午後零時、サイレンとともに1分間の黙祷・・私は炊き込みご飯の粒を手にいっぱいつけたまま黙祷。
第二次世界大戦で命を落とした約310万人の冥福を・・と聞いたとき胸にぐっときた。
様々な戦い『男たちの大和』や『硫黄島からの手紙』の映画を見たが、若くしてお国の為と
尊い命を捧げ戦った男たちの胸が張り裂けるような強烈な戦いのシーンが頭をよぎる。
震災で全壊し、被災者市営住宅で過ごされる一人暮らしの婦人を夫と訪問する。
婦人は愛する人が戦死、以来結婚することはなかった悲しい戦争の被害者である。
私の実家でも兄が戦死したので結婚していた母は家に戻り、姓を継ぎ父は養子と言う形になった。
夫を亡くし息子を亡くし戦争の爪あとは、残った人々の人生を様々な形で変えている。
先月来たときの約束で、これが一番いいと言う炊き込みご飯冷凍用に握って、おかずを炊いて。
作りながら思った。 私が母に手料理をなんて事はなかったし、これからも一生ないだろうなぁ、
兄嫁さんは料理の達人だけれど、一度くらい私の手料理食べさせてあげても良かったかもな。
母は後何年生きられるだろうか・・そう思うと、手料理ね・・何か分からない感情が込み上げた。
暑くて家でじっと座っていると言う、ひと月の間の積もった話を聞きながら時を過ごす。
中腰がしずらく座ると容易に立ち上がれなくなっている、前よりも。
近くのHAT神戸で待機の次女夫婦が迎えに来たのでお開きになった。
見送りる時、初めて杖をつくのを見た。 杖は嫌だと言っていたのにそうも言えなくなったのだろう。
なつめの「がんばってね、気をつけてね」愛らしいしぐさに一番の笑顔になられた。
帰りはもう夕ぐれていた。 いつも(元気でいて欲しい・・)祈るような気持ちで眺めながら帰る。