『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』を観た]

2009-12-19 22:22:45 | 物語の感想
☆一緒に観に行く予定だった甥に振られた私は(関連エントリー←クリック!)、フリーチケットもあったので、大人単身で乗り込んだ^^;

 この作品は、「ウルトラマン」シリーズを熟知している者が、練って作り上げた、なかなかに素晴らしい物語であった。

 M78星雲の「ウルトラの国」を舞台にして物語は描かれ、・・・つまり、テレビシリーズでは、神秘的な要素を持つ、ベールに包まれたヒーローの文化・文明・歴史・生活が描かれる。

 うん、私と同年代の者なら、内山まもるの傑作マンガ『ザ・ウルトラマン』を思い出してもらえば分かりやすいと思う。

 あれと同様に、市井のウルトラ族も描かれ、あたかも、内山マンガでの「ウルトラ28人衆」のような、危機に瀕しての切羽詰った状況も描かれる。

 先ず、悪のウルトラマン<ベリアル>が魅力的だった。

 造型が、ウルトラマンに似ているようでいて似ていなくもあり、ウルトラ種族のイメージを壊すようでいて、妙に作品にしっくりしているのである。 

 体つきも柔道家のようにいかつく、その立ち居振る舞いは荒木飛呂彦マンガのようであり、宮迫博之がノリノリで声をあてている。

 その強さがハンパじゃなく、次々にウルトラヒーローを打ち倒していく。

 それぞれのヒーローとの戦いも、延々とバトルが続くにもかかわらず、単調さはない。

 それは、それぞれのアクションが斬新なのではなく、それぞれのヒーロー自体が持っている魅力で見れるのかも知れない・・・。

 かつて主役を張ったウルトラ族は、マントを羽織っているのだが、それが似合っているんだよなあ。

 キングのマントのひるがえし方が格好良かった^^

 小泉元総理の声もいい!

 ゾフィーにはゾフィーの、タロウにはタロウの、80には80なりの見せ場がある。

 また、テレビ作品の記憶もないがしろにせず、ウルトラの父と母はタロウとちゃんと距離が近い。

 今回、ウルトラの母に、ウルトラの父が「ケン」と呼ばれていてびっくりしたよ^^(ちなみに、母は「マリー」!!)

 後で語るが、セブンにしごかれたレオが、セブンの息子を特訓しているのも、作り手のシリーズの熟知を物語っている。

 その特訓は、やはり、シリーズに則し、アストラとキングに見守られている。

 名もなきウルトラマンの顔にも個性があり、集団の中にアンドロメロスもいた!

 人間パートでは、メビウスを演じた若者が、ハヤタやモロボシ・ダンと行動を共にする。

 ハヤタ(黒部進)やモロボシ・ダン(森次晃嗣)の貫禄は、往年のファンへの懐古趣味ではなく、物語への圧倒的な説得力となっている。

 新ウルトラファンへの気配りも、顔見せではなくあり、「羞恥心(ウルトラマンダイナ=つるの剛士)」もおいしいトコで活躍していた。 

 昨今の軽快なウルトラアクションや、ゲームセンターで人気のカードゲーム「大怪獣バトル」の要素を見事に融合させてもいた。

 よくもまあ、多くの要素を詰め込みつつも、あくまでもバトル主体で派手な展開で進められたなあと感動した。

   ◇

 ウルトラマンレオは誠実な男なので、かつて、セブンに陰湿な訓練をほどこされてきたが、セブンの息子ゼロに対しては、そのお返しにシゴキを加えるようなことはない。

 しかし、現代的に生意気な若者・ゼロを、厳しく教育することは怠らない。

 そもそも、「レオ」が放送された時代は、『巨人の星』に代表される熱血作品がブームで、そのノリで、レオもセブンにしごかれたのだそうだ。

 ・・・『巨人の星』と言えば、<大リーグボール養成ギプス>が有名だが、

 今回のゼロは、まさに<大リーグボール養成ギプス>を着せられてレオに特訓を受けるのだ。

 私は、この作品の作り手の「ウルトラ思想」の深さに、感心しきりだ。

   ◇

 ベリアルに率いられ、100体超の怪獣が現われる。

 それら怪獣たちも、私にとっては、それぞれに記憶があるいとおしい者たちだ。

 だが、その特撮に重みがないのが気になった。

 「重み」とは比喩表現ではなく、個々の怪獣の重量感が描かれてないことを言う。

 ベリアルに「行けーっ!」と号令をかけられ、100体の怪獣が群れをなして移動するのだが、往年の大怪獣たちが小走りなのが興醒めだった。

 もっと、それぞれが、「ズシーン!」「ズシーン!」と大抑に移動してくれたらば雰囲気出たのになあ。

 私の好きな最強怪獣バードンが、決戦場に登場したゼロに瞬殺されたのは悲しかった^^;

 怪獣殿下ゴモラがあれだけ活躍したのに対し、怪獣番長レッドキングの扱いのぞんざいさも気に食わん!!

   ◇

 面白かったです^^v

                                     (2009/12/19)

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« [『ダム・ファッカー(みちの... | トップ | 次の記事へ »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
御二方へ♪ (ミッドナイト・蘭)
2009-12-21 03:44:31
ウルトラマンがいいのは、マンやセブンが現役の人気なことですね。

闘いがスピーディーでしたけど、その格闘の美しさが分かるように、もうちょいゆっくりならば良かったのですが・・・。

あれでは、CGの粗を隠しているようなイメージざんすね。

ウルトラその他大勢の中に、明らかに布のスーツを着ている者がいましたよ^^;


いや、安易にCG処理していないことが分かり、感動しました。
返信する
Unknown (tirusonia)
2009-12-20 08:13:25
トラバありがとうございます。ウルトラ銀河伝説はウルトラファンは元より、そうでない人も楽しめる作品になってるのが素晴らしいです。100体怪獣は怪獣墓場だけでなく、都市破壊シーンがあればもっと良かったけど。これだけ楽しめたんだから、それは贅沢な望みなのかも。
返信する
観てきましたか~ (KLY)
2009-12-20 01:12:47
やっぱり、蘭さんなら気に入ると思った。(笑)
最近のシリーズや大怪獣バトルはしらないけど、スンナリ入り込めるのは、ちゃんとオールドファンも大事に演出してるからなんですよね。
きっとお父さんと息子で見たら、多分息子は最近のことには詳しいんだけど、そこに「いや実はレオはな…」って話したりするんですよ、帰りのファミレスかなんかで。
バードンはゼロに瞬殺だったんだ。殆ど気付かなかった。(笑)
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

物語の感想」カテゴリの最新記事