10月10日、六本木ヒルズにて「BEAT CIRCUIT 2011」を観てまいりました。出演はキリエ・クリストマンソン、テテ、アシャの3組。六本木ヒルズアリーナで行なわれるイベントと言うと椅子席な印象ですが、この日はオール・スタンディング。私は前から3列目の中央付近に陣取り、かなりの至近距離から観る事が出来ました。
まずはキリエ・クリストマンソンから。彼女はこの日のオープニング・アクトという位置づけ。カナダ生まれで現在はフランスのパリ在住だそう。なるほど北国出身らしいひんやりとした幻想的な世界を聴かせてくれました。透明度の高い美声で落ち着いた雰囲気ながら、リズムを強調した歌唱スタイルはかなりフリーキーな印象。ギター弾き語りだけではなくトランペット&歌に観客のコーラスを巻き込んで1曲披露したりと、たった一人でなかなか面白いステージを見せてくれました。
そして2番手はこの日のメインの一人、テテ。セネガル出身ながら幼い頃にフランスに移住したという彼。そのせいか、ポップ且つメランコリーなメロディと、ファンルセットを交えた軽快且つ叙情的な歌声には、ヨーロッパ的な“粋”を感じさせられます。さらに佇まいや服装(帽子とか腰につけた小さなバッグとか)などもかなりオシャレな印象。ですがその歌唱やギターの躍動感にはさすがアフリカ生まれな血を感じさせられましたね。なんて言いますか、まるでリズムにバネがあるような、そんな弾力感に溢れてるんです。それはアコギ弾き語りとは思えない“しなやか”なグルーヴ。さらにちょっとした身のこなしなんかも“しなやか”。例えば間奏になると跳ねるように前へ出てきたり。そして左右に動き回っては、観客を煽る。表情も豊かで人懐っこい。曲目は「L'envie et le dédain」とか、「Fils De Cham」とか、「Le premier clair de l'aube」とか演ったかな? “Do you like brues?”と観客に声をかけて始めたブギー調の曲(80年代のUSパンク・バンド、VIOLENT FEMMESの「Blister in the sun」のカヴァーかな?)も印象的でしたね。ラストは「A la faveur de l'automne」をアンプもマイクも無しの完全アンプラグドで。シーンと静まり返った会場に滲みるような彼の歌声が素晴らしかったですね! 最後に日本語で『またね!』と言って去っていきました。
そしてトリを務めたアシャ。彼女はパリ生まれのナイジェリア人。ドラムス、ベース、キーボード、ギター×2という5人の男性+バック・コーラスの女性1人からなるフル・バンドを従えてのステージ。アシャは黒い踊り子のような衣装で登場。「Bimpé」で始まったそのステージ。中盤のメタリックなギター・リフが冴えるアーバンな演奏にアシャのソウルフルな歌声が映える。アーバンとは言え、アフリカはもちろん、レゲエとか色々な音楽がミクスチャーされている。そしてアシャの歌声はスモーキーな憂いを感じさせつつ、まるで土っぽさと洗練の狭間をエモーショナルに、そして力強く泳いでいくような感性。そして「Why Can't We」のようなポップな曲では一瞬にして会場が華やかな雰囲気に。サビの『フッフー!フッフー!』という掛け声を観客みんなで歌ったり。さらにスロー・ナンバーの「Bamidele」がまた圧巻。野外の空気を包み込むようなアシャのスピリチュアルな歌声に聴き惚れました。またこの曲の終盤で裸足の足首に鈴をつけてステージ狭しとステップを踏むアシャの姿も印象的でしたね。
ステージ終盤の「Jailer」ではテテが飛び入りして盛り上がりました。数日前にJ-WAVEの番組で二人が生デュエットをしたのを聴いたばかりでしたので、この日もきっと共演があるだろうと期待していましたが、やはりでした! この曲での二人の楽しそうな感じがまた良かったですね。そして本編ラストは「Be My Man」。ちょっぴりアンニュイなフレンチ・ポップが夜の空気には弾けました!
