『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『チーム・バチスタの栄光』を観た]

2008-02-17 22:08:50 | 物語の感想
☆ここのところ、ロードショーで観に行く作品に当たりがない。

無難に楽しめそうなので、『チーム・バチスタの栄光』を観に行った。

MOVIX昭島のポイントが3人分貯まっていたので、家族も連れて行く。

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いやあ、面白かった^^

余は満足じゃ!

確かに、今回の医療ミステリー作品の探偵役である厚生労働省の役人・白鳥(阿部寛)は、奇矯な性格の男であったが、作品は、『L : change the WorLd』のように、その奇天烈さにおんぶに抱っこしているようなことはなく、ちゃんとミステリー物としての面白さにおいて一本筋が通っていた(それ以上に、主人公の女医・竹内結子も負けずに魅力的だった)。

映画においては、この「一本筋が通っている」」と言うことは、それはもう重要なことだと、昨日、『モンゴリアンおじさん・・・』じゃなかった、『マンコゴリアム・・・』じゃなかった、『マゴリアムおじさんと不思議なおもちゃ屋』と言う寂しい作品を観てから、特に大事だと思うようになっている私であった。

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大学病院の、高名な心臓病治療チームの手術中に、連続して起こってしまった術中死を巡る原因究明の物語だ。

その真相究明を託されたのは、心療内科の女医である田口(竹内結子)。

この人、演技がうまい。

日頃、テレビなどで、育ちの悪そうな役をやっているのに、何ともおっとりした性格の内科医を、らしく、演じている。

女医といっても「畑違い」の田口が、心臓手術の現場を素人調査していくギャップが面白い。

素人ゆえに、素直に現場を見て行く。

その視点が、入り組んだ話だろうに、観客である私などにも問題点(どこが術中死におけるポイント)がどこなのかを理解させてくれる。

とは言え、原作本ではどうなのかは分からないが、この作品においては、観客による推理の余地はない。

だが、<チーム・バチスタ>の個性的な7人のメンバーの誰が犯人なのかを考える楽しさはふんだんにあった。

  吉川晃司 (頼りになる誠実なリーダー)
  池内博之 (ワイルドでありつつもの知的作業者)
  玉山鉄二 (血気盛んな若者)
  井川遥  (場慣れしていない手術サポーター)
  佐野史郎 (真面目な職人肌)
  田口浩正 (オタク風のオペレーター)
  田中直樹 (今風の性格希薄な麻酔専門医)

いずれも、力のこもった演技をかましてくれていた。

また、竹内結子が調査の過程で使用するノートが、私愛用の<Rollbahn>のものであったのがメチャ嬉しかった(http://kok-design.jp//pic-labo/llimg/rollbahnSL1.jpg)。

上記の写真は、田口がノートに書き込むチームメンバー7人の動物のイメージである^^

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田口が、調査に進展を見せることが出来ず、物語の展開が停滞し始めた時、現われるのが探偵役の白鳥である。

こいつが面白かった。

恵まれた体格・外見・地位でありながら、考えることが実に俗で、田口や七人のメンバーの心の中に土足でグサグサと入ってくる。

しかも、その「グサグサ」が、果たして、当たっているのかどうかは定かではないのである。

しかし、楽しい。

チームの上司の教授に、「あなたは、チームのリーダー・桐生の招聘に消極的だったのに、桐生チームが活躍しだしたら、急に世話役めいた顔をしだしたそうですね^^;」などとズケズケ言う。

教授は憤慨し、「誰がそんな噂をしていたんだ!」と怒鳴る。

すると、白鳥は、「田口君です」と言うのである。

濡れ衣を着せられ、田口は呆気に取られる。

また、都合が悪くなるとすぐに泣く井川遙演じる手術の補佐役にも、彼女が顔を両手で覆い泣き始めた時、白鳥は、その両手をむんずと掴み、引っぺがし言うのである。

「涙なんか、出てないじゃないですか」^^;

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田口の心療内科の患者との絡み合いなんかも面白い。

また、田口には、ソフトボールのチームに所属しているという健康的な趣味もあり、作品世界を閉鎖的にしていない。

ある患者は、ロック歌手になる夢があり、手術前に、中庭でその歌声を披露する。

そんな開放的なシーンもコミカルに表現されているが、その患者が、やはり術中死をすると、田口は、病院の廊下に倒れ、涙するのである。

笑えるシーンとシリアスなシーンに違和感はなく、作り手の、そのバランス感覚の良さに感心した。

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私の推理では、唯一、心臓の切除箇所が「悪性の箇所であるか」を判別できる池内博之演じる鳴海が犯人かと思っていた。

