早朝3時頃から目覚めたりすると夫は、YouTubeで音楽をかけている。 おもにフォークを。
イヤホンつけたままの時もあるが4時頃だとイヤホン抜いている。 昼間中々できない早朝が私時間。
TVから流れる歌を聴きながらPCの前に座っている。
夫は聴くのかと思うが寝ている、寝息なのかいびきなのか。 それも聞きながら懐かしいフォークを聴く。
寝ながらイヤホンをつけたままの夫は青春時代を過ごした、あるいは子育て時代のあの頃に戻り、
自分の人生を振り返っているのだろうか。 楽しんでいるのだろうか、楽しめているのだろうか。
中1で知り合って、結婚して49年。 60年・・そんな長きを生きて思い出を共有していることになる。
イヤホン抜いていると歌が流れる。 時々口ずさむ。 もう今は下手でも「歌うな」は言わない。
その曲々に思い出があったりして次々と甦る。
静けさ、いや静かではない、合いの手のようないびきに今の夫への思いが重なって・・神田川やなごり雪
夫の好きな宗右衛門町ブルース・・ふっくらの夫の日焼けした笑顔を思い出し、涙がでてくる。
適当に目覚めて「イヤホンはずして」「はい」2人で聴きながら過ごす朝、夫の優しいを思う。
5時46分、家にいればNHKを見ながら黙とうを捧げるのに、今朝はフォークにとられてしまった。
震災の朝、震度5の揺れに夫がとっさに宮付の整理ダンスを抑え倒れずガラスが割れず、寝てた娘も
下敷きにならずにすんだ。 その年は思い出が多すぎる。
あの時高速道路の崩壊や長田が燃えている画像には衝撃で震えた。
震災後の日々、被災者の方々の様子をTVで見ながら、人々の譲り合い支え合い助け合う姿、尊いくらい
美しいとこちらまで心が洗われる気がした。 神戸だったから・・人の絆の美しさが見えた気がした。
「生姜湯もらおうか」「はい!」 さぁ、一日が始まる。 湯沸かしポットのスイッチを押した。
「前みたいに無呼吸違うよ、安心する」「痩せたからや」即効言った。 よけいなことを言ってしまった。