すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【日本代表メンバー発表】三笘薫や遠藤航ら、9月にドイツ&トルコ代表と戦う

2023-08-31 15:04:36 | サッカー日本代表
初招集はC大阪DF毎熊晟矢のみ

 日本サッカー協会(JFA)は31日、9月にドイツとベルギーで行われる国際親善試合2試合を戦う日本代表メンバーを発表した。

 日本代表は9月9日(土)にドイツ・ヴォルフスブルクでドイツ代表と国際親善試合を行ったのち、同12日(火)にベルギー・ヘンクでトルコ代表との「キリンチャレンジカップ2023」を戦う。

 まずドイツ戦は現地時間20時45分(日本時間10日3時45分)にキックオフされる。NHK・総合テレビで全国生中継がある。一方、トルコ戦は現地時間14時20分(日本時間21時20分)キックオフだ。こちらは日本テレビ系で全国生中継される。

 9月の2試合に向け、発表されたメンバー26名は以下の通り。

■GK
シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)
中村航輔(ポルティモネンセ)
大迫敬介(広島)

■DF
谷口彰悟(アルラーヤン)
板倉滉(ボルシアMG)
森下龍矢(名古屋)
町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)
毎熊晟矢(C大阪)
冨安健洋(アーセナル)
伊藤洋輝(シュツットガルト)
橋岡大樹(シント=トロイデン)
菅原由勢(AZ)

■MF/FW
遠藤航(リバプール)
伊東純也(スタッド・ランス)
浅野拓磨(ボーフム)
古橋亨梧(セルティック)
守田英正(スポルティング)
鎌田大地(ラツィオ)
三笘薫(ブライトン)
前田大然(セルティック)
堂安律(フライブルク)
伊藤敦樹(浦和)
上田綺世(フェイエノールト)
田中碧(デュッセルドルフ)
中村敬斗(スタッド・ランス)
久保建英(ソシエダ)

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【セリエA 23/24 戦術分析】ラツィオの鎌田大地は戦術「トータル・ゾーン」を操る

2023-08-31 06:21:42 | その他の欧州サッカー
チーム作りに時間がかかる

 鎌田大地が移籍したラツィオの試合を、開幕戦から2ゲームとも観た。だがチームの仕上がりがまだまだで、試合になってない。彼らは開幕戦で格下レッチェに1-2と逆転負けすると、第2節の昇格組ジェノアにも0-1と敗れ2連敗した。

 異才マウリツィオ・サッリが監督なので期待していたが、まだ彼らはシーズン前の「キャンプ地の状態」にいるかのようだ。

 サッリのサッカーは、ナポリやチェルシーを指揮していた時代の試合を観ておもしろいと感じた。だがラツィオの現状は、それらの姿とかけ離れている。

 ただしサッリのチームのシーズン始まりはいつもこんなだ。監督の要求が細かいため、チームを完成させるのに時間がかかるのだ。

意味のないバックパスを繰り返したジェノア戦前半

 特にジェノア戦は立ち上がりから、前半が悲惨だった。

 選手がみなパスコースを作る動きをまったくしない。ただ突っ立っているだけだ。で、後ろを向いた選手が足元にボールをもらっては、ワンタッチで元の場所にいる同じ選手にバックパスするだけ。そんなうんざりするようなバックパスの連鎖がえんえんと続く。レイオフになってないのだ。

 レイオフとは、縦パスやクサビのパスを受けた選手が、彼をサポートに来た「3人目の選手」にワンタッチやツータッチでパスを落とすプレーを指す。

 本来、サッリのサッカーでは、このレイオフを多用する。まず低い位置にいるボールホルダーに対し前線の選手が後ろを向き、ショートパスを受ける。ここまではいい。だがここから、ワンタッチで「3人目の選手」にバックパスするのだ。これを繰り返す。

 この循環構造を作り出し、敵の視野をボールに集中させて前線でフリーな選手を生む。で、新たな攻撃を生み出して行く。こうして味方にボールを預けながら動き直すことでマークを剥がす。そしてポジショナルプレーを展開する。これがサッリのサッカーだ。

 だが現状は「仏作って魂入れず」だ。単に同じ場所で同じ相手とバックパスを繰り返すだけで、選手が「動き直し」をまったくしない。「第3の動き」もない。だからマークを剥がせないし、新たなパスコースも生まれない。そんな煮詰まった状況になっている。これはあくまで彼ら本来のサッカーではない。

 ではそんなラツィオの「真の姿」とめざす戦術、今後の見通しはどうだろうか? それを見て行こう。

「サッリ・ボール」、またの名を「トータル・ゾーン」

 そもそもサッリが考えるサッカーとは、どんなスタイルなのか?

 サッリ監督は「サッリ・ボール」と呼ばれる戦術を操る。これはチェルシー時代に付けられたネーミングだ。サッリが志向するフットボール・スタイルの呼称である。彼のサッカーはナポリ時代には、「ヨーロッパでいちばん美しい」とまで言われた。

 一方、イタリア在住のサッカージャーナリスト兼スカウト・宮崎隆司氏は、彼の戦術を「トータル・ゾーン」と名づけた。チーム全員が連動して動くスタイルだ。

 ト-タル・ゾーンはゾ-ンでもマンツーマンでもない。敵選手の位置はまったく関係なく、守備者は人ではなくボールの位置だけでポジショニングを決める。なぜならボールが味方ゴールに入らない限り失点しないからだ。

機動的なポゼッションスタイルだ

 攻撃面でいえば、基本はボール保持をめざす機動的なポゼッションスタイルだ。少ないタッチ数(基本はワンタッチ)でテンポよくグラウンダーのボールを回す。例えていえば、日本ではアルビレックス新潟のスタイルに近い(ただし守備戦術はまったく違う)。

 そしていったんボールを失うと、できる限り高い位置での奪還をめざす。そのため4-3-3の陣形を極めてコンパクトにキープする。非常にゾーンが狭い。最終ラインも高い。あえていえば、かつてのゾーンプレスに似ている。

 ボールに対し横方向は極端に絞る。またボールに対し縦方向は極端に押し上げる、またはリトリートする。さらに敵を押し込むと多くの場合、最終ラインは敵陣内に設定される。

 こんなふうにゾーンが常にコンパクトだと必然的に人が密集する。そのぶんネガティブ・トランジション、ポジティブ・トランジションがともに速い。

 つまり攻撃と守備が一連の流れの中で絶え間なく循環する。攻守が常に一体化したサッカーである。実際、負けはしたが第2節・ジェノア戦の後半は、そんな躍動するサッカーを見せていた。

アバンギャルドなスペクタクルが展開される

 だが残念ながら、現状のラツィオではこの戦術は完成されていない。決まりごとが複雑で細かいため、サッリのチームのシーズン初めはいつもこんなふうに未完なのだ。実際、鎌田もまだ手探りの状態である。

 では戦術「トータル・ゾーン」がラツィオで構築されたとき、いったいどんなスペクタクルが展開されるのか?

 そこではかつてサッリが指揮したナポリやチェルシー同様、刺激的でエキサイティング&アバンギャルドな光景がわれわれの眼前に姿を現すにちがいない。

 いまから楽しみでならない。

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