☆まあ、男の半分、つまり「ダメ人間」は、この主人公に「嫌な共感」を感じてしまうでしょう^^
仕事を辞め、家で家族に疎まれながらも、居間でテレビゲームに興じるなど、家でゴロゴロして、「俺はまだ本気出してないだけ・・・」と嘯く四十男の物語。
ご多分に漏れず、私も、この男の気持ちが分かる「男の半分」であるが、
私が、この男と同じに感じていた時代は、三十台前半の頃だったかな?
現状は変わらなくても、四十にもなれば、そんな気持ちにさえ慣れる^^
私も「ダメ人間」だが、この男と違って、仕事だけは過剰に続けてきた。
とは言え、この男、シズオには結婚経験があり、娘がいる。
それだけで、人生の勝利者のような気がする。
シズオを堤真一が好演していて、男前がダメ人間を演じる無理さ加減はなく、いろんな意味で情けない男の演技がうまい。
また、幻想の中に現われる各世代の自分を、ほとんど堤が一人で演じるのだが、それも面白いし、なんか、色んな自分が出現する図は、見てはいないが、今公開している『俺俺』と似ているようだ。
いや、それが書きたかったのではなかった^^
で、その幻想の「自分たち」の世界で、足のひらと手のひらで拍手する図があり、堤の体の柔らかさが分かるのだが、その他のシーンでも、足を後ろ上方に上げバランスを取ったりと面白かった。
娘役を橋本愛が演じ、相変わらず胸がなくて、逆にエロくて、また、シズオの妄想の中での娘が縦巻きロールなベルサイユコスで、いつものオカッパでなくて良かったし、ラストの「衝撃な出会い」から派生できる、こちら側の妄想も淫靡だ^^
まあ、それは、シズオが珍しく父親対応して、見ているこちらの気持ちを無難に抑えたが^^;
シズオの父親は、石橋蓮司が、見事に「可哀想な父親」を演じていたと思う。
爺シャツを股引にシャツインしている姿が泣ける。
シズオが目指すに至るのが漫画家なのだが、なんか、作中で語られる、そのマンガがなかなか面白いんだよなぁ。
ちょうど、シズオと友人らが行く飲み屋の主人を蛭子能収が演じているのだが、シズオが描くマンガは、ちょいと蛭子さんのマンガと似ていなくもない。
で、その飲み屋の主人に、シズオは「才能がないんじゃない^^」とチクリと言われるのが二重に面白い。
シズオと、シズオの親友・サラリーマンの宮田(生瀬勝久)、人生を模索し続ける若者(山田孝之)の生活が平行に描かれるのだが、その終着点が分からなかったのだが、
ああゆう結末に至り、私はちょいと感動したが、
シズオの人生は全く変わらず、現状が続くのだった・・・。
(2013/06/29)