貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

那須郡 那須 : 殺 生 石① 異様な光景と「白面金毛九尾の狐」

2024-11-02 10:18:58 | 日記
令和6年11月2日(土)
那須郡 那須 : 殺 生 石   
  

           
 那須湯本温泉の源泉
となっている「鹿の湯」の西方に、
山肌がむき出しで
草木の絶えた谷あいがあり、
この奥に、
殺生石が鎮座していた。
<神社への鳥居>

 殺生石の周辺からは、
硫化水素や亜硫酸ガス、
砒素などの有毒ガスが噴出し、
昔ほどではないと言われるが、
今でも異臭のするガスが
吹き出している。
<殺生石>

 ちょっと異様という光景である。
 いわれにも納得。

 古人は、
この場所で人や動物が
死亡することを、
石に宿る霊の仕業と考え、
石を特定して「殺生石」と名付けた。
 さらには、
その石に、
全身を金色の毛で覆い
9本の尾をもつという
「白面金毛九尾の狐」
の物語を添加したことにより、

殺生石は、
恐怖の石として世に広く
伝播するところとなった。
物語ることの素晴らしさか。 
 しかし、
青々と山に勢いのある時と
木々の葉が落ち、
樹木が裸のまま枯れ木のように
冬を越す時季とでは
その怖さも違うような気がする。 
 『奥の細道』には、
「殺生石は温泉(いでゆ)
の出る山陰にあり。
 石の毒気いまだ滅びず。
蜂・蝶のたぐい、
真砂の色の見えぬほど
かさなり死す。」
と記されており、
その頃は今よりも激しく
噴出していたと推測される。
~つづく。