SAM MOORE / OVERNIGHT SENSATIONAL
東京国際フォーラムで開催された東京JAZZ2008。最終日8月31日の鑑賞日記。ちなみに昼の部しか観てません。テーマは『TOKYO JAZZ 2008 meets BLUE NOTE TOKYO』。でも何故かソウル・デイと化した面子にウハウハでした。(正確な時間は覚えていませんので、オフィシャル・サイトのタイムテーブル通りの時間を記載しています。概ね時間通りだったと思いますけど。)
昨日同様11時過ぎに国際フォーラムに到着。
11:45~アリスター・スペンス・トリオ
ネオ屋台村特設ステージ。シュラスコと言うブラジルのバーベキューを食べながら。ご飯の上に焼いた牛肉が載ってるんですけど、結構沢山乗ってて大満足。もちろん味も良かったです。フェス気分満喫。そして本会場のホールAへ向かう。
12:15~セク・ケイタSKQ
ホールA内ロビーにてウェルカム・ステージ。これが良かった! コラ、パーカッション、ヴォーカルのアフリカ組みに、ウッド・ベースとヴァイオリンが入る変り種バンド。アフリカmeetsドーグ・ミュージックと言ったら誉めすぎかもしれませんが、異人種、異ジャンルの混合音楽はかなり刺激的でした。コラの演奏を間近で見れたのも初めてで、美しい音色に聴き入りました。
13:00~ロベン・フォード
いよいよ本編スタート。気になるギタリストではありますが、ライヴを観るのは初めて。ここまでブルース・ロック路線だとは驚きました。しかし熱くディープになりすぎず、爽やかさを留めているところがフュージョン的ですかね ?個人的にはそこが少々もどかしかったり。「Riley B. King」は凄く良かったです。終演後ロビーに張り出されたセット・リストはこんな感じ。
1.Lateral Climb
2.Indianola
3.Supernatural
4.Riley B. King
5.Cannonball Shuffle
6.There'll Never Be Another You
7.Peace on My Mind
8.Luvin Cup
14:10~サム・ムーア
素晴らしかったです! 完璧なソウル・ショー。女性コーラス隊とブラス・セクションを含んだバック・バンドの演奏も最高! ソウルの温かさというか、リズムがふくよかなんですよ。サム・ムーアの歌声もキレと深みが合ってまだまだ現役。これがソウルだ! という貫禄のステージでした。このレポ、ちょっと長くなります。ご勘弁を。
1曲目は「Peter Gun」。ブルース・ブラザーズでも有名なインスト曲ですね。続いてサム&デイヴの代表曲「Hold On, I'm Coming」。この曲でサム・ムーアがゆっくりと登場。
そしてエディ・フロイドの「Knock On Wood」では女性コーラスのブレンダ・ヴォーンとデュエット。この女性は日本で活躍している黒人ソウル・シンガーで、私も一度ライヴを観に行きたいと思っていた人だけに、ここで歌が聴けたのは嬉しかったです。
次の曲はジミヘンで有名な「Them Changes」。バディ・マイルスの曲ですね。結構意外な選曲かな? 続く「I Can't Stand The Rain」はアン・ピーブルズがハイから出した大ヒット曲。前半は女性コーラス隊をフューチャーしていましたが、終盤でサムはマイクから離れ地声で熱唱。70超えてるとはとても思えない、ハリのあるハイトーンがホールにこだましました。
それにしてもサム・ムーアの声は凄いです。ソウル・レジェンドと呼ぶに相応しい貫禄の響きです。もちろん全盛期に比べれべ衰えているでしょう。ですがそこにはサザン・ソウルの全盛期を築き上げた誇りと、これまで歌い続けてきた深い年輪がしっかりと刻み込まれているのです。彼にしか成し得ないソウル。流石は“ソウル・マン”なのです。
ゴツゴツとした腰にくるリズムが心地よいサム&デイヴの「You Don't Know Like I Know」。これぞスタックスですよ! そしてベン・E・キングの「Don't Play That Song」。これはサムの06年の最新作「OVERNIGHT SENSATIONAL」に収録されていた曲。バック・コーラスのキャロウェイとのデュエット。このキュートな女性は2年前のブルーノート公演でもコーラスを務め、やっぱりこの曲をサムとデュエットしていましたね。なんかおじいちゃんと孫娘みたいな感じで微笑ましかったです。
そしてこの日のハイライトとなる1曲、「I Stand Accused」。ジェリー・バトラーがオリジナルの名バラードです。選曲が渋いですね。敢えて「Something Is Wrong With My Baby」を外してこの曲を歌った真意は良くわかりませんが、極上の出来映えでした。やっぱりサム・ムーアは素晴らしい。
スロー・ナンバーでソウルの真髄を見せた後は自信の代表曲、サム&デイヴの「Soul Sister Brown Sugar」で盛り上がる。続いて「Standing On The Shakey Ground」。耳なじみのある曲なのですが、何の曲だか分からず…。帰宅後調べたところテンプテーションズですか? これも意外な選曲。
終盤は凄い! オーティス・レディングの「I Can't Turn You Loose」ではサムの合図で観客は総立ち。あのホーンリフが始まると同時に爆発するかのごとく盛り上がる観客。これぞサザン・ソウル。最後はサム&デイヴの2連発! 「I Thank You」~「Soul Man」で締め。「Soul Man」のホーンリフが始まった時は泣きそうになりましたね。ブルーノートのようなクラブではなく、国際フォーラムという大ホールで、70歳を超えたサム・ムーアをみんなが総立ちで楽しんでる図はかなり感動的でした。それもこれも本物のソウル・マンだからこそ!
