☆・・・ま〜た、人の不幸話を嬉しそうに聞く俺の顔。
しかも、いろいろ忙しくて無精ヒゲ!
掃除の後で、ホコリ被ってます!
◆ ◆ ◆
とある女性常連客のK子さんが、金持ちと知り合い、トントン拍子で結婚に至りそう。
美味しいお店でのデート、風光明媚な場所への旅行、お互いの家族も紹介し、5000万の新居も立ちつつある。
ただ、その婚約者の男、 K子さんに、「お前の昔の男関係を知ってるだろうから、お前の昔からの行きつけの店には行かねー」と、うちの店には来ない。
俺は「へへーん、そんなヤツは、こっちから願い下げ、そんなヤツとの食事も旅行も羨ましくないわ〜!」と思うし、でも、これを機にK子さんは、うちの店から「卒業」し、主婦業に専念するのが、この K子さんの一番の幸せなんではなかろうかと達観していた。
旅立つKさんに、俺は距離を取るべきだった。
だ、が!
店でため息をついて悩むK子さん、話を聞くと、婚約者の暴言は日常茶飯事だが、最近、更に、暴力が加わり、頻発だとのこと。
暴力ってのは、振るう者にはクセになる。
「それは大変だねぇ」と心配のセリフだが、俺の目は輝く。
(そうこなくちゃ! 世の中そううまくはいかない!)
ビンタ、パンチ、回し蹴り!
あまりにも回し蹴りがうまく入り、味を占めた婚約者、回し蹴りトリプルアクセルにも挑戦!
K子さん、身体中にアザだらけ。
階段から落ちてたら、命さえ危うい(やや誇張してます、胡蝶しのぶ)。
俺は、K子さんに、最高の表情を向けた。
「おかえりなさい、K子さん…」
やっぱ、この人は、まだまだ我が店に必要なネタ提供人材だ。
しばらくして、K子さんが吐き捨てた名台詞、我が店の名言殿堂入り!
「シンデレラストーリーなんか、ないんだよ…ッ!(涙)」
(2022/02/10)