しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

修学旅行の「汁かけ」

2021年10月30日 | 食べもの

高校のとき、修学旅行の旅館での朝食。
畳の大広間に何十人もの男女の高校生がべべちゃんこに座った。
全員の前に、お膳が据えてあった。
お膳には単純な料理が並んでいた。

番頭さんか、女中さんかが
「おしんこは、・・・・」
「おみおつけは、・・・・」と言った、・・・・が。

おしんこも、おみおつけも無かった。
しかし、話を聞いていると、どうも、
「おしんこ」とは「こうこ」のことであるようで、
「おみおつけ」とは「味噌汁」を言っているようだった。
心の中で、静かに、遅ればせながら、「おしんこ」と「おみおつけ」の意味を知りました。

食事が始まった。
私は家では、毎朝「汁かけ」を食べていた。
それは父の真似だった。
父は兵隊のときの名残か、時間倹約のためか、「早飯」が習慣だった。

だが、大広間の高校生は誰一人、汁かけをしなかった。
それを前に、横に見ながら、「汁かけ」はしてはいけないと理解した。
前の人、横の人を、ちらっと見ながら、しんちょうに「おみおつけ」を食べた。

「こうこ」は、パリッ、カリッと音を出しながら食べるのが旨かった。
しかし、
修学旅行の同級生の誰一人、音を出して食わない。
音を出して食べるのは悪いことのように感じた。
それで、歯に挟むようにして、音のしないようにして「おしんこ」を食べた。

それにしても、
なんでまた、
修学旅行の想い出が「こうこ」と「みそ汁」なんだろう?





(修学旅行で東京へ行った)


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