それにしても完成度の高いショーでした。サム&デイヴ時代の黄金のヒット曲はもちろん、オーティス・レディングやエディ・フロイドというスタックス時代の戦友や、メンフィスのもう一方の雄、ハイレーベルのヒット曲を交えた、サザン・ソウル・レヴュー。そこにバディ・マイルズやテンプテーションズのナンバーが絡み、その全ての曲がサム・ムーアとバンドによって新たな色彩を加えられ、サム・ムーアー・レヴューとして完成されたような。天晴れでした!
ちなみに終演後ロビーに貼り出されたセット・リストはこんな感じ。
01. Peter Gun
02. Hold On, I'm Coming
03. Knock On Wood
04. Them Changes
05. I Can't Stand he Rain
06. You Don't Know Like I Know
07. Don't Play That Song
08. I Stand Accused
09. Soul Sister Brown Sugar
10. Standing On The Shakey Ground
11. Mr. Pitful
12. I Can't Turn You Loose
13. I Thank You
14. Soul Man
ですが、実はリストに修正が入ってるんです。本当はあと3曲多かったのですが消されてるんです。それは12と13の間に「Something Is Wrong With My Baby」、そしてアンコールに「I've Got News For You」と「You Are So Beautiful」。え~!この3曲、超聴きたかったんですけど~! 「Something Is Wrong With My Baby」と「You Are So Beautiful」は2年前のブルーノート公演で私が最も感動した曲ですし、「I've Got News For You」はデヴィッド・サンボーンの新作で共演した曲ですから、サンボーンの飛び入りが予定されてたんじゃないんですか~??? 何故アンコールやらなかったんでしょう? あ~、このリスト見なければ良かった…。
さて、日記に戻ります。
15:30~スライ & ザ・ファミリー・ストーン
これは先日既に書いたので、詳しく書きませんが、スライはスライでした!
さて、サム・ムーアの感動とスライ・ストーンの毒気が抜ききれないまま、私の東京JAZZ本編は終了です。後ろ髪引かれながらホールAを後にし、ネオ屋台村へ。夏の終わりを感じながら悪あがきのようにライヴを観ました。
16:45~セク・ケイタSKQ
先程、ロビーでライヴをしていたバンド。今度はギャラリーもかなり集まっていて、かなり盛り上がっていました。バンドもノリノリで凄く良いライブでした。やっぱりコラって良い音色しますね。
17:45~FUYU 真っ昼間の宇宙
日野JINO賢二さんのブリブリなベースが格好良かったです。
19:00~オマール・ゲンデファル
崇高なジャンベの音が天高く響き渡り、私の夏が終わりました。
初めて体験した東京JAZZ。かなり楽しかったです。1アクトの演奏時間が短いのがたまに傷ですがそれも仕方ないですかね。来年も刺激的なメンツを集めていただきたいものです。ちなみにアンケートにはアレサ・フランクリンと書いておきました…。
とりあえず、今年私が観た中でのベスト5です。
1位:リシャール・ガリアーノ & ザ・タンガリア・カルテット
1位:ミシェル・カミロ・トリオ
3位:サム・ムーア
4位:スライ & ザ・ファミリー・ストーン
5位:ハンク・ジョーンズ & ロン・カーター with NHK交響楽団
5位:上原ひろみ~HIROMI’S SONICBLOOM
1位と5位は甲乙つけられませんでした。スライは客観的な完成度ではどうかと思いますが、私の興奮度を加味してこれぐらいの順位に落ち着かせました。それにしても1位の2組は素晴らしかったです!
