場所・岡山県井原市七日市町
訪問日・2024年4月7日
岡山県を代表する桜の名所のひとつ、「井原堤」(いばらづつみ)。
その井原堤から西へ進むと井領堂がある。
(井原堤)
江戸時代にはこの辺り、「スネコスリ」というお化けが出て
街道を通行する旅人を困らせそうだ。
「ふるさと探訪 出部の史跡」 いずえ地区まちおこし協議会 平成30年発行
いろんどう
井領堂(大師堂)
井領堂は、旧山陽道沿いの七日市町西の字井領 (現アクティブライフ井原東側)に建てられた辻堂で、
写真右側に「南無阿弥陀佛」と彫られた名号碑に「宝暦十一年(1761) 己 天三月吉祥日 施主 藤代幸左衛門」
と刻されており、江戸時代の中頃には建立されていたことがわかる。
当時の井領堂は田の脇の寂しい所で、夜には「スネコスリ」という犬の形をした化け物が出て、
通行人のすねをこすると、とたんに通行人は歩けなくなったという、言い伝えが残されている。
岸加四郎氏 (井原の辻堂著者)によると、江戸時代 の辻堂は信仰の場というより旅人の休憩所であり、
地区民の集会所の意味合いが強かった。
小さな石仏は旅の安全祈願のため地元民がお堂のそばに祀っていた。
しかし明治以降、交通の発達に伴い辻堂は休憩所の機能を失い、
代わって堂内に仏像を祀る信仰の場に転化していったという。
現在の井領堂は、大正6(1917)年3月に齋藤金太郎氏により再建された。
(井領堂)