しかし、違った。

「真犯人」は意外な人物であったが、その演技がさもありなんで、納得も出来た。

私は、この作品ぐらいの満足感が得られれば、映画と言うものに失望しないで済む^^v

                            (2008/02/17)
コメント (2)
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[映画『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』を観た]

2008-02-17 01:23:52 | 物語の感想
☆こうして、毎週、封切の映画作品を観に行く生活を始めると、まあ、週に一作品を観るのが妥当なのであるが、幾つかの封切作のうち、スカを掴まされることも多い。

先週なども、『L』と『チームバチスタの栄光』の二者択一において、『L』と言うスカを掴まされた。

しかし、私の愛用映画館<MOVIX昭島>では、今、1コインセレクション(http://www.movix.jp/schedule/SMTT000000026_pcinfoI89.html)と題し、ちょい過去の作品を500円で観ることが出来、『L』で寂しい思いをした翌日にウエンツ瑛士主演の『ゲゲゲの鬼太郎』を観て、一緒に行った4人でゲラゲラ笑って楽しんだ。

田中麗奈のネコ娘が、もう、ここ数年で一番インパクトのあるビジュアルであった^^

で、さて、昨夜は、封切作の二強『エリザべス ゴールデンエイジ』と、『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』という二択で、後者を選び、結果、スカを選ばされる結果になった^^;

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これは、おそらく、『チャーリーとチョコレート工場』の毒気を抜き、画面上をギミックで満たし、より多くの観客動員を狙った作品と思われた。

キャストも、ダスティン・ホフマンと、ナタリー・ポートマンと言う2大スターを使っている。

・・・何から語ればいいのか?

先ず、かような、「大人こども」的な作品を作るときは、毒気を抜いたら、大人に取っては退屈である。

しかし、何らかのテーマ性・・・、

  1・主人公マホーニーの、かつてのピアノの神童であったが故の、大人になった現在の苦悩。

  2・長く生き過ぎた魔法使い・マゴリアムおじさんの人生の引き際。

  3・友だちの出来ない少年エリックの寂しさ。

  4・現実的な考え方しか出来ない会計士ヘンリーの無知。

などと、登場人物の成長を描いていくのは、子供の観客には退屈だろう。

大人と子供の観客に媚びて、どちらからも見放されるような作品なのだ。

「4」のヘンリーの情緒的成長は、やや描写不足だが、良かったと思う。

しかし、「3」の少年の寂しさには、答えが用意されていない。

「2」は、圧倒的に説明不足なのだが、ダスティン・ホフマンの演技で見ることが出来た。

「1」においては、マゴリアムおじさんの魔法のオモチャ屋に順応しているにもかかわらず、ちゃんと日常の生活もしているマホーニーに、何とも言えない違和感が起こってくるのだ。

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ナタリー・ポートマン・・・、まだまだ若いのに、老いた印象が拭えない。

『SW : シスの復讐』では、子供産んでたからなあ^^;

『レオン』の頃の超美少女時代が懐かしい。

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なんちゅうか、私には、この物語の「拠って立つ位置」と言うものが分からないのである。

例えば、先の『スウィーニー・トッド』においては、時代を中世のイギリスにしたことによって、多少の物語上の不備も、観客に想像で補完させる行為を促している。

しかし、『マゴリアムおじさん』においては、舞台は現在であり、大通りのど真ん中に店舗は存在し、おもちゃ屋の中では、マゴリアムおじさんの魔法が包み隠さずに披露されているのである。

そして、子供たちが楽しく遊んでいるのである。

物語上での現実と魔法の世界の境界はどこにあるのか?

私、…だけに限らないだろう、多くの観客は、何とも居心地の悪い雰囲気を感じさせられ続け、物語が進んでいくと、去り行くマゴリアムおじさんを引き止めようとするマホーニーに対し、何ら感情移入が出来なくて、「ああ、これは私の物語ではない」と眠気さえ起きてくるのだ。

私が連れて行った女の子は、途中から健やかに寝ていた^^;

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美術は、色彩豊かで美しかった。

でも、私は、美しい映画と言えよう、黒澤の『夢』でも、ディズニーの『ファンタジア』でも寝た^^;

今回は寝なかったが、寝てしまった娘の気持も分かる。

このような映画を、木村カエラのPOPなイメージソングで、いかにも「若い女の子必見の自分発見ムービー!!」的に宣伝するのは悲しいものだ・・・。

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ラストの3秒。

「そして、マホーニーの物語がはじまった」ってトコが良かったので、私は救われた^^v

                         (2008/02/17)
コメント (4)
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