あの名作『君よ憤怒の河を渉れ』のリメイク、ということで期待して観に行った。
※左から福山雅治, ジョン・ウー監督, チャン・ハンユー(チャン・ハンユーはもう少しタッパが欲しい!)
映画『マンハント』予告
冒頭から『ド演歌』が流れる(なぜか地方の港町っぽい)場末の小料理屋の暖簾をくぐる主人公チャン・ハンユー。
着物を着た女将たちが『イラッシィマセ』とカタコトっぽい日本語で迎える、をいをい和服の着付けがダメだろっ!もっと衿を抜いて着なくちゃ・・・と、よく見れば、おお!ポドチョンの茶母(タモ)ではないか!『チェオクの剣』で主人公を演じたハ・ジウォンが女将とくればタダ者であるハズがない。案の定、店にはヤクザたちが集まって『酒を出せ!』と騒ぎ始める・・・チャン・ハンユーを外に出すとハ・ジウォンは相方のアンジェルス・ウーと一緒に両手にサイレンサー付きの二丁拳銃で撃ちまくりヤクザを皆殺しに!
※ハ・ジウォン(松たか子に似てる!)・・・今回はナゾの殺し屋役
ああ、出だしからして銃撃戦。もはや日本は法治国家ではなくなったのだ。しかしこの意外性は楽しい。それで女将はカタコトだったのか(本物は納屋で縛られていた)とかナットクのいく種明かしです。これで主人公が小料理屋に戻って大量殺人の重要参考人に!?って思うところですが、これは単に主人公と女殺し屋との最初の出会いというエピソードで片付けられてしまいます。んーそれはナイだろっ!
で、話は切り替わって製薬会社『天神製薬』のセレモニーで、主人公チャン・ハンユーがそこの顧問弁護士と紹介され、台本通りにハメられる。
この辺りは『君よ憤怒の河を渉れ』よりも大人気TVシリーズ『逃亡者(後にハリソン・フォード主演で映画化)』を思わせる展開です。
※『逃げる主人公』左からチャン・ハンユー, 高倉健, ハリソン・フォード
逃亡するチャン・ハンユーを追う刑事が福山雅治。このヒト、俳優としてもナカナカの演技でこれは似合ってる。
※『追い詰める刑事』左から福山雅治, 原田芳雄, トミー・リー・ジョーンズ
ただ、ストーりーの繋がりが悪くて・・・『君よ憤怒の河を渉れ』では高倉健が北海道に飛んで中野良子と知り合いセスナを借りて東京に戻るまでが事件を追ううちに無理なく繋がっていたのだが、今回は「兎に角ひたすら逃亡していたら敵や警察が執拗に追ってくる」という展開で偶然の要素が強すぎます。これじゃ絶対に逃げきれないでしょう。映画でなければ許されない展開の連続です。アクション・シーンはイイのですが無理矢理繋げた感は否めませんなあ。
※チー・ウェイと中野良子・・・髪型まで似せたのかっ!?
見どころは水都大阪を縦横無尽に駆け抜けるジェットスキーを使ったチェイス、牧場を襲う製薬会社の刺客(ハ・ジウォン&アンジェルス・ウー)たちが見せるバイクアクション、この2つです。
あと、ジョン・ウーの映画に付き物の『子供・鳩・教会・二丁拳銃』はどこで登場するかを見るのが楽しい、期待に応えてくれます。
で、ツッコミ所は満載です。
なぜ大阪城に岸和田のだんじりが?(しかも黒幕の会長がだんじりに乗ってる!)とか、企業に雇われているガードマン風情がなぜあんなに凶悪なのか?とか、極秘開発って?これくらいの薬でそんなに騒ぐことないだろっ!とか、ラストの別れのシーンで田舎のローカル駅が使われるけど、こりゃ一体何処なんだ?とか(天神製薬の本社って東京でも大阪でもなく、長野とか那須あたりの話?・・・まるで犬神製薬!)。
あと、せっかく最初に大阪を舞台にしたのに関西弁ネイティブが一人も出演しなかったところが残念。
私の希望では、斎藤工が演じた情けないテロ犯人役は「ほっしゃん」に、ハ・ジォンが演じた殺し屋を「尾野真千子」あたりにやっていただきたかった。
ジョン・ウー監督にワタシ的にオススメしたいキャストその1
※情けないテロ犯役の斎藤工の代わりにワタシ的に推薦したいほっしゃん
(ほっしゃんはこの映画に出演していません。念のため)
ジョン・ウー監督にワタシ的にオススメしたいキャストその2
※美しいハ・ジウォンの代わりにワタシ的に推薦したいド迫力の尾野真千子
(尾野真千子はこの映画に出演していません。念のため)
尾野真千子ならバリバリ河内弁で「おどりゃー!往生せいや!」とかド迫力でやって戴けたことと思いますが・・・いや、それでは別の映画になってしまうか?
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チェックしてました。
モバちゃんのネタバレで さらに興味が湧いて来た〜
ジョン・ウーは 綺麗な銃撃 格闘シーンを撮りますよね。
ネタバレで 興味を湧かせる 技がすごいな。
全編に亘って、ジョン・ウーのスローモーションを多用したアクションが冴えてます。主演のチャン・ハンユーはもう少し上背があるとイイんですが(ちょっとズングリで「おっさん」な感じ)、とても弁護士には見えませんなー。
変なシーンもいっぱいで
それはそれでまた楽しめました。
ジョン・ウーの映画に付き物も
きっちり入っていました。
白鳩だけの鳩小屋って、
あるのかな?
ド迫力の尾野真千子、おもしろすぎです。
おもしろい映画、紹介して下さってありがとうございました
あの鳩小屋はもう画面の隅にチラッと見えた瞬間から『ヤるだろうな~、いやきっとヤるに違いない。絶対ヤる!』と思いましたよね~。車が蛇行した時には『ええい!ヤれ!ヤれ!早くヤらんか!』と(いったいナニに期待しているンだか・・・)。とうとうヤったら『あ~、やっぱりヤったか!?やっぱコレが無いとな~』・・・ファン心理を巧みにくすぐられました。
コメントありがとうございました
やっぱジョン・ウーは鳩でしょう
後はストップモーションのアクション
所謂ジョン・ウー節炸裂の映画に日本はよく似合う
演歌、着物、日本刀いずれもちゃんと映画に取り入れてくれてました