ニューオーリンズを代表するドラマーの一人、ハーマン・アーネスト III さんが3月6日、癌のため亡くなられました。59歳だったそうです。昨年10月のドクター・ジョン来日公演で元気にドラムを叩いていたあのハーマン・アーネストです。びっくりしました。この人、レコードによって表記が色々あって、Herman Ernest だったり、Herman Ernest III だったり、Herman V. Ernest III だったり、近年はHerman "Roscoe" Ernest III だったり…。正直、この人達はみんな別人なのか?とか本気で悩んだ時期もありましたが、同じ人ですよね? という訳で、ドラマー王国ニューオーリンズにあって、おそらく最も忙しいドラマーの一人だったであろうハーマン・アーネスト。そんな彼の仕事のほんの1部をご紹介。
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Labelle / Nightbirds
ハーマン・アーネストはアラン・トゥーサンに信頼されていたようで、トゥーサンのプロデュース作品でしばしば彼の名前を見つけることが出来ます。そしてトゥーサン関連の中での最大のヒット作である、ラベルの74年作「NIGHTBIRDS」、あの名曲「Lady Marmalade」を収録したこのアルバムにも参加していたらしいのです。私の持っているCDにはバック・ミュージシャンのクレジットが無いので確認は出来てないのですが…。この作品はバックにミーターズが参加しているものの、ドラマーのジガブー・モデリステだけが不参加であるという点もよく知られているところですが、その不在を埋めたのがハーマン・アーネストだったのでしょうかね~?
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NEVILLE BROTHERS / FIYO ON THE BAYOU
ネヴィル・ブラザーズ初期の名作にハーマン・アーネスト、ちょっと意外ですよね。この頃のネヴィルズはまだレコード会社の思惑に縛られていた時代。本来はウィリー・グリーン(ds)&ニック・ダニエルズ(b)と共にレコーディングすることを希望していたようですが、それが通らなかったようですね。そこへハーマン・アーネストです。しかもベースはデヴィッド・バラードですからね。後にドクター・ジョンのバックでコンビを組むリズム隊ですね。ちなみにドクター・ジョンもゲストで2曲に参加しています。面白い!
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EARL KING / HARD RIVER TO CROSS
私にとってハーマン・アーネストと言えばブラック・トップな訳ですよ。特に90年代前半に好作品を連発しています。その1枚がアール・キングの93年作「HARD RIVER TO CROSS」。これは名盤ですよね~! ここでハーマン・アーネストの相棒となるベーシストはジョージ・ポーター・JR.ですからね! キーボードにはデヴィッド・トカノウスキー、さらにゲストでスヌークス・イーグリン。いかにもブラックトップなメンツですけど、この人達に任せておけば間違いないですよね。特にハーマン&ジョージのふくよかなノリが良いです!
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SNOOKS EAGLIN / SOUL EDGE
80年代からブラック・トップに良盤を残してきたスヌークス・イーグリンの、ブラック・トップ最後の作品。95年作。これも傑作ですね。ここでもハーマン&ジョージのリズム隊が素晴らしい!1曲目「Josephine」のハネまくるドラム!最高ですよね。ジョージの間を生かしたベースも流石。これぞセカンドライン・ファンク! とりあえずハーマン・アーネストと言えばこの曲!と私は推したいです。まあ、ジョージのパートナーと言えば、ジガブー・モデリステだったり、ラッセル・バティステだったり、そしてハーマンのパートナーと言えばデヴィッド・バラードという印象が強いかもしれませんが、いやいや、この時期のハーマン&ジョージも侮れませんよ! ちなみにスヌークスのギターのエグい切れ味も相当に強力。
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MARIA MULDAUR / LOUISIANA LOVE CALL
マリア・マルダーと言えば、ジャグ・バンドの歌姫であり、ルーツ・ミュージックの女神。そんな彼女のニューオーリンズ録音による92年作。アーロン・ネヴィル、チャールズ・ネヴィル、ドクター・ジョン、ザッカリー・リチャード、デヴィッド・トカノウスキーと言った強力メンツが参加。リズムはハーマン・アーネスト&クリス・セヴェリン。これも良いんですよね~。その名も「Second Line」でのハーマンのスネア捌きが腰に来ます!
