鐘一つ 音はどうとも!
令和元年7月22日
「およそ鐘の声は、黄鐘調
(おうじきちょう)なるべし。
これ無常の調子、祇園精舎の
無常院の声なり。」
というのは、吉田兼好の
『徒然草』にある。
京都妙心寺の鐘の音。
その音が無常の響きか!
ところが、坊さん。
『何、無常の音?
そんなもん文学やろ。
聞く門もんの勝手や。」
と言われたそうな。
なるほど!
物は見様でどうでもなり、
音も聞きようでどうとも
聞こえるもの。
それが無常か。
沼津市浄因寺。
蕉門十哲の第一の俳人、
榎本其角、後の宝井其角の
句碑もあり。
「三日月の 命あやなし
闇の梅」
大顛和尚句碑の句は、
「礼者門を 敲くしだらく
花明らか也」
大顛和尚は、円覚寺代163世で
高徳の和尚。
其角参禅の師でもある。