吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

マーラー『交響曲第3番ニ短調』第4楽章の衝撃

2017-11-20 13:00:00 | 洋楽邦楽を問わず音楽はイイ
 その時はカルイ気持ちで『TVでクラシックなぞ聴こうか』と思って何気なく流れる曲に耳を傾けていたのですが、ふと字幕を見てビックリ、歌われていたのは何と、ニーチェ『ツァラトゥストラ』の一節ではありませんか!

 おお人間よ気をつけよ
 深い暗闇は何を語るか
 世界は深い
 夜は昼が考えたよりも深い


 おお、さすがマーラー!天才は天才を知る。


 グスタフ・マーラー(1860-1911)

 これに続く合唱は当然『神は死んだ!』しかありえない!
 私の期待は最高に高まった・・・が、合唱が始まり、続いて表示された字幕に私は『どっひゃあああ!』と思いきりズッこけたのだった。その歌詞とは・・・。

 ペテロの罪は晴れた

 
 ええっ!マーラーってば歴史的名著『ツァラトゥストラ』酔歌の一節を、ただ単に夜の深さを表すためにだけ使ったのぉ!続く歌詞で神を肯定してるじゃない!

 註)ペテロの罪とはイエスがペテロに向かって予言した『あなたは雄鶏が鳴くまでに3度イエスのことを「知らない」と言うだろう』です(そして、その通りになった)。


 天才のやることは分からん。私は首を振りながらテレビの画面を茫然と見続けたのだった。

 機会があれば、字幕付き放送で聴いてみてください(さあ、あなたも思いきりズッこけよう!)。