東京国際フォーラムで開催された東京JAZZ2008。最終日8月31日の鑑賞日記。ちなみに昼の部しか観てません。テーマは『TOKYO JAZZ 2008 meets BLUE NOTE TOKYO』。でも何故かソウル・デイと化した面子にウハウハでした。(正確な時間は覚えていませんので、オフィシャル・サイトのタイムテーブル通りの時間を記載しています。概ね時間通りだったと思いますけど。)
昨日同様11時過ぎに国際フォーラムに到着。
11:45~アリスター・スペンス・トリオ
ネオ屋台村特設ステージ。シュラスコと言うブラジルのバーベキューを食べながら。ご飯の上に焼いた牛肉が載ってるんですけど、結構沢山乗ってて大満足。もちろん味も良かったです。フェス気分満喫。そして本会場のホールAへ向かう。
12:15~セク・ケイタSKQ
ホールA内ロビーにてウェルカム・ステージ。これが良かった! コラ、パーカッション、ヴォーカルのアフリカ組みに、ウッド・ベースとヴァイオリンが入る変り種バンド。アフリカmeetsドーグ・ミュージックと言ったら誉めすぎかもしれませんが、異人種、異ジャンルの混合音楽はかなり刺激的でした。コラの演奏を間近で見れたのも初めてで、美しい音色に聴き入りました。
13:00~ロベン・フォード
いよいよ本編スタート。気になるギタリストではありますが、ライヴを観るのは初めて。ここまでブルース・ロック路線だとは驚きました。しかし熱くディープになりすぎず、爽やかさを留めているところがフュージョン的ですかね ?個人的にはそこが少々もどかしかったり。「Riley B. King」は凄く良かったです。終演後ロビーに張り出されたセット・リストはこんな感じ。
1.Lateral Climb
2.Indianola
3.Supernatural
4.Riley B. King
5.Cannonball Shuffle
6.There'll Never Be Another You
7.Peace on My Mind
8.Luvin Cup
14:10~サム・ムーア
素晴らしかったです! 完璧なソウル・ショー。女性コーラス隊とブラス・セクションを含んだバック・バンドの演奏も最高! ソウルの温かさというか、リズムがふくよかなんですよ。サム・ムーアの歌声もキレと深みが合ってまだまだ現役。これがソウルだ! という貫禄のステージでした。このレポ、ちょっと長くなります。ご勘弁を。
1曲目は「Peter Gun」。ブルース・ブラザーズでも有名なインスト曲ですね。続いてサム&デイヴの代表曲「Hold On, I'm Coming」。この曲でサム・ムーアがゆっくりと登場。
そしてエディ・フロイドの「Knock On Wood」では女性コーラスのブレンダ・ヴォーンとデュエット。この女性は日本で活躍している黒人ソウル・シンガーで、私も一度ライヴを観に行きたいと思っていた人だけに、ここで歌が聴けたのは嬉しかったです。
次の曲はジミヘンで有名な「Them Changes」。バディ・マイルスの曲ですね。結構意外な選曲かな? 続く「I Can't Stand The Rain」はアン・ピーブルズがハイから出した大ヒット曲。前半は女性コーラス隊をフューチャーしていましたが、終盤でサムはマイクから離れ地声で熱唱。70超えてるとはとても思えない、ハリのあるハイトーンがホールにこだましました。
それにしてもサム・ムーアの声は凄いです。ソウル・レジェンドと呼ぶに相応しい貫禄の響きです。もちろん全盛期に比べれべ衰えているでしょう。ですがそこにはサザン・ソウルの全盛期を築き上げた誇りと、これまで歌い続けてきた深い年輪がしっかりと刻み込まれているのです。彼にしか成し得ないソウル。流石は“ソウル・マン”なのです。
ゴツゴツとした腰にくるリズムが心地よいサム&デイヴの「You Don't Know Like I Know」。これぞスタックスですよ! そしてベン・E・キングの「Don't Play That Song」。これはサムの06年の最新作「OVERNIGHT SENSATIONAL」に収録されていた曲。バック・コーラスのキャロウェイとのデュエット。このキュートな女性は2年前のブルーノート公演でもコーラスを務め、やっぱりこの曲をサムとデュエットしていましたね。なんかおじいちゃんと孫娘みたいな感じで微笑ましかったです。
そしてこの日のハイライトとなる1曲、「I Stand Accused」。ジェリー・バトラーがオリジナルの名バラードです。選曲が渋いですね。敢えて「Something Is Wrong With My Baby」を外してこの曲を歌った真意は良くわかりませんが、極上の出来映えでした。やっぱりサム・ムーアは素晴らしい。
スロー・ナンバーでソウルの真髄を見せた後は自信の代表曲、サム&デイヴの「Soul Sister Brown Sugar」で盛り上がる。続いて「Standing On The Shakey Ground」。耳なじみのある曲なのですが、何の曲だか分からず…。帰宅後調べたところテンプテーションズですか? これも意外な選曲。
終盤は凄い! オーティス・レディングの「I Can't Turn You Loose」ではサムの合図で観客は総立ち。あのホーンリフが始まると同時に爆発するかのごとく盛り上がる観客。これぞサザン・ソウル。最後はサム&デイヴの2連発! 「I Thank You」~「Soul Man」で締め。「Soul Man」のホーンリフが始まった時は泣きそうになりましたね。ブルーノートのようなクラブではなく、国際フォーラムという大ホールで、70歳を超えたサム・ムーアをみんなが総立ちで楽しんでる図はかなり感動的でした。それもこれも本物のソウル・マンだからこそ!
