哲学は曲げない、だが結婚したい
自分の哲学は曲げないクセに、鋳型(哲学を実現するための戦術)に合わない選手にホレ込む。で、彼らを選んで自滅する。これがハリルジャパン崩壊のシナリオだ。
現実に合わせて方法論を柔軟に変え、そのぶん腕によりをかけてセレクトした魅力的な選手に合わせたチーム作り(システムや戦術)を用意するか? それとも自分のフィロソフィに合う選手だけを採用し、冷徹に理想を実現するか? 勝てるサッカーの監督が選ぶ道はこの2つしかない。
前者はセレクター型、後者はフィロソフィ型だ。(前回の記事参照)
だがハリルはそのどちらでもない。いや正確に言えばフィロソフィ型だが、惚れっぽくて邪念に惑わされる。自分に勝てない。
彼はあらかじめ設計図を持っていながら、ショーウィンドウに並んだ自分の青写真に合わない規格外の商品(川又や永井、宇佐美)に惹かれてしまう。予想もしなかった機能のスペックが高いのだ。
「予定外だが、これは買いだ」
で、つい浮気心を起こし、ホレ込んで注文ボタンを押す。キラキラ光る魅惑の品々に目がくらみ、誘惑に負けて手を出してしまう。リアリズムに徹することができない。
相手の好みを聞かずに家を建てる自己矛盾
おそらくハリルは一目惚れしやすい愛すべきロマンチストなのだろう。理想を高く掲げるナルシストの芸術家だ。ナルシストであるがゆえに「自分」を持っている。つまり自分が考える理想のサッカー像がある。その理想を実現するためのシステムや戦術も、すでに自分の中にある。ならば、あとはそのコンセプトに合う選手をセレクトするだけだ。
だがそこで惚れっぽいロマンチストの彼は、思わぬ美人に会ってしまう。いやだれだって自分の価値観(システムや戦術)を粉々に崩壊させてしまうような、個性的な相手に弱いものだ。で、ハリルは自分じゃ想定してなかった彼女の意外な魅力に惹かれ、ついプロポーズしてしまう。自分の理想のマイホーム(システムや戦術)は、すでにもう用意してあるというのにーー。で、その結婚相手を家に連れてくると、彼女は大声で叫ぶのだ。
「なんなの、この家! 私は聞いてないわよ。壁の色が気に食わない!」
で、彼らの結婚生活はうまく行かない。
これがいまの日本代表に起こっていることだ。
どの段階で気がつくか? それが分かれ目だ
すなわち川又や永井のようなワイルドな野獣たちを選んでおきながら、かといって彼らの獣性が生きるやり方をするわけじゃない。ギラギラした猛獣たちに対し、(自分が持っている)難解な哲学や高邁な知性を要求する。
で、あらかじめ用意してある戦術に選手が合わず、苦労する。
ハリルジャパンは、このパターンから抜け出せるかどうかがカギだ。
自分の考えるサッカーに合わないため宇佐美を決して呼ばなかったリアリストのアギーレと、宇佐美に魅了され「結婚生活」が破綻することも厭わずプロポーズしてしまうロマンチストのハリル。自分の哲学をもっている点では同じだが、方法論において2人の監督は好対照だ。
選んだ美人にマッチする家をあとから建てるか? それともすでに買ってある家に合わない美人はスルーするか?
ふたつにひとつ。どっちつかずなら、まず勝てない。
日本とハリルは新婚さんだ。だから結論を出すのはまだ早い。だが銀婚式までは、もちろん待てない。
どの段階で、どっちつかずから抜け出すのか?
その頃合いを見て、私は「判断」しようと考えている。
自分の哲学は曲げないクセに、鋳型(哲学を実現するための戦術)に合わない選手にホレ込む。で、彼らを選んで自滅する。これがハリルジャパン崩壊のシナリオだ。
現実に合わせて方法論を柔軟に変え、そのぶん腕によりをかけてセレクトした魅力的な選手に合わせたチーム作り(システムや戦術)を用意するか? それとも自分のフィロソフィに合う選手だけを採用し、冷徹に理想を実現するか? 勝てるサッカーの監督が選ぶ道はこの2つしかない。
前者はセレクター型、後者はフィロソフィ型だ。(前回の記事参照)
だがハリルはそのどちらでもない。いや正確に言えばフィロソフィ型だが、惚れっぽくて邪念に惑わされる。自分に勝てない。
彼はあらかじめ設計図を持っていながら、ショーウィンドウに並んだ自分の青写真に合わない規格外の商品(川又や永井、宇佐美)に惹かれてしまう。予想もしなかった機能のスペックが高いのだ。
「予定外だが、これは買いだ」
で、つい浮気心を起こし、ホレ込んで注文ボタンを押す。キラキラ光る魅惑の品々に目がくらみ、誘惑に負けて手を出してしまう。リアリズムに徹することができない。
相手の好みを聞かずに家を建てる自己矛盾
おそらくハリルは一目惚れしやすい愛すべきロマンチストなのだろう。理想を高く掲げるナルシストの芸術家だ。ナルシストであるがゆえに「自分」を持っている。つまり自分が考える理想のサッカー像がある。その理想を実現するためのシステムや戦術も、すでに自分の中にある。ならば、あとはそのコンセプトに合う選手をセレクトするだけだ。
だがそこで惚れっぽいロマンチストの彼は、思わぬ美人に会ってしまう。いやだれだって自分の価値観(システムや戦術)を粉々に崩壊させてしまうような、個性的な相手に弱いものだ。で、ハリルは自分じゃ想定してなかった彼女の意外な魅力に惹かれ、ついプロポーズしてしまう。自分の理想のマイホーム(システムや戦術)は、すでにもう用意してあるというのにーー。で、その結婚相手を家に連れてくると、彼女は大声で叫ぶのだ。
「なんなの、この家! 私は聞いてないわよ。壁の色が気に食わない!」
で、彼らの結婚生活はうまく行かない。
これがいまの日本代表に起こっていることだ。
どの段階で気がつくか? それが分かれ目だ
すなわち川又や永井のようなワイルドな野獣たちを選んでおきながら、かといって彼らの獣性が生きるやり方をするわけじゃない。ギラギラした猛獣たちに対し、(自分が持っている)難解な哲学や高邁な知性を要求する。
で、あらかじめ用意してある戦術に選手が合わず、苦労する。
ハリルジャパンは、このパターンから抜け出せるかどうかがカギだ。
自分の考えるサッカーに合わないため宇佐美を決して呼ばなかったリアリストのアギーレと、宇佐美に魅了され「結婚生活」が破綻することも厭わずプロポーズしてしまうロマンチストのハリル。自分の哲学をもっている点では同じだが、方法論において2人の監督は好対照だ。
選んだ美人にマッチする家をあとから建てるか? それともすでに買ってある家に合わない美人はスルーするか?
ふたつにひとつ。どっちつかずなら、まず勝てない。
日本とハリルは新婚さんだ。だから結論を出すのはまだ早い。だが銀婚式までは、もちろん待てない。
どの段階で、どっちつかずから抜け出すのか?
その頃合いを見て、私は「判断」しようと考えている。