日々雑感 ~写真と思い~

今日と言う日は、二度と来ない。 
だから今日を大切に・・そんな私のデジカメ散歩 

* 旅立ちの日を思い出した・・これは・・? *

2018年05月09日 | 雑感

 

 

 NHKの朝ドラ【半分、青い。】を見ている方には分かるであろう。

 ヒロインの鈴愛(すずめ)が、高校を卒業し 憧れの漫画家さんの弟子になるべく東京へ旅立つ日。

 祖母や両親、親しい人や友人たちに見送られ、家を離れ東京へ向かう日の涙交じりのシーン。
 なんだか自分のその時を思い出し、胸がジーンとしてし涙して見た。

 姉が勤める京都の産婦人科病院へ看護婦になるべく旅立ちの朝、親友T美とU子が尾道の駅に出向かい
見送ってくれた。
 そしてなんと夫は友人3人を連れて合流、皆同級生なのでわいわい・・親との別れは寂しいものであったが・・。
 特急電車に乗るのが私一人なら、涙涙であったと思うが、夫は友人と一緒に京都まで私を送ってくれたのである。
  私を病院へ送り届け、友人と比叡山とか京都旅行して故郷へ帰ったのだった。

 夫は中学時代から卓球をしていて、高校もキャプテン、因島高校での試合など夫の友人と見に行ったりした。
 必勝と刺繍した布でハチマキを作ってくれと言われ、縫った紫のハチマキは今もある。
 「自分の次に大切なのは、このラケットだ」と学生時代言っていた。 
 車中、赤と黒のラケットケースに自分が使っていたシェイクハンドのラケットを入れ、私にくれた。 
 (え・・自分の次に大事だと言っていたのに・・それって・・告白?)
 
 お付き合いはしていたものの、今思うと高校出たくらいで就職先まで彼女を見送るかなぁ、その行動を嬉しくもあり驚いた。
 だから寂しさとか言うよりも、嬉しかったのが故郷を離れる私の旅立ちであった。 
 
 高校の時だった。 夫が家に来るたび、「きれいな交際をしてね」と母は夫に言った。 苦笑いする夫、正直恥ずかしかった。
 それは暗黙で、純粋なお付き合いをしてよと女の子を持つ母親なら誰しもが願う事なのだけれど。
 だからそれから結婚するまでの5年間、プラトニックなお付き合いだった。 
 手を握ることさえちゅうちょしてしまいそうなほどの、私たちは純情を絵に描いた様なお付き合いだった。
 (高校3年の時、そんな純情なお付き合いをもじり原稿用紙50枚ほどの小説を書いた)

 結婚して夫に「なんでやったん?」って聞いたら「本当に大切な女には、手は出せんよ。 ましてやお母さんに言われた言葉が
いつも頭にあったから」と言った。
 私はどちらかと言えば夢見る夢子ロマンチック派、仕事で辛かったり泣きたい時、慰めて欲しい・・そう思うことが何度もあったのに。

 そんな二人に、笑い話のような出来事があった。
 夫は結婚2年前くらいから、神戸の社長宅から大阪の会社の商品兼住宅の二階建ての家に一人住むようになった。
 
 冬のある日曜、京都から夫の住まいに遊びに行ったとき、声をかけると「ちょっと待ってよ、変な気をおこしたらいかんから
布団ベランダに干すわい」らしいなぁと感心した。 
 夫が寝ていた奥の6畳の部屋にTVが置いてあって、壁にもたれた夫の前には電気ストーブが置いてあった。 寒い日だった。
 その横に部屋を二分するように、私が夫の誕生日に買ったテーブルが置いてあった。
 そのテーブルをはさんで私は壁を背に座っていた。 着ていた黒のロングコートを布団の様にかけていた。

 (自分だけストーブにあたって・・寒そうにしてるんやから、こっちへ来いといってくれたらいいのに)
そう思いながら半分寒そうに装った。

 「寒いんか・・」「ふん」(こっちへ来いって言ってくれる!)そう思って期待した、胸がドキドキしてきた。
 「ほい、これやるわ」テーブルをはさんで自分のまえにあったストーブを、ひょいと私の前に置いたのである。
 「ありがとう」とは言ったけど、唖然とした。 (え~!? 何それ) がっかり・・。
 (そうそう純粋なお付き合い)苦笑いしながら冷静になった。 
 でも、もし夫が・・「こっちへ来てすわりぃ」言っていたら・・。  
 
 もう遠い過去の笑い話である。 夫は覚えているだろうか、覚えていないであろう。

 今思えば、それは私を大切に思っていてくれていたこと、母の言葉を忘れず守ろうと心がけてくれたこと。 
 夫だって男、私と同じように・・きっと・・そんな思いもあったと思う、何度も。 
 今の時代なら考えられないであろう。 一緒に暮らして、具合よければ結婚するとか・・と違って。

 ドラマから思い出した一コマ、私・・やぱりもっと夫に感謝しなさいと言うことなのかな。
 子供たちにはこの話、したことはないかなぁ。
 (お母さんたちこんなことがあったんや・・) 笑いながら、遠い未来には読んでくれるかな。
 
 いい人だ・・やっぱり。