生きとし生けるものはすべて生まれながらにして仏となりうる素質をもっています。
これを仏教では「一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしゆうぶっしょう)」とか
「一切衆生皆仏性(いっさいしゅじょうかいぶっしょう)」とか「仏の子」などといいます。
私たちは生まれたときは赤ちゃんで、そのときには悩みはありません。
まさに「いまここ」だけに生きています。私たちは全員赤ちゃんだったのですから
悟った状態で生まれてきます。
つまり人間は本質的に誰もが最初から悟っているのです。だから仏の子なんです。
悟りとは、生きていく途中、成長していく途中で肥大化してしまった自我・エゴの皮を
ひとつずつ脱いでいく行為です。つまり、悟りはどこか遠い場所にあって到達するものではなく
自分の心の中にある、人としての清らかな心を取り戻すということです。
人生の中には、不幸なときも幸せなときもあるでしょう。誰でも、悩みや問題を抱えてしまうことはあります。
不幸な状況のときにも平気で過ごせる。幸せな状況の時には、大いに幸せを感じられる。
いかなる場合にも幸せな気持ちで生きることが出来るようになれたら、それが悟りの境地なんです。