吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

野村萬斎主演『花戦さ(はないくさ)』2017年東映

2017-06-06 22:56:00 | 映画・ドラマを観て考えよう
 『先天性相貌失認(いわゆる失顔症)というハンデを負いながら池坊の執行となった初代専好が、花を活けることで秀吉の頑なな心に斬り込み、美におけるダイバーシティ(多様性)を認めさせる』簡単に言えばそのようなお話。



 期待して観に行ったのですが、ストーリーそのものは『ありきたり』の域を出ない。

 『花で戦(いくさ)をする』というのだから、もっと奇想天外な戦略を展開するストーリーを期待したのだが、行ったのは前田家で活けた『大砂物』という大作、これ一品のみ。

 これを観に来た秀吉に『どの花がお好きでしょうか?』と問い、その答えから『世界にひとつだけの花』的な結論を引き出させる、ただそれだけの話に127分掛けるだけの価値があるのかどうか、意見の分かれるところでしょう。

 ただ、今回の見どころは流石に池坊が全面協力しただけのことはあって、見事な立花の作品を立て続けに観ることができます。

 そして大作の『大砂物』・・・自然の枝を使うんじゃなくて、枝にホゾを切って組み込むことで見事な枝ぶりを作り上げる・・・ここまでやるともうオブジェです(水上げなんか無視してます!)・・・・ええ、もはや宮大工の仕事ですとも。

 この枝組みのワザが物語のオチとなってるんですが、これはまた『言わぬが花』です。

 そして原作とは異なるラストは・・・これは池坊専好の白昼夢と思えばよいのでしょう。CGで彩ってますからね。

 映画ではなく、池坊の立花を観に行くつもりならイイんじゃないですか?


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは。 (なずな)
2017-06-07 00:54:59
観に行こうかな~?
どうしようかな~?
と、思っていましたが、
DVDが出てからレンタルすることにします(笑)
返信する
レンタルする前にどうぞ。 (管理人)
2017-06-07 10:35:46
勅使河原 宏監督『利休』(1989年松竹)
同じテーマを論じても、こちらの方が見応えがあります。千利休を演じるのは三國連太郎(『花戦さ』で利休を演じた佐藤浩市の父親)です。三國連太郎の『利休』を観てしまうと佐藤浩市は”まだまだ”です。
あと、古田織部を描いた『へうげもの』は、アニメまたはコミックで押さえておきたいところです。
返信する
こんにちは (楽母)
2017-06-08 16:22:30
TBありがとうございました。
おっしゃる通り、豪華キャストの割に話自体は平凡でしたよね。
ラストの蓮の出現からCGの場面って必要かなぁ?と思いながらもジモティーということでロケ地には興味津々で見ていました(笑)
また、面白い映画などありましたら教えてくださいね。
返信する
コメントありがとうございます。 (管理人)
2017-06-09 10:00:16
蓮の父親である"むじんさい(無尽斎?)"の話は長谷川等伯がモデルでしょうか?

史実では逆に息子が(狩野派に?)殺されてしまうのですが・・・・。

ところで長谷川等伯って、松林図屏風以外の作品は結構ゲテものが多いと思いませんか?
返信する

コメントを投稿