NHKの大河ドラマが全く詰まらなくなってしまいました。
そりゃそうでしょう、時代劇の一大スペクタクルを期待して観たら、中身は家族ドラマで『渡る世間は鬼ばかり』と変わらない内容なンですから。そんなもの改めて観る気にもなりません。
で、海外ドラマの方が余程面白いのです。
今回ご紹介するのは『レ・ミゼラブル』・・・ヴィクトル・ユゴーの大作です。
※BBC製作の海外ドラマ『レ・ミゼラブル』左からジャン・バルジャン、ファンティーヌ、コゼット、ジャベール
中身は改めて紹介するまでもないでしょう。BBCが製作しただけあって力の入った作品になっています。
原作に忠実な作りなのですが、登場人物同志に新しい関係を追加していて、よく知っているヒトなら『ああ、ここが変えてある!』と脚本での変更部分を見つけて楽しむことができる造りになっています。
例えば、ジャン・バルジャンが故意にプティ・ジェルベの40スーを奪い取るとか、ガブローシュがテナルディエの養子になっている、ファンティーヌを看取った修道女がジャン・バルジャンの窮地を助ける、というような点です(↓脚註参照)。
※ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』画面右側で二丁拳銃を振り回しているのがガブローシュ少年
ジャベール警部は黒人の役者さんで、これは史実には反しますが、最近は白色人種だけで配役を行うのはご法度だそうで、致し方ない改変です。まあ『ジャベールは色黒なヒトである』と思って観ましょうネ。
映像がまことに美しいので、これを観ているだけでも癒されます。
いま、オススメのドラマです。
<関連記事>
鹿島茂『レ・ミゼラブル百六景』株式会社文藝春秋(1987年6月15日第1刷)
(※脚註)原作では、たまたまプティ・ジェルベの40スー貨を踏んづけて気づかず追い払ってしまう、ガブローシュはパリの浮浪児、ジャン・バルジャンの窮地を助けるのはフォーシュルヴァン老人、ですネ。