パンフレットなどでは必ず、倉敷川の柳の並木と浮かんだ小船はお決まりの風景である。
倉敷編と言っても、ゆっくりと楽しんだ訳ではない。
せっかくの旅なので倉敷へ泊まり、翌日瀬戸大橋で四国へ渡り美味しいおうどんを食べようかと、
長女夫婦の思惑で、次女となつめもそれに同行することになった。
「母さんも一緒に行こうよ」と誘われたし、夫も「一人で帰るから一緒に楽しんで来いや」
が、月曜仕事に行く夫や展君をおいて、それに先日「地下鉄でちょっと目をつむったら大阪港まで行った」
夫からそんな話を聞いたばかり、手放しで楽しむ気になれないし、私側の結婚式に来て貰ったんだし。
ならば新幹線に乗るまで倉敷の美観地区を少しでも・・と言う子供たちの厚意に甘えた。
娘たちはホテルのチェックインを済ませ、早く早く~・・もう時刻は6時30分を過ぎているし。
軒を連ねる白壁の町並みは落ちついていて独特な倉敷を象徴する風情、大好きだ。
堀にかかる橋を渡りながら、楽しみたい!でも時間が・・早足で歩くが日の落ちるのは早い。
結婚式では1700枚もの撮影、カメラマンでお疲れのセイ君だが、精力的にみんなをパシャパシャ。
なつめは自由になったものだから「自分で歩く~」と息揚々、道は堀沿いなのであぶない、あぶない!
時計を気にしながら、夕食は因島で食べそこねたセイ君リクエスト”広島お好み焼き”に決まり!
芸能人のサインなどもあり、ご夫婦がやっているお店、美味しかった。
マヨネーズはお好みで、うまくかけられなかった~。
急いで来た道へ戻る、もう真っ暗。 倉敷は小学校の修学旅行で来て以来である。
白壁の町、大原美術館は記憶があり、お土産に『根性』と書いてある比較的大きな額を買い、
結婚するまでは、自分に言い聞かせる為か飾っていた事をとても懐かしく思い出す。
頼りない親たちから、新幹線に乗るように手配までしないと・・ って倉敷の駅へ。
駅から見えるチボリ公園はライトアップされていて美しかったが、電車・・時間が無い!
岡山から8時50分の新幹線に乗る、20年以上も乗っていないのでは・・。
指定の禁煙車は無理で喫煙車、それでも席は通路をはさんで座る(嫌だなぁ)
夫は5年前まで平気でタバコを吸っていたけれど、今や喫煙車の匂いさえきつく気分が悪くなりそう。
辛抱しながら、挙式や披露宴を思い出し駅を数えていたが10時40分には新大阪へ到着やれやれ。
「良かったなぁ、結婚式も倉敷も。 自分が地下鉄でこんなに歩いたのは初めてや、信じられへん」
娘たちが少しの時間でも倉敷を・・その思い私たちは充分に満足である。
地下鉄に乗り換え家へ着いたら11時、北京五輪の閉会式のフィナーレが映し出されていた。
あ・・良かった、不思議なほどに夫が歩けること、一緒に倉敷も地下鉄も歩けた事が何よりも。
29日記