お釈迦さまは法句経で
「この世の中にありて、怨みに報いるに怨みをもてすれば、
ついに怨みのやむことはない。怨みを捨ててこそやむ。これぞ永遠の法である」
と説かれています。怨みの連鎖を断ち切って、このような仏教の智慧を生かして
いきたいものであります。
お釈迦さまは怒ってはならない、と教えています。
人間は誰しも他人に腹が立つ時があります。
しかし、その時に怒りにまかせて文句を言ったり、怒鳴ったりすることが
「他人に勝つ」ということではありません。また、人を許すということは
泣き寝入りするということではありません。こちらが大人であり
仏さまの心により近かったということです。
怒りという感情はあなたの心が作り出しています。だから、怒っているときは自分が
正しいと思ってしまいがちです。しかし、怒りは自分で勝手に怒っているにすぎないのです。
私たちは自分の心が本当はワガママで自己中心的であるという事実になかなか気づけません。
客観的に自分を観察しないと気づかないのです。よくよく自分を観察してみることも大事ですね。
先日、読んだ本にこんな話が載っておりました。
ある男性が今日から絶対に怒らないと心に決めて、自宅で瞑想をはじめました。すると、外から
大工さんが金づちでコンコン、トントン、のこぎりでギコギコと大きな音が聞こえてきました。最初は
気にせずに瞑想を続けておりましたが、だんだんイライラしてきて、窓を開けて怒鳴ってしまいました。
「今日から怒らないって決めて瞑想してるのに、そんなにやかましいと瞑想もできない!!」
そう叫んだあと、あ、また怒ってしまったと男は反省しました。また、気を取り直して瞑想をしていると
妻が部屋の掃除をはじめましたものですから、またまた男は怒り出してしまいました。そこへ母親が来て
家にいるならちょっと用事を・・・ときたものですから、男は怒りが爆発してしまいました。
笑い話のようですが、怒らないというのはこれくらいなかなか出来ない物です。
うまく気持ちを切り替えれるといいですね。
例えば、渋滞に出会ってしまったら、いつもなら「急いでるのに、こんなに渋滞して!!イライラする!!」と
なるところを「混んでるから、のんびりできる。ゆっくり音楽でも聴きながら、仕事のことでも考えよう」などと
意識してシフトしていけると同じ渋滞で同じ時間を過ごすにも違ったものになるのではないでしょうか。
今日、一日怒らずに過ごせそうですか?
合掌
命光不動尊 http://www.meikoufudouson.jp/