『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[あけおめことよろ! (横道世之介、法政大学)]

2020-01-01 10:12:02 | 新・ふと思う

☆・・・やっぱ、たまにはドデカい本屋に行くものである。
 なんと!「横道世之介」の続編が出ていた(いや、2月に発売されていたらしい^_^;)。
 かつて、毎日新聞に連載されていたのを横目にしていた、それを映画化したものにノックアウトされた。
 自分の青春とリンクしていたからだ。
 なんとなく、新年に相応しいので、その映画版の感想を転載する。
 そう言えば、世之介の母校は法政で、私も法政、うちの常連には法政卒が多く、柴田さんもいるし、三日後に、タイヤメンが5人の法政卒で来店する予定だ(^O^)v

    ◇    ◇    ◇

《映画『横道世之介』を観た(試写会)》(13/02/05 22:46)

 ワーナーマイカルでの試写会が当たったので観て来ます。
 この作品の時代背景、私の青春と見事に重なっています。
 また、私は、主演の高良健吾のような容姿、そして、おそらく、作品で示される世之介のような性格の親友を、数年前に失っている。
 多分、泣いてしまうでしょう。
 ・・・観終えて帰宅したら、感想をこの後に続けます。
    ◇
 いい映画でした。
 今から四半世紀前に、都内の大学に入学し上京してきた、屈託ない若者の青春の輝きを、あますところなく伝えてくれる作品でした。
 ちょうど舞台設定が、私の学生の時期と重なり、また、主人公・横道世乃介が入学するのが法政大学だったので、私の人生とドンピシャでした。
 あの時代の、他の学校と比べても、特に変わっていた法政の雰囲気もよく出ていました。
 法政には「学館」と言う、生徒の自治が許されていたいかがわしい九龍城みたいな建物があり、そこには各種サークルがひしめいていて、その雰囲気も部分的に出ていましたね。
 私は、もちろん、世乃介のような純粋なタイプではなかったけど、他者との交流に、不器用ながらも躊躇なかった。
 世乃介の青春は、私の青春でもあった。
 原作が有名らしいが、この作品の原作を物語として成立させるのは難しいだろう。
 スジだけを追っても意味がなく、細やかな時代のギミックと、膨大な青春のギミックに彩られていることこそが肝であるので、それを文章で表わすのは可能であったのかと疑問に思う。
 構成は、私のフェバリットな作品の一つ、フランス映画『冬の旅(アニエス・ヴァルダ監督/サンドリーヌ・ボネール主演)』と同じ構成である。
 現在において不在の人物を、現在に生きる者たちが、その記憶を探る中で浮かび上がらせていくというものだ。
 この1985年の作品『冬の旅』は、私の人生を変えた一作でもあり、
 『横道世乃介』の原作もこの構成ならば、おそらく、作者は、『冬の旅』を観ているのではないだろうか。
 また、クライマックスでは、現在に生きる世乃介の彼女(吉高由里子)が、かつての彼氏の不在を思い、タクシーに揺られながら、その窓から、かつての自分たちが町行く姿を垣間見ると言う、現在と過去が交差するシーンがあるのだが、
 ここも、私のフェバリットな作品『トト・ザ・ヒーロー(1991年/ジャコ・ヴァン・ドルマル監督)』のクライマックスのシーンを髣髴とさせる。
 今、作者について調べたら、私と同じ年齢で、母校も同じだった。
 多分、同じものを見聞きした人生である。
 ただ、世乃介と同じく長崎から上京してきた作者と異なり、
 私は、東京都下で育ってきていた。
 だが、私には、二人の若者の親友がいた。
 一人は長崎出身で、外見が高良健吾と似ていた。
 やや恥ずかしがり屋であったが、最終的には、私のバカさ加減に打ち解けた。
 はにかみながら、「田舎では、『わい』『おい』などと、自分と相手を呼ぶんですよ」とか教えてくれた。
 もう一人は、北海道の小樽出身の若者で、その他者の生活へ屈託なく介入していく様と、天然な性格が世乃介そっくりだった。
 こいつは、数年前に死んでしまった。
 私の最後の親友だった。
 『横道世乃介』を観ることは、私にとって、青春をまさぐる経験でもあった。
 法政大学そのままの教室が舞台ともなっていた(冒頭の入学説明会のシーン)。
 私の童貞喪失の相手との関係は、この教室で、私が時間を聞いたことにはじまった。
 テストを早目に終えた私が教室を出ると、その子が、エレベーター待ちの踊り場に走りながら追いかけてきたのだ^^
 バイトの舞台のホテルは、京王プラザであろう。
 私、ずーっと皿洗いのバイトをしていたのだ。
 この映画は、その、世乃介のなんとも言えない「挙動不審」な動きも含め、私の青春を表わしている。
 世乃介は、どうやら、死んだらしい。
 私は生きている。
 「青春」てのは死んでおらず、どうやら、思い出してもらえるのを待っているらしい。
 描かれる25年前の町並みさえも、とても愛おしく、胸が、世乃介に、ギュギュギュッと押される思いだ・・・。
 登場人物の些細な言葉のやり取り一つ一つがリアルだ。
 世乃介が、彼女と、なんで別れることになったのかを考えると悲しくなる。
 高良健吾は、見事に、愛すべき役柄を演じていた。

                          (2013/02/05)


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