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SOLOMON BURKE / SOUL OF THE BULUES
キング・オブ・ソウルこと、ソロモン・バーク。ハーマン・アーネスト、ジョージ・ポーター・JR.、デヴィッド・トカノウスキー、クラレンス・ホリマンなど、いかにもブラック・トップなメンツがバックを固めた93年のニューオーリンズ録音。とは言えこれはタイトル通りブルース・アルバムな趣き。それにしてももっちゃりとした弾力のあるリズムは最高!そしてサミー・バーフェクトのオルガンとデヴィッド・トカノウスキーのピアノが素晴らしい! もちろんバークの歌唱も流石キング!!
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MACEO PARKER / SOUTHERN EXPOSURE
JBホーンズの顔、メイシオ・パーカーの93年のソロ作。ここにJB’Sと並ぶインスト・ファンクの巨頭ザ・ミーターズのジョージ・ポーター・JR.とレオ・ノッセンテリが参加。そしてドラムはハーマン・アーネスト! JBホーンズとミーターズ両方好きな人には堪らない作品ですね。とは言え両者の邂逅の割には緩い仕上がりなんですけどね。でもそこがまた良いんですよ!ちなみにミーターズ陣営とは別セッションですが、フレッド・ウェスリー、ピー・ウィー・エリス、さらにカーミット・ラフィンズ率いるリバーズ・ブラス・バンドも参加。
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DR.JOHN AND THE LOWER 911 / TRIBAL
で、やっぱりハーマン・アーネストと言えばドクター・ジョンですよ。こちらは昨年リリースされたドクター・ジョンと LOWER 911 名義の最新作。ベースはデヴィッド・バラード。ドクター・ジョンらしいドロリとしたルイジアナ臭を瑞々しくもアダルトなリズムが支えるニューオーリンズ・ファンク。しかもハーマン・アーネストはドラムだけではなくプロデューサーも務め、さらに「Them」ではドクターとちょっぴりラップっぽい感じでデュエットしてたりと大活躍。そしてこのアルバムは先のグラミー賞で『Best Contemporary Blues Album』部門にノミネートされていました。
ハーマン・アーネスト さん、安らかに。
North Sea Jazz Festival 2006 - Herman Ernest III
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Labelle / Nightbirds
ハーマン・アーネストはアラン・トゥーサンに信頼されていたようで、トゥーサンのプロデュース作品でしばしば彼の名前を見つけることが出来ます。そしてトゥーサン関連の中での最大のヒット作である、ラベルの74年作「NIGHTBIRDS」、あの名曲「Lady Marmalade」を収録したこのアルバムにも参加していたらしいのです。私の持っているCDにはバック・ミュージシャンのクレジットが無いので確認は出来てないのですが…。この作品はバックにミーターズが参加しているものの、ドラマーのジガブー・モデリステだけが不参加であるという点もよく知られているところですが、その不在を埋めたのがハーマン・アーネストだったのでしょうかね~?
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NEVILLE BROTHERS / FIYO ON THE BAYOU
ネヴィル・ブラザーズ初期の名作にハーマン・アーネスト、ちょっと意外ですよね。この頃のネヴィルズはまだレコード会社の思惑に縛られていた時代。本来はウィリー・グリーン(ds)&ニック・ダニエルズ(b)と共にレコーディングすることを希望していたようですが、それが通らなかったようですね。そこへハーマン・アーネストです。しかもベースはデヴィッド・バラードですからね。後にドクター・ジョンのバックでコンビを組むリズム隊ですね。ちなみにドクター・ジョンもゲストで2曲に参加しています。面白い!