それにしても完成度の高いショーでした。サム&デイヴ時代の黄金のヒット曲はもちろん、オーティス・レディングやエディ・フロイドというスタックス時代の戦友や、メンフィスのもう一方の雄、ハイレーベルのヒット曲を交えた、サザン・ソウル・レヴュー。そこにバディ・マイルズやテンプテーションズのナンバーが絡み、その全ての曲がサム・ムーアとバンドによって新たな色彩を加えられ、サム・ムーアー・レヴューとして完成されたような。天晴れでした!
ちなみに終演後ロビーに貼り出されたセット・リストはこんな感じ。
01. Peter Gun
02. Hold On, I'm Coming
03. Knock On Wood
04. Them Changes
05. I Can't Stand he Rain
06. You Don't Know Like I Know
07. Don't Play That Song
08. I Stand Accused
09. Soul Sister Brown Sugar
10. Standing On The Shakey Ground
11. Mr. Pitful
12. I Can't Turn You Loose
13. I Thank You
14. Soul Man
ですが、実はリストに修正が入ってるんです。本当はあと3曲多かったのですが消されてるんです。それは12と13の間に「Something Is Wrong With My Baby」、そしてアンコールに「I've Got News For You」と「You Are So Beautiful」。え~!この3曲、超聴きたかったんですけど~! 「Something Is Wrong With My Baby」と「You Are So Beautiful」は2年前のブルーノート公演で私が最も感動した曲ですし、「I've Got News For You」はデヴィッド・サンボーンの新作で共演した曲ですから、サンボーンの飛び入りが予定されてたんじゃないんですか~??? 何故アンコールやらなかったんでしょう? あ~、このリスト見なければ良かった…。
さて、日記に戻ります。
15:30~スライ & ザ・ファミリー・ストーン
これは先日既に書いたので、詳しく書きませんが、スライはスライでした!
さて、サム・ムーアの感動とスライ・ストーンの毒気が抜ききれないまま、私の東京JAZZ本編は終了です。後ろ髪引かれながらホールAを後にし、ネオ屋台村へ。夏の終わりを感じながら悪あがきのようにライヴを観ました。
16:45~セク・ケイタSKQ
先程、ロビーでライヴをしていたバンド。今度はギャラリーもかなり集まっていて、かなり盛り上がっていました。バンドもノリノリで凄く良いライブでした。やっぱりコラって良い音色しますね。
17:45~FUYU 真っ昼間の宇宙
日野JINO賢二さんのブリブリなベースが格好良かったです。
19:00~オマール・ゲンデファル
崇高なジャンベの音が天高く響き渡り、私の夏が終わりました。
初めて体験した東京JAZZ。かなり楽しかったです。1アクトの演奏時間が短いのがたまに傷ですがそれも仕方ないですかね。来年も刺激的なメンツを集めていただきたいものです。ちなみにアンケートにはアレサ・フランクリンと書いておきました…。
とりあえず、今年私が観た中でのベスト5です。
1位:リシャール・ガリアーノ & ザ・タンガリア・カルテット
1位:ミシェル・カミロ・トリオ
3位:サム・ムーア
4位:スライ & ザ・ファミリー・ストーン
5位:ハンク・ジョーンズ & ロン・カーター with NHK交響楽団
5位:上原ひろみ~HIROMI’S SONICBLOOM
1位と5位は甲乙つけられませんでした。スライは客観的な完成度ではどうかと思いますが、私の興奮度を加味してこれぐらいの順位に落ち着かせました。それにしても1位の2組は素晴らしかったです!