そしてアンコール。アシャは低いトーンで観客に語りかける。私は例によって何を話してくれているのか分かりませんでしたが、おそらく震災について語ってくれてたんでしょうね。意味は分からなくても、アシャの気持のようなものはひしひしと伝わってきました。そしてガット・ギターをバックに歌った「Eyé Àdabà」。感動的でしたね。間違いなくこの夜のハイライト! そしてしっとりとした後はアップ・テンポの「Broda Olé」で楽しく終わる。もうノリノリで終了。しかし拍手が鳴り止まない。2度目のアンコール。今度はテテを伴って。曲はU2の「One」。この曲こそ2人がJ-WAVEで歌ってた曲。このデュエットは最高でしたね! 二人のソウルが生み出すピュア且つオーガニックな昂揚感で会場が満たされました。あ~、終わっちゃった、と思いつつも、また拍手が鳴り止まない。永遠に鳴り止みそうも無い拍手に、もう一度メンバー達がステージに現れ、1列になって2度、深々とお辞儀をして終了。
それにしても、アシャ、テテ、両人のポジティヴなメッセージが、音楽から溢れ出るようなライヴでした。さらに二人ともMCや曲中に沢山の日本語を交えてくれたので、とても親密感の高い、幸福感一杯のライヴになりましたね。で、二人とも盛り上げ上手! 特にテテは自分のステージよりアシャのステージで弾けていた感じで、コール&レスポンスとか腕を左右に振ったりとか、持ち前のキャラ全開で盛り上げてくれました。私は前の方で観ていたので、観客全体の盛り上がりはよく分からなかったのですが、後ろから遠目に観ていた私の妻が、終演後「凄い楽しそうなライヴだったね! もの凄く盛り上がってたよ!」って言ってたので、やっぱりね~、と思いました。
アシャのセットリスト↓
01. Bimpé
02. Ok Ok
03. Why Can't We
04. Fire On The Mountain
05. Bamidele
06. 360°
07. The Way I Feel
08. Jailer
09. Be My Man
--------------------
1st アンコール
10. Eyé Àdabà
11. Broda Olé
2nd アンコール
12. One
ASA / BEAUTIFUL IMPER FECTION
TETE / LE PREMIER CLAIR DE L'AUBE
終演後のサイン会で、お二人にサインを頂きました。長蛇の列が出来ましたが、二人とも惜しみなくファンと交流をされるフレンドリーな方でした。ま、そのおかげでサイン会はもの凄く時間がかかりましたけどね…。でもそれもお二人のファンへ対する愛ゆえにということで。
*曲目等、間違ってましたらごめんなさいね。
まずはキリエ・クリストマンソンから。彼女はこの日のオープニング・アクトという位置づけ。カナダ生まれで現在はフランスのパリ在住だそう。なるほど北国出身らしいひんやりとした幻想的な世界を聴かせてくれました。透明度の高い美声で落ち着いた雰囲気ながら、リズムを強調した歌唱スタイルはかなりフリーキーな印象。ギター弾き語りだけではなくトランペット&歌に観客のコーラスを巻き込んで1曲披露したりと、たった一人でなかなか面白いステージを見せてくれました。
そして2番手はこの日のメインの一人、テテ。セネガル出身ながら幼い頃にフランスに移住したという彼。そのせいか、ポップ且つメランコリーなメロディと、ファンルセットを交えた軽快且つ叙情的な歌声には、ヨーロッパ的な“粋”を感じさせられます。さらに佇まいや服装(帽子とか腰につけた小さなバッグとか)などもかなりオシャレな印象。ですがその歌唱やギターの躍動感にはさすがアフリカ生まれな血を感じさせられましたね。なんて言いますか、まるでリズムにバネがあるような、そんな弾力感に溢れてるんです。それはアコギ弾き語りとは思えない“しなやか”なグルーヴ。さらにちょっとした身のこなしなんかも“しなやか”。例えば間奏になると跳ねるように前へ出てきたり。そして左右に動き回っては、観客を煽る。表情も豊かで人懐っこい。曲目は「L'envie et le dédain」とか、「Fils De Cham」とか、「Le premier clair de l'aube」とか演ったかな? “Do you like brues?”と観客に声をかけて始めたブギー調の曲(80年代のUSパンク・バンド、VIOLENT FEMMESの「Blister in the sun」のカヴァーかな?)も印象的でしたね。ラストは「A la faveur de l'automne」をアンプもマイクも無しの完全アンプラグドで。シーンと静まり返った会場に滲みるような彼の歌声が素晴らしかったですね! 最後に日本語で『またね!』と言って去っていきました。
