☆昨日から、何か喉に引っ掛かりがあるなと思っていて、今朝起きたら、喉が張れあがっていた。
熱はないので仕事は出来るが、身体の一部に支障があると、動きがおかしくなる。
◇
井沢元彦の『逆説の日本史 ⑯江戸名君編』、非常に興味深く読んでいる。
歴史を俯瞰するクールな視点だが、小説家であるので、非常に読みやすい。
一巻から読んでみようかなと思う。
ただ、私が恐れているのが、古代から書き続けられた、この作品が、近い将来に<ノモンハン事件>に辿りつくだろうという事だ。
私は、<ノモンハン事件>を、以下のブログでゆっくりと書き継いでいる。
わかりやすい「戦争」(クリック!)
でも、井沢元彦の後塵を拝した時、私の書くべきことがもうないような気がして怖いのだ。
◇
話し変わって、最近、私が読む本、読む本に楠木正成の名前が出てくるので、詳しくなってきたのだが、この井沢元彦の著作でも、その「忠臣」の意味が読み解かれている。
私の楠公像は、その内に語ることになる松浦光修皇學館大学教授の教えが基礎になっている。
松浦先生は、情熱的に、そして、淡々と、真っ当な人間としての楠木正成を論じている。
井沢元彦は、クールに、歴史の流れの中での楠木正成を、独自の理屈で語っている。
思想には、「情熱で踏み止まる者」と、「全体を見ようと努力する者」がいる。
だから、楠木正成の問題で、二つの観点が出来たことを私は喜ぶ。
しかし、もう一つ、「妄想・偏見を語る者」がいる。
井沢元彦は、今回の著書の中で、『太平記の世界―変革の時代を読む(永積安明,桜井好朗,上横手雅敬)』を批判するのだが、特に、以下の該当箇所を書いた上横手氏の文章に字数を費やす。
<「七生マデ同ジ人間二生レテ朝的ヲ滅サバヤ」と言うのは、今まで述べてきましたように、
七たび生まれ変わって朝敵を滅ぼし、世を乱し続けるという呪いと怨念の言葉なのである>
井沢氏は、原点を素直に読めば、けしてそんな「呪いと怨念」などと言う結論を出すことの出来ない楠木正成の生き方を提示し、この文章を書いた上横手氏に軽蔑を向ける。
私も、この井沢本に記された、『太平記の世界』の引用にはのけぞった。
私は、松浦先生の講演録から、武に長じた大忠臣・楠木正成の、このクライマックスのセリフが、
武に長じていただけでもなく、忠臣であっただけでもなく、「七生報国」と言う概念を熟知した博学知識人の楠木正成の言葉であったことを知っている。
よくもまあ、単純に、「呪いと怨念」などと決め付けてくれたものよ、と腹が立った。
なお、松浦先生の「楠木正成」論については、近日、記させて頂く。
(2009/01/12)
熱はないので仕事は出来るが、身体の一部に支障があると、動きがおかしくなる。
◇
井沢元彦の『逆説の日本史 ⑯江戸名君編』、非常に興味深く読んでいる。
歴史を俯瞰するクールな視点だが、小説家であるので、非常に読みやすい。
一巻から読んでみようかなと思う。
ただ、私が恐れているのが、古代から書き続けられた、この作品が、近い将来に<ノモンハン事件>に辿りつくだろうという事だ。
私は、<ノモンハン事件>を、以下のブログでゆっくりと書き継いでいる。
わかりやすい「戦争」(クリック!)
でも、井沢元彦の後塵を拝した時、私の書くべきことがもうないような気がして怖いのだ。
◇
話し変わって、最近、私が読む本、読む本に楠木正成の名前が出てくるので、詳しくなってきたのだが、この井沢元彦の著作でも、その「忠臣」の意味が読み解かれている。
私の楠公像は、その内に語ることになる松浦光修皇學館大学教授の教えが基礎になっている。
松浦先生は、情熱的に、そして、淡々と、真っ当な人間としての楠木正成を論じている。
井沢元彦は、クールに、歴史の流れの中での楠木正成を、独自の理屈で語っている。
思想には、「情熱で踏み止まる者」と、「全体を見ようと努力する者」がいる。
だから、楠木正成の問題で、二つの観点が出来たことを私は喜ぶ。
しかし、もう一つ、「妄想・偏見を語る者」がいる。
井沢元彦は、今回の著書の中で、『太平記の世界―変革の時代を読む(永積安明,桜井好朗,上横手雅敬)』を批判するのだが、特に、以下の該当箇所を書いた上横手氏の文章に字数を費やす。
<「七生マデ同ジ人間二生レテ朝的ヲ滅サバヤ」と言うのは、今まで述べてきましたように、
七たび生まれ変わって朝敵を滅ぼし、世を乱し続けるという呪いと怨念の言葉なのである>
井沢氏は、原点を素直に読めば、けしてそんな「呪いと怨念」などと言う結論を出すことの出来ない楠木正成の生き方を提示し、この文章を書いた上横手氏に軽蔑を向ける。
私も、この井沢本に記された、『太平記の世界』の引用にはのけぞった。
私は、松浦先生の講演録から、武に長じた大忠臣・楠木正成の、このクライマックスのセリフが、
武に長じていただけでもなく、忠臣であっただけでもなく、「七生報国」と言う概念を熟知した博学知識人の楠木正成の言葉であったことを知っている。
よくもまあ、単純に、「呪いと怨念」などと決め付けてくれたものよ、と腹が立った。
なお、松浦先生の「楠木正成」論については、近日、記させて頂く。
(2009/01/12)