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EARL KING / HARD RIVER TO CROSS
私にとってハーマン・アーネストと言えばブラック・トップな訳ですよ。特に90年代前半に好作品を連発しています。その1枚がアール・キングの93年作「HARD RIVER TO CROSS」。これは名盤ですよね~! ここでハーマン・アーネストの相棒となるベーシストはジョージ・ポーター・JR.ですからね! キーボードにはデヴィッド・トカノウスキー、さらにゲストでスヌークス・イーグリン。いかにもブラックトップなメンツですけど、この人達に任せておけば間違いないですよね。特にハーマン&ジョージのふくよかなノリが良いです!
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SNOOKS EAGLIN / SOUL EDGE
80年代からブラック・トップに良盤を残してきたスヌークス・イーグリンの、ブラック・トップ最後の作品。95年作。これも傑作ですね。ここでもハーマン&ジョージのリズム隊が素晴らしい!1曲目「Josephine」のハネまくるドラム!最高ですよね。ジョージの間を生かしたベースも流石。これぞセカンドライン・ファンク! とりあえずハーマン・アーネストと言えばこの曲!と私は推したいです。まあ、ジョージのパートナーと言えば、ジガブー・モデリステだったり、ラッセル・バティステだったり、そしてハーマンのパートナーと言えばデヴィッド・バラードという印象が強いかもしれませんが、いやいや、この時期のハーマン&ジョージも侮れませんよ! ちなみにスヌークスのギターのエグい切れ味も相当に強力。
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MARIA MULDAUR / LOUISIANA LOVE CALL
マリア・マルダーと言えば、ジャグ・バンドの歌姫であり、ルーツ・ミュージックの女神。そんな彼女のニューオーリンズ録音による92年作。アーロン・ネヴィル、チャールズ・ネヴィル、ドクター・ジョン、ザッカリー・リチャード、デヴィッド・トカノウスキーと言った強力メンツが参加。リズムはハーマン・アーネスト&クリス・セヴェリン。これも良いんですよね~。その名も「Second Line」でのハーマンのスネア捌きが腰に来ます!
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SOLOMON BURKE / SOUL OF THE BULUES
キング・オブ・ソウルこと、ソロモン・バーク。ハーマン・アーネスト、ジョージ・ポーター・JR.、デヴィッド・トカノウスキー、クラレンス・ホリマンなど、いかにもブラック・トップなメンツがバックを固めた93年のニューオーリンズ録音。とは言えこれはタイトル通りブルース・アルバムな趣き。それにしてももっちゃりとした弾力のあるリズムは最高!そしてサミー・バーフェクトのオルガンとデヴィッド・トカノウスキーのピアノが素晴らしい! もちろんバークの歌唱も流石キング!!
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MACEO PARKER / SOUTHERN EXPOSURE
JBホーンズの顔、メイシオ・パーカーの93年のソロ作。ここにJB’Sと並ぶインスト・ファンクの巨頭ザ・ミーターズのジョージ・ポーター・JR.とレオ・ノッセンテリが参加。そしてドラムはハーマン・アーネスト! JBホーンズとミーターズ両方好きな人には堪らない作品ですね。とは言え両者の邂逅の割には緩い仕上がりなんですけどね。でもそこがまた良いんですよ!ちなみにミーターズ陣営とは別セッションですが、フレッド・ウェスリー、ピー・ウィー・エリス、さらにカーミット・ラフィンズ率いるリバーズ・ブラス・バンドも参加。
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DR.JOHN AND THE LOWER 911 / TRIBAL
で、やっぱりハーマン・アーネストと言えばドクター・ジョンですよ。こちらは昨年リリースされたドクター・ジョンと LOWER 911 名義の最新作。ベースはデヴィッド・バラード。ドクター・ジョンらしいドロリとしたルイジアナ臭を瑞々しくもアダルトなリズムが支えるニューオーリンズ・ファンク。しかもハーマン・アーネストはドラムだけではなくプロデューサーも務め、さらに「Them」ではドクターとちょっぴりラップっぽい感じでデュエットしてたりと大活躍。そしてこのアルバムは先のグラミー賞で『Best Contemporary Blues Album』部門にノミネートされていました。
ハーマン・アーネスト さん、安らかに。
North Sea Jazz Festival 2006 - Herman Ernest III