そしてトリを務めたアシャ。彼女はパリ生まれのナイジェリア人。ドラムス、ベース、キーボード、ギター×2という5人の男性+バック・コーラスの女性1人からなるフル・バンドを従えてのステージ。アシャは黒い踊り子のような衣装で登場。「Bimpé」で始まったそのステージ。中盤のメタリックなギター・リフが冴えるアーバンな演奏にアシャのソウルフルな歌声が映える。アーバンとは言え、アフリカはもちろん、レゲエとか色々な音楽がミクスチャーされている。そしてアシャの歌声はスモーキーな憂いを感じさせつつ、まるで土っぽさと洗練の狭間をエモーショナルに、そして力強く泳いでいくような感性。そして「Why Can't We」のようなポップな曲では一瞬にして会場が華やかな雰囲気に。サビの『フッフー!フッフー!』という掛け声を観客みんなで歌ったり。さらにスロー・ナンバーの「Bamidele」がまた圧巻。野外の空気を包み込むようなアシャのスピリチュアルな歌声に聴き惚れました。またこの曲の終盤で裸足の足首に鈴をつけてステージ狭しとステップを踏むアシャの姿も印象的でしたね。
ステージ終盤の「Jailer」ではテテが飛び入りして盛り上がりました。数日前にJ-WAVEの番組で二人が生デュエットをしたのを聴いたばかりでしたので、この日もきっと共演があるだろうと期待していましたが、やはりでした! この曲での二人の楽しそうな感じがまた良かったですね。そして本編ラストは「Be My Man」。ちょっぴりアンニュイなフレンチ・ポップが夜の空気には弾けました!
そしてアンコール。アシャは低いトーンで観客に語りかける。私は例によって何を話してくれているのか分かりませんでしたが、おそらく震災について語ってくれてたんでしょうね。意味は分からなくても、アシャの気持のようなものはひしひしと伝わってきました。そしてガット・ギターをバックに歌った「Eyé Àdabà」。感動的でしたね。間違いなくこの夜のハイライト! そしてしっとりとした後はアップ・テンポの「Broda Olé」で楽しく終わる。もうノリノリで終了。しかし拍手が鳴り止まない。2度目のアンコール。今度はテテを伴って。曲はU2の「One」。この曲こそ2人がJ-WAVEで歌ってた曲。このデュエットは最高でしたね! 二人のソウルが生み出すピュア且つオーガニックな昂揚感で会場が満たされました。あ~、終わっちゃった、と思いつつも、また拍手が鳴り止まない。永遠に鳴り止みそうも無い拍手に、もう一度メンバー達がステージに現れ、1列になって2度、深々とお辞儀をして終了。
それにしても、アシャ、テテ、両人のポジティヴなメッセージが、音楽から溢れ出るようなライヴでした。さらに二人ともMCや曲中に沢山の日本語を交えてくれたので、とても親密感の高い、幸福感一杯のライヴになりましたね。で、二人とも盛り上げ上手! 特にテテは自分のステージよりアシャのステージで弾けていた感じで、コール&レスポンスとか腕を左右に振ったりとか、持ち前のキャラ全開で盛り上げてくれました。私は前の方で観ていたので、観客全体の盛り上がりはよく分からなかったのですが、後ろから遠目に観ていた私の妻が、終演後「凄い楽しそうなライヴだったね! もの凄く盛り上がってたよ!」って言ってたので、やっぱりね~、と思いました。
アシャのセットリスト↓
01. Bimpé
02. Ok Ok
03. Why Can't We
04. Fire On The Mountain
05. Bamidele
06. 360°
07. The Way I Feel
08. Jailer
09. Be My Man
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1st アンコール
10. Eyé Àdabà
11. Broda Olé
2nd アンコール
12. One
ASA / BEAUTIFUL IMPER FECTION
TETE / LE PREMIER CLAIR DE L'AUBE
終演後のサイン会で、お二人にサインを頂きました。長蛇の列が出来ましたが、二人とも惜しみなくファンと交流をされるフレンドリーな方でした。ま、そのおかげでサイン会はもの凄く時間がかかりましたけどね…。でもそれもお二人のファンへ対する愛ゆえにということで。
*曲目等、間違ってましたらごめんなさいね。