仕事帰りに用事があったので、そのついでにカフェでお茶しながら村上春樹・柴田元幸共著の「翻訳夜話2・サリンジャー戦記」を読了しました。1年ぐらい前に「翻訳夜話」を読んで、この「サリンジャー戦記」の存在は知っていたのですが、行く先々の本屋さんを探し回ったにも拘らずどうしても見つけることができなくて、そのまま放置状態になっていました。ところが、日曜日に地元の本屋さんを何気なくぶらついていたら、いきなりこの本を発見し、さっそく購入して日曜日の午後から読み始めました。その本屋さんの新書コーナーもかなり必死にチェックしていたのですが、読みたいと思っていたときには見つからず、当てもなくぶらつくと見つかるのです。やっぱり、探し物というのは井上陽水の「夢の中へ」みたいなものだなぁと思いました。村上春樹がJ・D・サリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を翻訳した時に、翻訳をアシストした柴田元幸とこの小説について対談したものをまとめたのがこの本です。
村上春樹訳の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」も、その前の野崎孝訳の「ライ麦畑で捕まえて」も読んでいるはずなのですが、どちらも今ひとつ印象に残っていないというのが正直な感想です。特に、村上春樹訳のほうは「翻訳夜話」と前後して読んでいるので、時間としては1年経つか経たないかぐらいのはずです。村上春樹が訳した「グレート・ギャツビー」はものすごく印象に残っているので、サリンジャー自体がワタクシにはピンと来ていないということなのかもしれません。小説家としては作品を提供する以外のところでは寡黙な村上春樹ですが、翻訳家としては結構饒舌なのが面白いなぁと思います。この「サリンジャー戦記」も、J・D・サリンジャーという小説家のこと、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」という小説のことを楽しそうに話しているのが印象的です。相手が柴田元幸なのも、村上春樹を雄弁にしている要素なのかもしれません。この本が上梓された2003年当時は東大大学院助教授、今は教授になられた柴田元幸も、英文学者であるとともにすぐれた翻訳家でもあります。翻訳という共通の土台で楽しそうに話している2人を見ていると、食わず嫌いの英文学ももう少し読んでみようかと思わせてくれる本です。
村上春樹訳の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」も、その前の野崎孝訳の「ライ麦畑で捕まえて」も読んでいるはずなのですが、どちらも今ひとつ印象に残っていないというのが正直な感想です。特に、村上春樹訳のほうは「翻訳夜話」と前後して読んでいるので、時間としては1年経つか経たないかぐらいのはずです。村上春樹が訳した「グレート・ギャツビー」はものすごく印象に残っているので、サリンジャー自体がワタクシにはピンと来ていないということなのかもしれません。小説家としては作品を提供する以外のところでは寡黙な村上春樹ですが、翻訳家としては結構饒舌なのが面白いなぁと思います。この「サリンジャー戦記」も、J・D・サリンジャーという小説家のこと、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」という小説のことを楽しそうに話しているのが印象的です。相手が柴田元幸なのも、村上春樹を雄弁にしている要素なのかもしれません。この本が上梓された2003年当時は東大大学院助教授、今は教授になられた柴田元幸も、英文学者であるとともにすぐれた翻訳家でもあります。翻訳という共通の土台で楽しそうに話している2人を見ていると、食わず嫌いの英文学ももう少し読んでみようかと思わせてくれる本です。