今回はカイツブリ。子供の頃住んでいた大阪にいくつもあったため池ではよく見かけたおなじみの種である。南軽井沢にある八風湖でもしばしば見かけていた。
雲場池の入り口に据えられている案内板には、池に住む生き物が「雲場池の生態系」として紹介されていて、水鳥の代表としてカイツブリがとりあげられている。
雲場池入り口に設置されている案内板
同案内板の右下部分の拡大
ただ、昨年2020年1月から12月まで、雲場池に朝の散歩に出かけて水鳥を観察した限りでは、カイツブリの姿を見かけることはあったものの、個体数も頻度もマガモ、カルガモ、キンクロハジロに比べずいぶん少なかった。
たまに訪れる観光客は、まず見かけることはないだろうという感じがする。尤も、私が出かけるのは朝8時前後に限られていて、それ以外の時間帯のことは把握していないので、あるいは間違った判断をしているのかもしれないことを付け加えなければならないが。
いつもの「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育者発行)でこのカイツブリについての記述を見ると、次のようである。
「カイツブリ類中最も普通の種類。嘴峰19~23mm、翼長94~108mm、尾長30~36mm、跗蹠34~38mm、夏羽は上面黒かっ色、前頸、頸側、頬、栗色。胸は淡かっ色で以下の下面汚白色。冬羽は上面灰かっ色。前頸、頸側、頬、胸は淡かっ色にて喉と胸以下の下面白。
全国各地の湖沼、河川などにきわめて普通。池や沼で繁殖し、水草や藻を積み上げて浮巣を作り、抱卵中の親鳥は巣から離れる時には水草で卵をおおう習性がある。巧みに潜水する。北海道及び本州北部では夏鳥であるが、本州中部以南には周年生息する。
北海道・本州・四国・九州で繁殖するほか奄美大島にも分布する。」
昨年、カイツブリを撮影できたのは4月から5月にかけての短い期間であった。鳥類図鑑によると歩くのが苦手とあり、実際、陸に上がっているところを見ることはなかった。泳ぎは、雲場池で見ることができる水鳥の中では一番上手で、20~30秒も潜って餌を採っているので、潜ったところから随分離れたところに浮かんでくる。餌は魚類、水生昆虫などの動物とのことなので、雲場池にカイツブリの個体が少ないのはこうした餌となる魚類などが少ないからかもしれない。
近寄ることができなかったことと、もともと日本のカイツブリ類で最小というくらい小さな鳥なので、あまりいい写真を撮ることができなかったが、撮影日順に以下これらを紹介する。雌雄は同色であり区別はできない。
雲場池のカイツブリ (2020.4.3 撮影)
雲場池のカイツブリ とマガモ♂(2020.4.3 撮影)
雲場池のカイツブリとカルガモ (2020.4.4撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.4.4撮影)
雲場池のカイツブリとマガモ♂(2020.4.4撮影)
雲場池のカイツブリ(奥)とキンクロハジロ♀(中)とカルガモ(手前) (2020.4.15撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.4.15撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.4.17撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.4.17撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.4.17撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.4.22撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.4.22撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.5.3撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.5.3撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.5.8撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.5.8撮影)
雲場池のカイツブリ (2020.5.8 撮影)
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