すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【女子W杯2023 準決勝】超絶2発でスペイン決勝へ初名乗り ~スペイン 2-1 スウェーデン

2023-08-16 08:25:07 | なでしこジャパン(ほか女子サッカー)
終盤に激しく試合は動いた

 オーストラリアとニュージーランドで共催されている女子ワールドカップ2023は15日、準決勝を行い、スペインとスウェーデンが対戦した。2-1でスペインが決勝に初進出した。

 ゲームは拮抗し両者無得点のまま進んだが、終盤に激しく動いた。後半終了間際にスペインが1点を上げるとすぐスウェーデンが追いつき、結局スペインが劇的な「サヨナラ弾」を放って追いすがるスウェーデンを突き放した。

 ゲームは序盤からパスを繋ぐスペイン、強靭な守備でそれを防ぐスウェーデン、という構図で進行した。

 スペインはまったく変わらずいつものサッカーだ。だがそれに対しスウェーデンは、決勝トーナメント1回戦のアメリカ戦や準々決勝の日本戦とはまったく違う展開を見せた。

 今大会、彼らはよく対戦相手を研究し、敵のよさを消すサッカーをしてきた。

スペインのカルモナが劇的な一発を叩き込む

 さて両者一進一退で0-0のまま迎えた終盤。だれもが「延長戦だ」と思っていた後半36分だった。

 スペインはペナルティエリア手前でエルモソが瞬時にアーリークロスを放つ。狙ったファーには通らなかったが、こぼれたところをサルマ・パラジュエロが押し込んだ。

 だれもが「これで決まった」と思った。

 だがスウェーデンも黙っちゃいない。同43分だ。敵陣左サイドでスローインをもらった。縦へボールを入れるとロルフォが鋭く反応する。

 彼女が絶好のセンタリングを入れると、これにリナ・フルティグが頭で落とす。仕上げはレベチャ・ブロムクビストだ。信じられないぎりぎりのコースにハーフボレーを叩き込み、スウェーデンが地獄の底から蘇る。

 これに対しスペインは44分、左CKを得た。キッカーのテレサ・アベリェイラがグラウンダーのボールを入れると、ボックス手前でフリーのカルモナが左足を一閃。劇的な一発がクロスバーを叩いてゴールに突き刺さった。

 これでスペインがケリをつけた。初の決勝進出だ。

決勝戦は20日19:00から生中継される

 決勝戦は日本時間20日(日)19:00から戦われる。今夜行われるオーストラリアvsイングランドの勝者とスペインは対戦する。

 一方、負けたスウェーデンは、同19日(土)17:00から3位決定戦を戦う。

 いずれもサイトFIFA+で生中継される(過去の試合も観られる)。

 なお、私の決勝戦のカード予想は以下の記事の通りだ。

【女子W杯・分析】決勝はスペイン対イングランドか?

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【リーグ・アン 23/24 第1節】伊東が今季初ゴール、中村敬斗もデビューする 〜マルセイユ 2-1 Sランス

2023-08-16 05:10:08 | その他の欧州サッカー
速いテンポのプレッシングサッカー

 フランス1部リーグ・アンの開幕節が現地時間12日に行われ、スタッド・ランスはオリンピック・マルセイユと対戦した。試合は2-1でマルセイユが勝利した。ランスの日本人コンビ、伊藤純也が前半10分に先制点をあげ、後半15分からは新加入の中村敬斗がリーグデビューした。

 ものすごく速いテンポのプレッシングサッカーだ。たがいに激しくプレスをかけ合う。そのため2タッチ以内でプレーしないとたちまちボールロストしてしまう。当然、パスは強くて速くないと通らない。技術とフィジカルがモノを言うサッカーだ。

 スタッド・ランスのフォーメーションは4-2-3-1。彼らは両SBを高くあげ、2CBでビルドアップする。右SBを上げ、残りの3バックが右にスライドしてのビルドアップもある。またCBがボールを持ち運んで上がるプレイも見せる。

 彼らは前半、60%以上ポゼッションしてよく攻めた。何度かカウンターを食らったのものの、しっかり守り切った。そして前半10分、味方がヘディングした左からの山なりのボールを受け、伊東が右足ワンタッチでゴールに叩き込んだ。先制点だ。

堅守速攻のマルセイユがカウンターを狙う

 一方、マルセイユのフォーメーションは4-4-2だ。堅牢な守備重視で、相手にボールを持たせて抜け目なくカウンターを狙っている。マイボールにすると最終ラインを高くあげて一気に敵陣へ雪崩れ込むが、ボールを失うと素早くディフェンンディングサードまで帰陣する。トランジション(攻守の切り替え)が速い。

 SBからの長い対角のボールや、縦へのロングボールでダイレクトなビルドアップを志向する。あとは相手ボールを奪い、素早いポジティブトランジションからの速攻が売り物だ。

 23分にはそのマルセイユが同点弾を上げる。縦パスを受けた選手がワンタッチで右にボールをはたく。それを受けたフリーのアゼディン・ウナヒが、ワンタッチしてからゴール右スミに決めた。

 続く26分には、マルセイユがボールを奪って速いカウンターをかける。3人の選手が敵陣に入り込みパスを繋いだが、残念ながら結実しなかった。

 そして38分、スタッド・ランスの右SBフォケが長い縦パスを通す。サイドでボールを受けたアミル・リチャードソンは敵DFと正対し、フェイントを入れてからマイナスのパスを出す。伊東がワンタッチでゴールに突き刺した。だがこれはVARの介入で取り消された。リチャードソンに出たパスがタッチラインを割っていたのだ。

マルセイユがカウンタープレスを放つ

 1-1のまま後半に入ると、マルセイユが戦術を変えた。システムを4-3-3に変え、攻守ともに攻撃的に衣替えしたのだ。まずショートパスを繋ぎ、時折バックパスも絡めながらポゼッションするようになった。相手ボールに対しては前からプレスをかけてラインを高く保つ。

 そして敵陣でボールを失っても前半のようにはリトリートせず、その場でプレスをかけて即時奪回をめざすカウンタープレスを仕掛け始めた。奪えなければミドルプレスに転換する。彼らは引き分けでは満足しない。勝ち越し弾を狙っている。

 60分になるとスタッド・ランスの中村が途中出場した。リーグ・デビューだ。中村は左サイドに入り、伊東と両翼を構成した。彼は攻撃的に振る舞い、サイドチェンジして伊東にパス出しした。再三、敵陣に入り込み、78分には敵ゴールエリアに侵入して「あわや」のプレイも見せた。

 その後は攻撃的になったマルセイユがしっかり押し込む。かくて73分。敵陣右サイドからのスローインをペナルティエリア内で受けた途中出場のイスマイラ・サールがマイナスのパスを出し、敵の前に割って入ったヴィティーニャが右足でフィニッシュ。逆転に成功する。

 試合はこのまま2-1でマルセイユが押し切った。伊東が今季初ゴールをあげ、中村がデビューしたものの、スタッド・ランスは痛い黒星スタートになった。

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