3本の白帯を持つ。この白帯が2本のフタスジチョウとは区別が容易であるが、同様の文様を持つものに、コミスジ、ミスジチョウ、オオミスジがいて、飛翔中の姿を見てもなかなか判別がつきにくい種群である。しかし、このホシミスジだけには後翅裏の基部に、名前どおり多数の黒点群があるので、翅を閉じているときには容易に判定できる。

 軽井沢では、4種の類似種の中ではこのホシミスジとコミスジをよく見かける。

 義父のコレクションで翅表の微妙な違いを比較しておく。


上から、フタスジチョウ、コミスジ、ホシミスジ、ミスジチョウ、オオミスジ(2017.10.29 標本撮影)

 我が家の庭のブッドレアにも時々吸蜜にやってくる、なじみの種である。


草むらの葉の上で休息するホシミスジ (2015.7.14 撮影)


幼虫の食草であるシモツケの花で吸蜜するホシミスジ(2015.7.14 撮影)


葉の上で休息するホシミスジ (2015.7.14 撮影)


幼虫の食草であるシモツケの花で吸蜜するホシミスジ(2015.7.14 撮影)


ブッドレアの花で吸蜜するホシミスジ(2016.8.2 撮影)


ブッドレアの葉上でポーズをとるホシミスジ(2016.8.2 撮影)


ブッドレアの葉上で休息するホシミスジ(2016.8.3 撮影)


ブッドレアの花で吸蜜するホシミスジ(2016.8.2 撮影)


シモツケの花の間を飛翔するホシミスジ(2015.7.14 撮影)

 このホシミスジ、南軽井沢にある別荘地内のバラ園に行った時、入り口付近に設けられた噴水の縁にある石造りのアヒルに止まりなかなか飛び立とうとしないところに出会った。

 アヒルの石像に取りつけられた造花に止まって、吸蜜するしぐさを見せたり、石像の頭上に止まってやはり何かを吸うしぐさを見せたりして、周囲を通り過ぎる人を警戒する様子も無い。

 噴水の水が飛び散り、水滴でもついていたのであろうか、飛び立ってはまた舞い戻るという動作を繰り返し、バラ園を訪れる客の目をしばし楽しませてくれた。


石造りのあひるに取り付けた造花で吸蜜するしぐさを見せるホシミスジ(2017.7.3 撮影)


石造りのアヒルの頭上にとまり何かを吸うしぐさをみせるホシミスジ(2017.7.3 撮影)


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